鑛物趣味の博物館館長の鉱物日記
 館長の「石漬け」の日々をご紹介して参ります。鉱物採集に行ったこと、ミネラルショーや即売会に行ったこと、同好会の例会に参加したこと、館長の一生の財産である石友の皆さんとの交流、普段の生活での何気ない鉱物との出会い、そして石にまつわるニュース的なことを書き綴って参ります。
館長について・・・幼少の頃(小学校低学年)より石集めを始め、鉱物趣味歴60年超。日本産鉱物標本の収集と鉱物趣味史・大阪府産鉱物研究がライフワーク。「夢」は鉱物博物館。現在、益富地学会館(運営委員)、日本鉱物科学会・大阪石友会・福岡石の会・鉱物同志会・地質学史懇話会・奈良鉱物研究会・吹田地学会、石川県鉱物同好会各会員など石に関するいろんなジャンルの所に顔を出しています。
詳しくはプロフィールのページへ。
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2018年12月28日(金)
聖地巡礼 マチカネワニ発見之地を訪れる
 大阪大学で行われた企画展の撤収作業で博物館に向かう。
閉会の日の日付が変わる直前まで撤収作業をやっていたので、残りの作業は4時間程で終了。
開会までの苦労を思い出すと実にあっけない。撤収作業を行いながら、もっとこうやったら良かったのに・・・とか反省ばかり。このような規模の展示会をすることは館長の残された人生から考えても、恐らく無いであろう。
 作業終了後、Itさんとマチカネワニの発見場所へ向かった。
マチカネワニは1964年、我が大阪石友会のHさん(当時大学生)が発見されたのだが、発見場所へは今まで行ったことがなかった。
言わば、聖地巡礼である
発掘地点は理学部のエリアで、立派な記念碑が建てられている。
丁度、その頃、まだ子供であった館長も待兼山を訪れている。
但し、目的は「高師小僧」であったが。
50年以上昔に想いを馳せる館長であった。


2018年12月16日(日)
高田クリスタルミュージアムで鉱物サロン
 京都の高田クリスタルミュージアムで行われる鉱物サロンに参加した。
今回のテーマは「喜和田鉱山」。あの有名なタングステン鉱山だ。
高田館長が喜和田鉱山の歴史や鉱山の概要、産出鉱物について約2時間に亘り、詳細に解説された。同じく京都のタングステン鉱山である大谷鉱山との関連性がよく理解できた。
 館長は残念ながら、ついに喜和田鉱山を訪山できなかったが、鉱山長であったNさんとはお電話でお話しした事があり、鉱石も送って頂いた。
鉱山へもお誘い頂いたが、訪山出来ず、今となっては残念至極である。
また、ミネラルショーに出展されたこともあった。たいへん鉱物蒐集家には理解のあった方だと思う。
話の中心はかの有名な第11鉱体である。
長さ120m世界最高品位のタングステン鉱体である。鉱山の稼行当時の写真などたいへん貴重な資料を沢山見せて頂いた。
やっぱり、鉱山はやっている時に行っておくもんだと痛感した館長であった。

2018年12月14日(金)〜15日(土)
年末恒例! 池袋ショー他
 本日から池袋ショー(東京ミネラルショー)。高速バスで東京到着後、時間を潰して、サンシャインの会場へ向かう。オープン直後に会場に入ったが既にお客さんでいっぱい。
先ずは日本産鉱物を多く置いているテーブルに行くが、人だかりがすごく近づけず。
 館長が初めて聞くような名前の鉱物もあったが、最近、このような鉱物にどうも魅力が感じられない。
また、あるテーブルには新鉱物・日立鉱があったが、電顕でしか判らないもので、お高くはなかったが、これもパス。買うものがないやん。某有名標本店のブースには物凄い水晶峠の水晶トッコがあった。お値段も7桁は行きそう。これは指をくわえて見るだけ。
特別展示はヨーロッパ最大級の亜鉛・鉛鉱床のトレプカ(コソボ共和国)の鉱物展示。(写真下)
同じスカルンの神岡鉱山に似た感じだ。結局、買い物は書籍を一冊だけ。
 午前中、前職の後輩で、今は退職してヒブノセラピストとして活躍されているSr嬢と、午後は同じく前職の後輩であるKy君とそれぞれ久しぶりに会う事ができた。みんな頑張ってるなぁ。頑張っている後輩の姿に元気をもらった館長であった。
更に、その夜は地学史のHkさんと忘年会。
翌日は午前中家事を済ませた後、帰りのバスまで時間があったので丸の内にある日本郵便の商業施設、KITTEへ向かう。
KITTE
には東京大学総合研究博物館の「インターメディアテク」があるのだ。鉱物標本も展示されており、日本式双晶や市之川の輝安鉱などの迫力ある標本が展示されていた。


2018年12月9日(日)
難波神社の石まつり
 今年の12月は何気に忙しい。本日も石のイベントである。
大阪本町近くの難波神社で恒例の「石まつり」が昨日から開催されている。
館長が世話人をしている大阪石友会も出店(写真下)しているので覗いてみた。
会場に入ると沢山の人、人、人。女性が圧倒的に多い。
一般の石好きさん向けのイベントだけに鉱物マニアのオジサンは殆どいない。
出店者側を除けば知り合いのAmさん、Kさんくらいかな。
従って原石の出品物も綺麗系が中心。特にホタル石がたいへん多い。
確かにカラフルで透明感もあって人気があるもんなぁ。
 会場を廻ってみると、国産鉱物の出品も若干有り、蛍鉱山や宝達山など各地のホタル石やレインボーガーネット、水晶などが並べられていた。
 さぁ、いよいよ今週末から今年の締め、池袋ショーである。
石を減らさないと・・・と言いながら、新しい鉱物との出会いを楽しみにしている館長であった。

2018年12月8日(土)
Clearing Gem Art
 益富地学会館の運営委員会で上洛したが、会館へ行く前に寄り道をした。
八坂神社近くのギャラリーでTaさんによる花と天然石のアート展Clearing Gem Art ]が行われている。先日の「石おもしろ会」で紹介されたので、会館へ行く前に立ち寄った。
 ギャラリーにはメノウなどをジェムストーンを使った絵画やワイヤーアクセサリーなどのアート作品などが多数展示されていた。鉱物にはこのような楽しみ方もあるんやな。
ひと時、アートの世界に浸った元美術部(すぐ辞めたが・・・)の館長であった。


