鑛物趣味の博物館館長の鉱物日記
 館長の「石漬け」の日々をご紹介して参ります。鉱物採集に行ったこと、ミネラルショーや即売会に行ったこと、同好会の例会に参加したこと、館長の財産である石友の皆さんとの交流、普段の生活での何気ない鉱物との出会い、そして石にまつわるニュース的なことを書き綴って参ります。
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2005年12月16日・17日
東京ミネラルショーinサンシャインシティー
 鉱物趣味の一年を締めくくる「池袋ショー」に行ってきました。開場後、速攻で日本産鉱物探しへ。今回のターゲットは「ミネラルマーケット」のブースへ。顔馴染みのTY、IG氏等に挨拶の後、日本産鉱物を物色。今回は相当力が入っていますなぁ。水晶峠の先細水晶の群晶、佐山鉱山の閃亜鉛鉱巨晶、尾平鉱山のアセノなどがズラーリ。その中で目に止まったのが前から注目していた千葉県長崎鼻の淡紫色の霰石。かの銘品・恋路のものに勝るとも劣らない優品だ。値段は?0、000円。他に買うものは無い!と踏んで購入。他に尾太鉱山のマンガンノジュールを買いました。水中で保存しないと他の鉱物に変化してしまう代物で、鉱物名としてはビューサー石というそうな。当日は著名なコレクターのUO氏、水晶コレクターのT氏、希元素鉱物コレクターのS氏、無名会のTY氏、HK氏、TK氏、Yさんファミリー、我が大阪鉱物研究会のご意見番TU氏など多数の同好の方々とお会い出来ました。また、会社の後輩であるK君とIさんも来てくれました。右の写真は会場で売られていた水晶峠のトッコ。ちょっと手が出ませんでしたが、なかなか良い標本でした。他に蛭川村のガマから出たトパーズ。変わったところでなんと「レインボー大隈石」なんてものもありましたね。レインボーが流行っていますな。

2005年11月26・27日
福岡石の会・採集会。憧れの尾平・豊栄へ
 京都ショーで福岡石の会のブースに居た時、事務局のHKさんから秋季の採集会が豊栄・尾平両鉱山で行われると聞いた。
鉱物ファンにとって尾平・豊栄は憧れの地だ。しかし横浜在住の管理人にとっては如何にも遠い。コストもかかるし移動の日数も必要だし・・・。
昔、尾平鉱山へ行った時、雪を被った斜面で滑って、靱帯を痛め無念のTKO負けをしたことがあった。そのリベンジもしたいし・・・。
 結局、有給休暇をもらい、一念発起して九州遠征へ。
東京・八重洲口から高速バスで大阪へ。関西の実家で2日間過ごした後、また高速バスで大阪から博多へ。博多へ着いた翌日、石の会の会員の方にお世話になって一路、尾平鉱山へ。
 一日目は尾平鉱山の銀鋪へ向かう。銀鋪3号(右上)で斧石(良品無し)やザクロ石(まあまあの群晶)、珪灰鉄鉱(柱面有り)、方鉛鉱(自形結晶)等を採集した後、銀鋪2号へ。銀鋪2号(右中)はたいへん色の淡い斧石を産したそうで、管理人もそれらしい標本を採集。
 最後に斧石の結晶で知られる「スリバチクボ」へ寄った後、今宵の宿「もみじ屋」へ(右・もみじ屋の箸袋)。
鹿の刺身を初体験し、夜遅くまで同好の方々と楽しい石談義。
翌朝、ニワトリの声で目覚め、豊栄鉱山跡へ向かう。
鉱物の大先輩、MSさんが約40年前に卒論で通った事務所も今は無く、つわものどもが夢の跡。(下左)閉山した後は寂しい限りです。
 山道を1時間程登って「銀鋪」(下右)へ。ここで本日の目的、毛鉱を探す。ここの毛鉱はよく見る毛状ではなく、どっちかと云えば柱状結晶。しかし、なかなか見つからない。その中でMSさんの採集された標本は大きめの磁硫鉄鉱の表面に花が開いたような柱状結晶集合体が多数散在した逸品であった。流石です。管理人も漸く小さなものをゲット出来ました。
 午後、現地で解散。最近、福岡石の会に入られた顔馴染みの大阪石友会のKTさん共々、会員のYIさんに博多駅まで送っていただき鉱物にドップリ浸かった至福の2日間は無事終了。
石の会の皆さんにはたいへんお世話になりました。またの例会参加を誓って空路、東京へ。

2005年11月19日
いざ、即売会へ
 かねてから楽しみにしていた小室宝飾さんの日本産鉱物の即売会へ。着いたら既に先客が並んでいた。
 お目当ては足尾鉱山のラドラム鉄鉱だそうだが、私は既に持っていたので今回は別物で。
 管理人は狙いをつけていた荒川鉱山の赤銅鉱と五十島鉱山のホタル石、足尾鉱山の自然銅を無事ゲット。
 なんと大阪府三井高原の鋭錐石があった。だれが手放したのだろうか?量が結構多いので「標本玉手箱」ではなさそう。当然購入。また、会場で加藤昭先生の「鉱物種一覧」を購入。加藤先生のサイン入りである。
2005年11月6日
国立科学博物館の観察会へ
 今日は国立科学博物館の岩石・鉱物観察会である。東京へ転勤してから今回が2回目の参加となる。この観察会の面白い所は当日までどこへ行くのか判らない点である。科博のニュースには山梨県大月市としか書いていない。まるでミステリーツアーである。朝8時過ぎに科博分館近くの公園に集合。今回は顔馴染みのYさん親子や無名会の会員の方もチラホラ。期待が高まる。 最初の産地は山梨県甲州市田野の接触変成岩地帯(上の写真)。ホルンフェルス中の鉱物を採集。ホルンフェルスもその原岩によって泥質、砂質、石灰質とあり産出鉱物にも差がある。管理人は珪灰石と砂質ホルンフェルスから微細な黒色結晶を採集。加藤先生に見ていただくと「透輝石では?」との鑑定。ここでは明瞭な結晶鉱物は少ないようだ。その意味で貴重な一品・・・と勝手に思っている。採集が終わって「道の駅・甲斐大和」に戻る。「道の駅」のベンチで昼食をとるが、横で旨そうな「焼餅」を売っていた。(下の写真)「うらじろまんじゅう」との事で、珍しいので早速食す。なかなか美味しかったですね。
 
次は大月市の大洞岩(だいどういわ)。玄武岩中の灰長石斑晶の採集との事であるが、三宅島の様に「自然銅」を包有して紅色を呈するものがあるそうで採集意欲をかきたてられる。現場は古い採石場の跡で露頭もあるが、転石から採集出来る。灰長石斑晶はいくらでもあるがコレクターとしては、出来れば結晶のハッキリした良品が欲しい。いくつかサンプルを採集して、そろそろ引き揚げる時間となった時、これが今日の最後の石と、近くにあった転石を割ると遂に出てきた!なんと2cm程の結晶面のはっきりした(母岩に埋まっているが多分四周完全結晶)、しかもやや透明感のある結晶が顔を出した。新鮮だ!これで今日の採集は成功!他に中沸石やノントロン石(かんらん石の変質したもので、かつてイジングス石といわれたもの)、自然銅で部分的に紅色に染まった灰長石を採集出来、満足の一日でした。尚、当日は加藤昭先生のご案内の最終日との事でした。