2018年12月2日(日)
石おもしろ会に初参加
 13回目を数える「石おもしろ会」に初参加した。今回は初めての試みで「GJXA」という催しが行われた。「GJXA」とは「Gemstone&Jewelry eXchange for Amateur」の略で、要するにアマチュア同士の石の交換会である。
GJXAには館長も含めて10名以上が参加し、殆どの方がルースの出品であった。館長は唯一の国産鉱物出品者として亀岡の桜石を出品。
完売とまではいかなかったが半分以上は売れた。お買い求め頂いた方々に感謝。
 さて、会場の方は圧倒的にルースや綺麗な石を使ったアート作品が多く、若い人たちや女性が多い。
 そのように鉱物標本が少ない中で面白いものを見つけた。
「ドラゴンエッグ(石灰玉)」というらしい「謎の球体」である。
或る石灰岩の山の粘土中から見つかったものだそうだ。
見た目はどうみてもノジュールであるが表面の模様が面白い。何だろうか?
偶々会場でお会いした館長よりも鉱物趣味歴の長いGさんも首をかしげておられた。
安かったのでコレクション用と分析用を買った。
 次回の石おもしろ会は来年3月に開催予定との事。
また老後?の楽しみが増えた館長であった。

2018年11月25日(日)
石ふしぎ大発見展30周年感謝の会
 石ふしぎ大発見展の30周年を記念して祝賀会が催され、館長も出席させて頂いた。会場には50名近くの実行委員や関係者、来賓の方々が出席され、貴重なお話しを伺った。
「石ふしぎ」は多くの方々に支えられているんだなぁと実感した。
 館長は京都ショーの第一回目(当時は客として)から参加しているが、第一回目の出展社は僅か43社、こじんまりした展示会であった。
それが2018年には219社。何と5倍以上である。
 最近ではオープン前の行列が数百人に及ぶ。確実に趣味の層は厚く広くなっている。スタッフの一人として実に嬉しいことである。
一方、昔から鉱物趣味普及の原動力となってきた鉱物愛好団体は縮小化、高齢化の一途である。
このミスマッチを何とかしたいものである。
これからも微力ながら「石ふしぎ」発展のお手伝いが出来ればと思う。気持ちも新たに、更に身の引き締まる思いの館長であった。

2018年11月24日(土)
祝! 2025年大阪万博

大阪万博で買った「太陽の塔」
 2025年の万博が大阪に決まった。人それぞれ考えや想いは違うだろうが、「大阪人」であり、万博の時が青春真っ只中であった館長は実に嬉しい。
EXPO70の時、館長は高校生であった。とにかく万博が楽しかった。
三菱未来館で見た「薄型テレビ」には驚かされた。まだ、液晶の片鱗も無い時代だ。
当時から石マニアであった館長は月の石を見るのにアメリカ館で何時間も並んだ。
同じく人気パビリオンであったソ連館も何時間も並んだ。しかし並ぶことが全く苦にならなかった。鉱物ではコロンビア館のエメラルドの原石にびっくりしたものだ。
 今では考えられないが、当時は外国人がたいへん珍しかった。迷惑な話だが外国人スタッフの方々にサインをねだったりして、プチ国際交流を楽しんだ。間違いなく大阪は元気であった。
 先日、館長と同じく大阪出身である石友のWkさんと雑談の中で万博に話が及んだ時、館長が「大阪万博は11回行きましたよ」と言ったら、Wkさんは「私は18回行きました」と返され撃沈。
館長は閉幕直後に高台から終了後の静まり返った会場を眺め、「祭の後の寂しさ」を高校生の館長は実感した。
 加齢もあるのかな?昔に比べて、驚くことや感動することが少なくなった。2025年万博の時は館長は73歳。
2025大阪万博では昔のように無邪気に感動したりすることは無いだろう。
が、しかし残り少ない人生、ここらでもう一回ビックリさせてほしい、万博よ。

2018年11月18日(日)
大阪自然史フェスティバル
 昨日から大阪長居公園の大阪市立自然史博物館で「大阪自然史フェスティバル」が始まった。
館長も一日遅れであったが、大阪石友会のブースへお手伝いに参上した。
石友会は恒例?の「砂の中から宝石を探そう」で砂に入ったアメジスト、ローズクォーツ、オリビン、黄鉄鉱をピンセットを使って選り分けるというもの。
子供達にたいへんな人気で常に待ち行列が出来ている状態だ。
最後の一粒まで探そうという子や早々と飽きてしまう子など様々である。
この中から一人でも鉱物に興味を持つ子が現れたら嬉しいと思う。
 一方、会場内には100を超える関西の自然愛好家グループが出展。
残念ながら、地学関係は少なく、石友会を含めても4〜5ブースくらいだ。
その中で大阪府のN高校の鉱泉に関する研究発表は良かった。
しかも富田林市の「高師小僧」(下の写真)が展示されていた。
そんなに古いものではないが、高師小僧の条件は満たしているようなので、館長執筆中の「大阪の鉱物」に記載しよう。
 また、会場内で以前、秦野鉱山の調査でたいへんお世話になった「池田人と自然の会」のIkさんとMkさんに久しぶりにお会いできた。
色々お話しさせて頂いたが、石友会だけでなく、どちらの会も運営側の高齢化に頭を悩ませておられるようだ。
石友会の本日のメンバーでも66歳の館長が若手グループである。どうなることやら・・・。
自分の事は棚に上げて会の高齢化を心配する館長であった。

2018年11月17日(土)
The Mineral World ミュージアム レクチャー
「鉱物コレクションと展示 ー日本、欧米、中国の博物館を例としてー」
 現在、大阪大学総合学術博物館で開催中の企画展示「The Mineral World」のミュージアムレクチャーが行われた。講師は産総研地質標本館前館長の豊遥秋先生。
豊先生と大阪大学のご縁は今から十数年前に初めて阪大鉱物コレクションの整理をされた頃に遡る。
 その当時の貴重なお話しや先生が世界の博物館を廻られた時のお話し、特に我国が世界に誇る市之川の輝安鉱についてであった。館長も市之川の輝安鉱が大好きである。
館長が高校生の頃、お小遣いを貯めて数cmの輝安鉱を入手した頃の感動が蘇った。
約1時間半のお話しや質疑応答の後、企画展の展示解説が行われた。
館長も関わったパートを中心に展示解説をさせてもらった。

2018年11月7日(水)
大阪大学総合学術博物館をご案内
 館長の古くからの石友であり、無名会や地質学懇話会の会員でもあるHkさんが遠路、企画展見学の為、東京から来阪された。
Hkさんは学生時代から和田維四郎に関心をもち研究されてきた斯界の第一人者であり、当然ながら鉱物学史全体に対する造詣が深い。
館長はぜひHkさんにご覧頂き、評価頂くことを熱望していたので喜びに堪えない。
約1時間にわたり館長が会場を案内させて頂いたが、光栄にもたいへん高い評価を頂いた。
只、今回の展示が本草学から宇宙鉱物学までを横断的に一足飛びで駆け巡る展示であったので展示スペースも限られ、Hkさんや館長が“師”と仰ぐ(勿論、会ったことはない)和田維四郎の扱いが小さかったことが少々残念。

2018年11月4日(日)
かわらの石観察研究会 in 桂川
 本日は京都亀岡の桂川で益富地学会館のイベント、「かわらの石観察研究会」が行われた。
 館長は今回もスタッフとして参加した。お天気の影響か参加人数は事前予想よりやや少なめであったが、それでも100人くらいが集まった。
朝方、小雨が降ったようだが、これがもし本格的に降っていたら、「やっぱり“雨男”の館長が来たからや!」って言われるんやろうな。
人一倍、今日の天気にナーバスな館長である。
昨年はめちゃくちゃ寒かったが今回はそのような事もなく割と穏やかな天気だ。
河原の岩石はチャートが最も多く、流紋岩や花崗岩などの火成岩、砂岩や頁岩などの堆積岩類が見られた。中には綺麗な赤白珪石を採集された方も居た。
石を割ってあげたり、岩石の鑑定をしたり、説明をしたり、こちらも楽しませて頂いた。
石英の隙間に細かな水晶を見つけて喜ぶ子供達の姿を55年前の自分に重ねあわせた。館長も昔はピュアな石好き少年であったのだ。
観察会は事故無く、皆さんも満足されたようで、成功裡に終了できた。
 帰途、近隣にある鉱物標本店「たんくら」さんにに立ち寄り、店主のMtさんや観察会帰りの参加者の皆さんと石談を楽しんだ。

2018年11月3日(土)
The Mineral World ミュージアム レクチャー
 早いものでもう11月だ。定年退職して早や15か月。月日の経つのは早いが、11月1日はヨメと37回目の結婚記念日を祝う。遂に38年目に突入した。
 ここまで続いたのは私のガマンや、いやオレの忍耐やと主張しあうも堂々巡り。ヨソの夫婦もこんなんかなぁ。
 ところで、本日は大阪大学総合学術博物館特別展のミュージアムレクチャーが行われた。ほぼ満席となり盛況であった。
館長はお客さんのつもりで行ったが、結局、案内係になってしまった。
「“石”と人との物語−鉱物の活用と人類の発展」というテーマで益富地学会館研究員のItさんが講演された。
特に今回の目玉展示の一つである石見銀山関連のお話しは江戸時代の鉱石標本が世に出るまでのお話しでたいへん興味深かった。
会場には大阪石友会のThさんやTaさんが駆けつけてくれた。
約1時間半のお話しの後、Itさんによる展示解説も行われた。館長も解説のお手伝いを行った。
さぁ、明日は京都の亀岡で「かわらの石観察研究会」だ。片道2時間以上。朝が早いのがチョットたいへん。

2018年10月22日(月)
いよいよ大阪大学特別展開催
 本日から大阪府豊中市の大阪大学総合学術博物館で第12回特別展、
The Mineral World −人と鉱物のつむぐ物語−」が始まった。
館長は昨年からこのプロジェクトに関わってきたので、ようやく開催に漕ぎつけ感慨ひとしおである。
展示完成の直前に東京へ行ったので、初日開会直後に展示の状況やキャプションの確認を行った。手前味噌であるが、なかなか良い出来栄えであると思う。
 本草学から博物学、物産学、木内石亭に代表される奇石趣味、和田維四郎以来の近代鉱物学、そして宇宙鉱物学までを一挙に駆け抜けるような展示はあまり例がないのではと思う。会場はそんなに広くはないが展示物のバリエーション、数は凄いと思う。
 そして、今回の目玉展示は10月30日からの期間限定の公開となるが、平賀源内の「火浣布」、いわゆる石綿で作った「燃えない布」である。これは一見の価値があると思う。
 また、普段未公開の戦前(旧制高校時代)からの大阪大学鉱物コレクションも鉱物ファン必見だ。
珍品である小坂鉱山産自然銀や美しい荒川鉱山の毛赤銅鉱、まず殆どの人が見たことがないであろう新潟県鯨波の巨大な角閃石結晶、河津鉱山の超リッチなブロシャン銅鉱など素晴らしいものである。ぜひご来場頂きたい。

2018年10月21日(日)
コムロさんの即売会に参戦
 大阪大学特別展の開催が迫る中、開会前々日の20日夜まで展示の準備作業をした後、結局自宅へ戻れず、阪大からそのまま梅田経由で高速バスに乗って東京へ向かう。21日は久々のコムロさんでの日本産鉱物即売会だ。
翌21日早朝東京着。少し時間を潰してコムロさんへ向かう。
今回もお店には大勢の熱心な鉱物ファンが来られていた。
皆さんのターゲットが大いに気になる。
良いものは当然ながら被ってしまうので情報収集が欠かせない。
結局、明確に順位を決められないまま即売会は始まった。
 激しい争奪戦の中、何とかターゲットの一つ、黒平のアクアマリンをゲット。昔の岩本鉱産物商会の標本だ。
青味が強く透明で、アクアマリンの名に恥じない。大小6本のセット標本であったが、最長のもので5cmあった。
良い買い物をしたと思うが、今回も清水の舞台からジャンプしてしまった。
自分の甲斐性で買ったのだが、どうもヨメの顔が脳裏にちらつく恐妻家の館長であった。
その日は帰りに科博で科学史関連の常設展示を見た後、関西に戻った。
いよいよ明日から大阪大学の特別展が始まる。準備の進捗が大いに気になる。

【お知らせ】 イベントのご案内

大阪大学総合学術博物館 第12回特別展

The Mineral World

人と鉱物のつむぐ物語

 10月22日(月)から12月21日(金)まで2か月間に亘って、大阪府豊中市の大阪大学総合学術博物館(最寄駅:阪急電車宝塚線石橋駅)にて展覧会「The Mineral worldが開催されます。
 江戸時代の本草学から平賀源内らの博物学、物産学、木内石亭に代表される奇石趣味、そして近代鉱物学、更には宇宙鉱物学までの鉱物に纏わる壮大なドラマが展開されます。
 また、普段は未公開の昭和初期から収集された大阪大学鉱物コレクションの一部も公開致します。
本格派鉱物マニア必見の古典標本が展示されます。常設展ではマチカネワニの本物が展示されております。是非、お越し下さい。
尚、休館日がありますのでお越し頂く際は必ず博物館のHPなどで開館をご確認の上、ご来場下さい。

https://www.museum.osaka-u.ac.jp/

2018年10月6日(土)〜8日(月)
第30回京都ショー
 京都ショーも遂に第30回を数えた。1回目から参加している者として、また、実際に運営している立場からも感慨ひとしおである。
 今回も初日から多数の来場者で賑わった。館長はいつも通り、益富地学会館コーナーを担当した。標本(委託品)は国産鉱物が中心で鉱物マニアの方々で賑わった。
お買い上げ頂いた皆様に感謝。
 特別展示は「国石」で数々の見事な翡翠を展示。併せて国石の候補となった水晶や自然金、輝安鉱も展示。館長も門外不出の中瀬鉱山の自然金などを展示協力した。
 昼休みを利用して会場をさっと見学。老舗標本店で老コレクター放出の佐渡鉱山の自然金(ルーペでなんとか見える参考品レベル)を買って終わり。

2018年9月22日(土)
たからづかの石造物
 宝塚市立中央図書館で「たからづかの石造物」という講演会があり参加した。
中世のお寺にあるような多宝塔や五輪塔などの石造物のお話しで、単なる「石繋がり」で参加したのであるが、御影石を中心とした兵庫県の石材の話もあった。
兵庫県で最も古い五輪塔は淡路島にあるそうだが石材は大阪府宿野(いわゆる豆粕)の花崗岩だそうだ。なんで六甲の花崗岩を使わなかったのかな。
また、ペグマタイトで知られる家島の花崗岩は江戸まで運ばれ、佃島(ルーツは大阪)が出来たそうである。

2018年9月5日(水)
ホームページ開設20周年と50万アクセス突破の御礼
 いつも「鉱物趣味の博物館」をご愛顧頂き誠に有難うございます。
お陰様で、本日、ホームページ開設より満20年を迎えました。また、9月1日、ようやく節目の50万アクセスに到達致しました。
これもひとえに皆様方のご愛顧の賜物と厚く御礼申し上げます。
 館長は昨年7月の完全定年退職以来、念願の鉱物展示室「鉱物趣味の博物館」の開設、大学に於ける鉱物標本の整理など第二の人生を楽しませて頂いております。これからも命ある限り、「NO STONE NO LIFE」の精神で頑張って参ります。
引き続き、末永く「鉱物趣味の博物館」にご支援の程宜しくお願い申し上げます。

2018年8月25日(土)
名古屋ショー
 今年も名古屋ショーに参加した。なんと第40回である。
大きなミネラルショーとしては館長の知る限り、本邦で最も長い歴史を有するミネラルショーであろう。
館長は比較的初期の頃から参加しているが、その間の発展ぶりには目を見張るものがある。
主催者である名古屋鉱物研究会の方々の献身的な努力にはいつも頭が下がる。
 さて、館長はオープン30分前に着いたが、既に長い行列ができていた。
名古屋ショーはアマチュアの出店が多いので、思わぬ珍品にあたる事がある。
今回の館長の成果は愛媛県の金水銀鉱、和歌山県で最近見つかった自然金、これも最近九州で見つかった稀産沸石のガロン沸石等数点を購入。
また、コレクションが増えてしまった。
高らかに宣言したコレクションのコンパクト化は遠ざかる一方だ。
まぁ、救いは大きな石を買わなくなったことくらいかな・・・。
コレクションをコンパクトにしたい。でも欲しい石は我慢できない。
館長の葛藤の日々は続く。

2018年8月4日(土)
「煌く結晶!鉱物標本の世界」 京都大学鉱物展示リニューアル
 鉱物コレクターには朗報である。
京都大学総合博物館で京大鉱物コレクションの常設展示が始まった。
京大コレクションは明治30年代から工学部の比企忠教授を中心に蒐集された大コレクションだ。
他に旧制三高や旧教養部、農学部、理学部からのものも含めた25,000点に及ぶ巨大コレクション群である。
 本邦の鉱物コレクションといえば、和田(三菱)、高(九大)、若林(東大)が三大コレクションと言われるが、これに比企(京大)標本を加えて本邦四大鉱物コレクションといえるだろう。特に質もさることながら、数量は他を凌駕している。
 本日はそのオープニングイベントで豊先生と下林先生の講演が行われた。
豊先生のご講演は輝安鉱を中心に各国の博物館展示について、下林先生のご講演は京大標本、特に比企標本の歴史に纏わる内容であった。
 途中で標本の展示解説があり、館長一押しの田上山の煙水晶とトパーズの付いた標本、バランスが絶妙な長石のマネバッハ式双晶、土呂久のダンブリ石群晶などが展示されている。
 4大コレクションでも常時見られるのは京大コレクションくらいであろう。コレクター必見である。

2018年8月1日(水)
蘇洞門めぐり
 本日はヨメと日帰りバス旅行。行く先は福井の若狭湾である。
館長の目的は名勝、蘇洞門(そとも)巡りのクルージングだが、それだけではこの日記に書く理由がないのだが、書くには訳がある。
 この蘇洞門の海岸にはマニアには知られた鉱山跡があるのだ。
鉱山名は内外海(うちとみ)鉱山。只、陸路でのアプローチは殆ど不可能に近く、場所的にちょっとやそっとで行けないらしい。
せめて海上から旧坑跡でも見ようかなと思ったのだ。
鉱山跡近くを遊覧船が通った時、「このあたりにはタングステンやモリブデンの・・・」というアナウンスがあり、少々驚いた。
残念ながら、館長には鉱山跡は視認できなかった。

2018年7月30日(月)
化石剖出ボランティア
 今月からボランティアをすることとなった。関西の某博物館で「化石の剖出ボランティア」即ち、化石を含む可能性のある岩石をひたすら割るという作業だ。化石クリーニングの前段階という事であろうか。ボランティアなので時間は全く自由であるが、約2時間石を割りっぱなしであった。
鉱物採集でも2時間割りっぱなしというのはまず無い。結局、化石は一個も見つけられず。初戦は敗退した。
次回は必ず見つけてやるぞ!と決意を新たにした館長であったが、これで博物館二館での不定期アルバイトに加えて一館でボランティア。
博物館オタクの館長であった。

2018年7月8日(日)
石のフリーマーケット in 益富地学会館
 館長は本日が誕生日。まぁ、ここまで来たら一つ歳が増えて一喜一憂することもないが。年齢は単なる物理的なカウントだと思っているので精神的に若くありたい。
 但し、物忘れや体のパーツが経年劣化しているのはどうしようもない。
そして本日は益富地学会館で「石のフリーマーケット」が開催された。
アマチュアが8グループほど出店したが、館長も掘り出し物を求めて参加。
 戦利品は文挾クレーの銀星石など小さなもの数点のみであったが、Oaさんから思いもかけないプレゼントを頂いた。もうこれは芸術作品だ。
Oaさんに許可を頂いて、そのうち公開しようと思う。ホンマ、びっくりするようなもんでっせ。素晴らしい「誕生日プレゼント」になった。Oaさん、有難うございました。

2018年6月30日(土)
なんばの神社で石まつり
 大阪の難波神社で「石まつり」が開催されるので参加した。鉱物マニアの即売会と異なり、客層がかなり違う。ザックリ言って90%が女性だ。
 今回は館長の所属する大阪石友会も参加しているので、専ら、石友会のテーブルで過ごした。
 会場の出品物は圧倒的に綺麗系の石が多いが、国産鉱物も結構あって、水晶やガーネット、ホタル石など人気の高い石も多かった。
流石にルーペ片手に首をかしげながら、どこに入ってんねん?と言うような鉱物は無かった。

2018年6月22日(金)
藍晶石
 ヤフオクに愛媛県東平(とうなる)の藍晶石が出品された。
館長は以前、並品ではあるが鹿森ダム産の母岩付きと数cm大の分離品を所有していたが、引っ越しの時に訳あって手放した。
手放してから惜しくなって探してみたのだが、なかなか納得できる標本に出会わない。
そして忘れた頃にオークションに出品されたものが左の写真。
昭和初期に採集されたものらしいが厚板状の分離品だ。
右側の結晶の長さが5cmある。
持つとズシリと重い。しかも当たり前だが青い。かなり濃い青色で光も通す。
どこのもの?と聴かれたら、まず、外国産では?というだろう。
入札価格もそれなりに高くなり、決して館長の薄く軽い財布に優しい金額ではないが、ここは「乾坤一擲」で頑張って落札した。
 その後、ネットで調べた所、(今は無いが)藍晶石の1トンの結晶塊があったとか20cmの結晶が採れたとか、恐ろしい話が出てきた。
その話がホンマであれば、今回の標本は小型という事になるのだが・・・。
コレクションの減量宣言をしたが、現時点で全く口先だけの館長であった。

2018年6月11日(月)
堀田龍之助コレクション in 大阪歴史博物館
 「行かねば・・・」と思いながら、延ばし延ばしにし続けていた展覧会があった。
閉幕までついに一週間を切ったので意を決して行くこととした。
それは大阪の博物家・
堀田龍之助(ほったたつのすけ)の特別展であった。
場所は大阪城のすぐ横にある大阪歴史博物館。
大阪に生まれ育った館長が実は今まで行ったことがなかったのだ。
 会場に入っていきなり郷土の誇り、木村兼葭堂(きむらけんかどう)とご対面。
小野蘭山が弟子の兼葭堂に宛てた書状や兼葭堂の蔵書印付の稀覯本、兼葭堂の貝類標本など貴重な資料がいっぱい。
 展示物は生物に纏わるものが大半で、石に関するものは龍之助の桝目の箱に入った石の標本箱(水晶や雲母、玉髄などがガラス越しに確認できたが、スピリファーの化石もあった。恐らく「漢方薬」として輸入されたものであろう。)や19世紀の「金石図集」などごく僅かであるが、博物学ファン必見の資料が沢山展示されていた。
 龍之助の師匠である紀州の畔田翆山(くろだすいざん)や山本榕室(ようしつ 山本亡羊の次男)や伊藤圭介(日本初の理学博士)、田中芳男などの博物学者の資料も豊富であった。
 また、堀田龍之助は明治8年に大阪博物場で職を得て、明治9年11月には内国勧業博覧会掛(兼務)を拝命している。
内国勧業博覧会では和田維四郎が鉱物関係の審査官であった。
ひょっとして堀田と和田は博覧会のどこかで遭遇していたかも?
140年前に想いを馳せる館長であった。

2018年5月31日(木)〜6月5日(火)
東京へ! 新宿ショー、ミネラルマーケット他
 明日(6/1)から新宿ショーである。お決まりの高速バスで東京へ向かう。
10時から新宿ショーのオープンである。以前の勤務先の元同僚と会った以外はずっと会場に居たが、昔からの知り合いの業者さんや同好の方々もめっきりと少なくなり寂しい。
戦利品もこれといったものは無し。標本も石友も多かった昔の良かった頃を懐かしむばかりである。
 翌日(6/2)は飯田橋のミネラルマーケット。今年も出展者である。
しかし、一人だけの参加であったので、店番をしなければならず、会場は殆ど見ることができなかった。
館長の売上はまずまず。但し、一番売りたかった大型標本が売れず残念。
 その夜はこちらも恒例の「新宿ミーティング」である。今年は40名近い参加があり、盛況であった。今回はオークションで館長は初出品した。戦前のブック型標本であったが、3名ほどの入札があり、幸い落札された。

 さて、今回の戦利品であるが、大分県木浦鉱山のコランダムがようやく手に入った。
大昔、豊後紅玉石(ルビー)と言われた幻の鉱物である。とてもルビーとは言えないが価値ある一品であろう。
それと館長がずっと欲しかった愛媛県佐々連鉱山のカロール鉱が手に入った。
キースラガーの所謂「ハネコミ」から産したもので、結晶面も見えるたいへん貴重な標本だ。
それともう一点、これも欲しかった秋田県古透部鉱山のジャルパ鉱とマッキンストリ鉱を入手した。
分析済の確かな標本だが、EPMAレベルの小ささで、どこに入っているのかサッパリ判らない。
少なくともルーペで見える事、矢印で示せることが館長の収集ポリシーであるが、それをそのまま適用すれば厳しい。
しかし、本邦を代表する確かな場所で分析されていること、この稀産鉱物種でこのポリシーを適用すると一生手に入らないので例外とした。
因みにマッキンストリ鉱はリビングストン鉱、ルソン銅鉱と共に名前に惹かれた鉱物である。
翌日からはヨメと合流しての東京観光である。有楽町の「大江戸骨董市」、江戸東京博物館や「はとバス」で柴又帝釈天や初めてスカイツリーに登った。
大江戸骨董市ではブック型標本と遭遇。岩本製と東鑛製であったが、既に持っているものであったのでパス。
忙しい中にも楽しい一週間を満喫した館長であった。

2018年5月27日(日)
かわらの石観察会 in 木津川
 益富地学会館のイベントである「かわらの石観察会」にスタッフとして参加した。
館長が来るという事で、やはり天気の事を散々言われた。実際、数日前の予想降水確率は40%。たいへん微妙なラインである。これで降ったら非難轟々やろうな・・・と心配した館長であった。
 そして当日、館長の普段の行いの良さであろう。晴天であった。
しかも参加者が180名とたいへんな賑わいであった。お子さん連れが多く、石を割ってあげたり、鑑定をしたりと結構動き回って、良い運動になった。
只、いつかは雨が降るのではないかと心配する人も多く、雨男の信頼性は高かった。
 木津川は岩石の種類も多く、紅柱石(仮晶)や菫青石(桜石)、柘榴石、電気石、黄鉄鉱、稀に緑柱石が採れるなど鉱物も豊富。参加者の方々もピクニックを兼ねて楽しまれたようだ。
心配したが、最後まで雨が降らず、「雨男」の汚名返上に気を良くした館長であった。

2018年5月18日(金)
神戸国際宝飾展(IJK)
 今年も神戸国際宝飾展(IJK)に参加した。
先ずは唯一の知り合いの業者さんである「ふしぎ石研究室」さんへご挨拶。
社長のKtさんと暫し石談を愉しむ。
その後、会場を見て廻るが、とにかく業者さんの数がハンパない。
館長のお目当ての原石は流石に少ないが、それでも国産の菱マンや水晶も若干見られた。美しい宝石に大いに癒された館長であった。

2018年4月28日(土)〜30日(月・休)
石ふしぎ大発見展 大阪ショー
 大阪ショーに今年もスタッフとして参加。例年通り、益富コーナーを担当。
今年は毎年のメンバーに加えてO大学のNd君、D大学のNs嬢も加わってくれた。気心がしれているので忙しい中にも和やかな雰囲気であった。
当コーナーでは会員の委託標本や書籍、コレクション用品などを販売したが、国産鉱物の500円コーナーは盛況であった。なかなかの掘り出し物もあったようだ。
館長の前職の同僚であるKjさんやTtさん、昔からの石友Khさん会場に駆けつけてくれた。
 休憩時間に会場を見て廻るが、今年は国産水晶や生野の自然蒼鉛、桜井鉱、松代鉱山の霰石などの大物が出品されていた。
館長は大阪府坂口鉱山のカリ長石のやや大きめの標本を入手。成果はこれだけ。

2018年4月22日(日)
鉱物サロン 高田クリスタルミュージアム
 京都西山にある高田クリスタルミュージアムを訪問した。
目的は「鉱物サロン」に出席の為である。
高田クリスタルミュージアムへ来るのは2回目である。
 今回は三波川帯の変成岩のお話しであった。遠路、浜松から来られた方など約20名の参加があり、岩石標本の実物を見ながらのお勉強で、岩石に弱い館長にとっては絶好の勉強の機会となった。
終了後はカフェでお茶を飲みながらの石談義を楽しんだ。

2018年4月18日(水)
ペグマタイト観察
 神戸の元同好Tさんと久しぶりにランチをした後、Tさんの友人が出展されている神戸のフリマへ向かう。100組くらいが出品されているようだが、館長好みの骨董は無かった。
 その後、Tさんに六甲産と思われる花崗岩が沢山積まれている場所へご案内頂いた

大きな岩塊一面にペグマタイトがあったり、ミニガマ(殆ど空っぽ)もあったが、産地不明であり、観察だけに留める。
帰り道にTさん宅に寄り、お茶を頂いて終了。

2018年4月14日(土)
金沢へ 石川県鉱物同好会総会
 石川県鉱物同好会総会出席の為、金沢へ向かう。石川県に入ると高速バスの車窓から白山が見えた。4月というのに雪で真っ白。流石、白山だ。実に神々しい姿である。
 金沢到着後、まず元同僚で金沢在住のSyさんと8番ラーメンでランチ。その後、お茶しながらお互いに近況報告。なんとSyさんが奈良県大峠の黄鉄鉱を持ってこられた。
話によると中学時代に先生に連れられて採集に行ったとの事。
今はSyさんは鉄道ファン・温泉ファンだが、一歩間違えたら?鉱物マニアになっていたかも。
 そして、16時からいつもの会場で総会が始まった。会長選出や会計報告など総会議事の後、標本頒布やコレクションのお披露目が行われた。
館長は数点頒布に協力させてもらったが、兵庫県神鍋山の火山弾に人気が高かったのが意外だった。そういえば火山弾は火山の無い所ではまず目にしないものだからなぁ。
お披露目では地元産の紫水晶やオパール、緑鉛鉱などが多数出品された。
当日は金沢に一泊したが、あいにくの雨であった。ここでも「雨男」の威力を発揮してしまった。
館長にとってはこの総会は年に一度の金沢旅行の大切なチャンスである。
お隣の白山市には母方の従弟であるMm君が住まいし、金沢市内には(会ったことのない)極めて遠い親戚があり、館長には親近感がある地だ。また、来年の金沢訪問を楽しみに一路関西へと向かった館長であった。

2018年3月24日(土)〜25日(日)
ドームのわっかで石まつり
 本日から二日間、京セラドーム大阪で「ドームのわっかで石まつり」という石のイベントが始まった。石のフリーマーケットのようなものである。
 我が益富地学会館も2テーブル分出展した。館長は益富地学会館のスタッフとして参加。大阪ショーや会館のPR、書籍や石のグッズ販売を行った。
 鉱物関係では大阪石友会や京都のNkさん、遥々、東京からKyさんも貴重な文献や標本を販売されていた。
 キレイ系の石が圧倒的に多かったが、それもその筈、なんと来場者の約90%が女性客であった。これには館長もビックリ。
鉱物マニアの方は館長がお見掛けした範囲で二日間でほんの数名であった。
時代は変化しているなぁと感じた館長であった。
益富のテーブルでご購入頂きました皆様、お立ち寄り頂きました皆様、有難うございました。

2018年3月22日(木)
福岡から鹿児島へ 念願の山ケ野鉱山跡へ
 かつて転勤で7年間過ごした九州へ行った。目的は福岡の鉱物同好の大先輩Fさんとの再会と鹿児島の有名金山跡の見学である。
Fさん宅で石談に花を咲かせ、コレクションを拝見した後、九州新幹線で鹿児島へ向かう。
館長は九州新幹線に乗るのは初めてである。
鹿児島では念願の山ケ野鉱山跡を訪れた。山ケ野鉱山は史跡として整備されているので、採集は出来ないが、かつて「トジ金」で知られた名山中の名山である。
胡麻目(ごまめ)坑の坑口を飾る島津家の家紋が実に素晴らしい。
かつての栄華を感じた館長であった。

2018年3月13日(火)
クドウ地科学コレクション
 花粉症はひじょうに困るが、温かくなって天気も良いので、兵庫県三田市にある兵庫県立人と自然の博物館(ひと博)へ行った。
 今から3年程前に兵庫県和田山在住の鉱物研究家、工藤智巳さんがコレクション300点を「ひと博」に寄贈され、2015年11月から常設展示されている。
館長も常設展示されているのは知っていたが、なかなか行くチャンスが無く、ようやく本日行くことができた。思っていた以上の展示内容であった。
 兵庫県産を中心に大屋町ヒジロ谷のヒスイの他、生野、明延、中瀬、多田などの兵庫県の超有名鉱山から館長も初めて耳にする鉱山や産地など多数の「古き佳き時代」の貴重な標本が展示されていた。
 標本が「平面展示」されていたが、流石にこれは見やすいし、なかなかこのように多数の鉱物標本を常設展示している博物館は稀少である。
 今、博物館二館の標本整理をやらせてもらっているので、鉱物標本自体もさることながら、標本の番号の付け方やシール(バーコードであった)など、そのあたりも大いに気になった。
良い目の保養をさせてもらった館長であった。

2018年3月9日(金)
書簡
 大正〜昭和の時代に活躍された鉱物趣味の大家の資料整理の場に立ち会った。
交流の極めて広い方であったので、多岐にわたり、とにかく凄い量の書簡や写真が遺されていた。
櫻井欽一、長島乙吉両先生は言うに及ばず、飯盛里安、木村健二郎、昭和新山のミマツダイヤグラムで知られる三松正夫、木下亀城。神津俶祐、須藤俊男、原田準平、長島弘三、粟津秀幸、槇山次郎等諸先生など鉱物名として残っているビッグネームが続々。
鉱物趣味の歴史的資産であろう。
写真類もカメラが誰でも持てた時代と違って高価な時代にたいへんな量を遺されたが、残念ながら写っている方々が誰だか判らない。
もう明治〜大正の方々は判らないが、戦中〜戦後にかけて活躍された石人は判っている内に情報を残しておかないと風化してしまう。

2018年3月5日(月)
展示会のお知らせ 「ドームのわっかで石まつり」
 3月24日(土)と25日(日)の二日間、大阪の京セラドーム、スカイホールで、石のイベント「ドームのわっかで石まつり
(主催:石まつり実行委員会)が開催されます。
益富地学会館も出展致します。館長も会場に出没致しますので、ぜひお越し下さい。
詳細はコチラからご確認下さい。主催者のサイトへ。


2018年2月28日(水)
私設・鉱物趣味の博物館だより 2月
 早いもので2月も終わり。私設「鉱物趣味の博物館」も開館から7か月となった。
当館には今月、3組のお客様を迎えた。
 2/16:昨年定年退職した勤務先の60歳overの元同僚3名(Uhさん、Kjさん、Tkさん)ご来館。どちらかと言えば、その後の飲み会の集合場所が主目的であった。
営業時代の苦労話?の他、大昔のボクシングとプロレスの話題(50年近く前の海老原博幸やジン・キニスキーなのでかなり古い)で大いに盛り上がる。メッチャ楽しい時間を有難うございました。やはり同世代の話は懐かしく楽しい。また集まりましょう。
 2/19:遥々、東京より鉱物趣味の先輩Hkさんご来館。地質学史に造詣の深い方で、特にブック型標本の話で盛り上がる。
名著・櫻井鉱物標本にも図版が載っていた、Hkさん採集の栃木県野峰鉱山産の綺麗な層状のマンガン鉱石を頂く。有難く当館に収蔵。
Hkさん有難うございました。鹿児島巡検でまたお会いしましょう。
 2/25:西宮の鉱物同好で、ミネラルショーの相棒Tyさんご来館、ミーティング。
当館で石談の後、Tyさんのご自宅を訪問。お世話になりました。
また次回のミーティングが楽しみです。

2018年2月27日(火)
記憶の劇場U
 先にご紹介した展覧会・「記憶の劇場U」が本日より大阪府豊中市の大阪大学総合学術博物館3Fにて開催。

普段、我々が眼にする鉱物の展示会とは違った切り口の鉱物展示である。
館長も少し展示協力させて頂いた。是非、ご覧下さい。

詳細はコチラから。

2018年2月22日(木)
耳石
 一週間程前の事だが、夜中、(恐らく)寝返りをした時に目が覚めた。普通は寝返りでは目がさめないんだが・・・
そうすると、急に寝室が凄い勢いで回転しだした。遊園地のティーカップ状態だ。メリーゴーランドを超高速にした感じとも言える。
「コリャいかん」と思ってジッとしていると、段々、回転数が低くなってようやく止まった。この間、数十秒。それからがたいへん。
頭を動かす度に館長の周囲が回転するのだ。
いわゆる「眩暈(めまい)」である。話には聞いていたが、館長65年間の人生で初めての体験である。
外出が怖くなったので、予定していた鉱物のイベントを泣く泣くキャンセル。楽しみにしていたのになぁ。残念。
 そこで、隣の駅近くにある眩暈を専門にしている耳鼻咽喉科へ行って、いろいろ検査をしてもらった。
「良性発作性頭位めまい症」との診断であったが、耳石(じせき)が剥がれて三半規管に入り込んだ為らしい。
偶発的なものらしいが、加齢が原因の可能性もあるとの事だ。
たった5ミクロン(1mmの1/200)の炭酸カルシウム結晶が三半規管に迷いこんだだけで、こんな大騒動だ。
耳石といえば、クジラやイルカの耳石(化石)はコレクションアイテムでもあり、結構な大きさである。
人間のは物凄く微小なようだ。
耳石の化石は時々見ることはあるのだが、鉱物コレクターである館長の収集アイテムではないし、関心も無かった。
しかし、こんな事で「耳石」とご縁が出来るとは・・・。
耳石の炭酸カルシウムはたぶん、霰石やろうな。骨は水酸燐灰石だし、結石はウエッデル石である。
鉱物で出来た人間の体は凄いと再認識した館長であった。

2018年2月22日(木)
展覧会情報 「記憶の劇場U」
 2月27日(火)から3月16日(金)まで大阪府豊中市の「大阪大学総合学術博物館」で「記憶の劇場U」という展覧会が開催され、鉱物に関連した展示も行われる。
 鉱物に殆ど初めて接する出展者が「鉱物」をアートの面からアプローチするもので、我々鉱物マニアが想い描く「鉱物」とは違った面白さがある。
入場無料なので、ご興味のある方は是非ご覧頂きたい。
詳細はこちらから。開館日、開館時間にご注意。
尚、同館にはマチカネワニの化石があります。

2018年1月28日(日)
二週続きの東京、二日目
【再度、国立科学博物館へ】 
 翌日は上野の国立科学博物館へ向かう。南方熊楠生誕150周年の記念企画展見学の為である。入口で入場券を買おうとすると65歳以上は無料という事を知った。
得した気分で嬉しいけど、ちょっと複雑な気分になった。
子供時代を除けば、年齢でタダになるのは初めてだ。
 会場では博物学者熊楠の貴重な標本や愛用の採集用具、文献などの資料が多数展示されていた。
標本は植物や菌類の関係が殆どで、鉱物の関係はハンマーを除いて無かったように思う。
只、熊楠の人となりや生涯を知る上でたいへん興味深い展示であった。

Hkさんのご講演
 【無名会例会へ】
 上野の科博をあとに、四ツ谷の上智大へ向かう。上智大で無名会の例会と新年会が行われるのだ。無名会の例会に参加するのは凡そ10年ぶりである。
会場ではTyさんやKkさん、昨日お会いしたばかりのHkさん等先輩方にご挨拶。
無名会は歴史の長い会でベテランの方々も多いが、近年は若手が多く活躍している。
ベテランと若手がうまく融合しており会の運営としては理想的だと思う。
館長の関係する会も高齢化が悩みで、これは実に羨ましいが若い人材が集まりにくく、なかなかこのようにはうまくいかないなぁ。
館長が出席した午後の部のメインは地学史研究会でご一緒させて頂いたHkさんの講演である。
講演内容は高校の親友である同級生3人が夫々の分野で我国のリーダー的存在となっていくストーリーであるが、その内の一人が鉱物に縁の深い飯盛里安氏である。
流石に歴史に造詣の深いHkさんならではのご講演であった。
我が関西は特にこのような地学史の部分が弱いのが残念である。
 例会終了後、場所を移して立食パーティー形式の新年会が開催された。
オークションにも多数の標本や文献が出品され、館長も入札したが、当然ながら負けた。
他に元無名会会員(故人)の遺された鉱物コレクションが格安で頒布され、館長も購入させて頂いた。

新年会とオークション、標本販売
 ・・・という事で二週連続の慌ただしい中にも充実した東京旅行は全てのミッションが無事終了した。
いよいよ多忙な2月に突入する館長であった。

2018年1月27日(土)
二週続きの東京
 家事都合により今週も東京へ来た。4日連続の東京滞在である。
最初の二日間で家庭の用事は終わり、先に関西へ戻るヨメと東京駅で暫しの別れ。
本日から石三昧の後半二日間である。
【一度行きたかった「国際宝飾展」へ】
今日の午前中は東京ビッグサイトへ向かう。国際宝飾展の最終日である。
神戸で行われている宝飾展には一昨年から行ってるが、東京の宝飾展は初めてだ。
流石に規模が大きい。一つ一つ見ていると時間が無くなるので、ザックリと拝見。
会場の一角に原石の多いコーナーがあったので、ここは時間をかけて見学。
稲倉石の大きな表面を研磨された菱マンや宝坂のオパールを置いていた店があったが、それ以外は特に館長好みは無かった。
 【お次は地学史研究会】
一時間ほど急ぎ足で国際宝飾展を見学した後、早稲田へ向かう。今回の目的の一つ地学史研究会である。
東京メトロ東西線の早稲田駅から数分歩いて会場の「早稲田奉仕園」へ。既に石友のHkさんやYm先生、事務局のYtさん達が居られた。
本日の研究会のテーマは「米国の宇宙開発史と地球惑星科学」というテーマで講演が行われた。「鉱物学」とはだいぶ距離があるが、アポロ11号の月面着陸をリアルタイムで見た館長としては、興味あるテーマだった。月だけでなく宇宙探査の長い歴史を知る上で、たいへん楽しいテーマであった。また、研究会の後の懇親会で科学文献の翻訳を手掛けておられるStさんや文化資源学(館長は初めて知った)がご専門のNtさんとお知り合いになれた。
異業種交流まで出来て大満足の館長であった。

2018年1月21日(日)
激動の二日目、益富地学会館の交流会
 20日の深夜に東京を発った高速バスは21日の早朝、京都に着いた。
普通であれば、そのまま大阪まで行って帰宅するのだが、本日も重要イベントが控えている。
京都駅で本日の相棒、Tyさんに拾ってもらって一路、「みやこメッセ」へ向かう。
益富地学会館の新春恒例の交流会に出展するのである。
今回は30組ほどの出品があり、なかなか盛況であった。多くの同好とも交流が持てた。
肝心の売上としては当初の目論見ほどは行かなかったが、まずまずという所だ。
しかし、標本を増やさない筈の館長だが、また買ってしまった。
たいへん有名且つ珍しい産地の古典的な自然金であった。現存数は極めて少ないであろう。
石英の塊のような「金鉱」は見たことがあるが、本産地の肉眼金は初見であった。
これは買わずばなるまい。全く懲りない館長であった。

2018年1月20日(土
2018年鉱物趣味のスタートは激動?の一日
 いよいよ2018年の鉱物趣味の幕開けである。
今日は偶々、上京する用事があり、久しく出席していなかった鉱物同志会の例会に参加することとした。
この例会のお楽しみは何といってもバザーである。
 午前中はまず、神保町で古書店をのぞいたが、益富先生の物象鉱物学や福島県鉱物誌などの稀覯本があった。
値段は・・・? あえて、聞かなかった。
その後、懇意にして頂いている都内の標本店へ。ここでスゴイ標本を見せて頂いた。先ずは新年初の眼の保養である。
そして、鉱物同志会例会の会場である四ツ谷の上智大学へ向かう。
 例会の会場には既に多くの会員が集まっていた。
バザーの出品物は数も物凄く多く、下見で記憶に留めるのもたいへんだ。
クジ運の悪い館長には難しいとは思うが、欲しいものを2点ほどチェックした。
 バザーには70名近くの会員がエントリーした。まず、エントリー番号順に3グループに分けられ、各グループの代表者がジャンケンを行う。
そしてジャンケンに勝った1番目のグループから順に折り返しで2回好みの標本を選び、その後はフリーという仕組みである。
 館長のグループは第2順であった。微妙な順位やなぁ。ちょっと諦めモード。やっぱり、アカンかぁ。
バザーが始まって、館長のグループの番となった。一斉にワッと隣のバザー会場に入っていく。
館長は下見で確認した標本を「目を皿のようにして」探す。無い! ウーン、先に取られたか・・・。さっきあった場所に無い。
10分の制限時間を気にしながら探索範囲を徐々に広げる。制限時間も残り僅かとなった時である。
「あった!残ってた!」第一希望ゲットである。そして運良く折り返しの二巡目でも第二希望標本をゲット。
今年は良い年になりそうである。ゲットした鉱物はクレル鉱とエクラー鉱である。いずれも本邦では産地が一ヶ所しかない鉱物だ。
両者とも入手困難という程のものではないが値段が凄まじい。
なんと二個合わせて500円也!こんな値段ではどこでも入手出来ないだろう。確実にゼロが一個少ない。
 例会が終わり会場を出た。まだ15時半くらいだ。
帰りの高速バスは深夜23時45分発。あと8時間以上ある。
どこかで時間を潰さねば・・・。
スマホでイベントを検索すると、なんとミネラルショーをやっているではないか。
ミネラル商店街in浅草橋」という催しらしい。とにかくグッドタイミングである。
本当にスマホは有難いツールである。これが無いとたいへんな時間ロスであった。
 JR総武線の浅草橋駅から徒歩数分の所に会場があった。
やはりジュエリーなどの飾り石やパワーストーンが殆どであったが、一店だけマニア向けの鉱物標本専門の店があった。また、北海道の化石業者さんも出展していた。
 丁度、鉱物同志会のバザーでも顔を合わせた同好のKmさんも来られ、暫し、石談を楽しんだ。この催しは今回が初めてだそうだ。
 ミネラル商店街in浅草橋会場をあとにして、上野の国立科学博物館へ向かう。
科博は土曜日は20時まで開館しており、しかも丁度、「古代アンデス文明展」を開催中である。
帰り際に同館で南方熊楠の特別展をやっているのを知ったが、もう閉館時間が迫っていたので、止む無く断念。
まぁ、来週も東京へ来ることになるので、その時に見よう。
・・・という事で慌ただしい東京での一日は終了。
慌ただしい中にも充実した一日を過ごした館長であった。

2018年1月1日(
新年のご挨拶
 皆様、あけましておめでとうございます。
旧年中は「鑛物趣味の博物館」をご愛顧頂き、また館長個人も多くの石友、同好の方々にたいへんお世話になりました。
厚く御礼申し上げます。
昨年は館長にとりまして節目の年でした。
7月末に勤務先を遂に定年退職となり、42年に及ぶサラリーマン生活に終止符を打ちました。
それを機に55年来の夢であったプライベートミュージアムを開設致しました。
また、ご縁があり、ある大学で昔から伝わる旧制高校時代からの鉱物標本の整理をさせて頂くこととなりました。
石漬けの楽しい一年でした。今年もよりドップリと石に漬かります。
「終活」の一環として鉱物標本の整理を始めましたが、館長は終生、現役コレクターです。
また、HP「鑛物趣味の博物館」もリニューアルを考えております。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、石友の皆様、石を愛する同好・同志の皆様、「鑛物趣味の博物館」のお客様、そしてそのご家族、関係者の方々のご健康、ご多幸、鉱物趣味の益々の発展、そして石を愛する皆様の「石運」を心からお祈り申し上げます。
館長敬白