鑛物趣味の博物館館長の鉱物日記
 館長の「石漬け」の日々をご紹介して参ります。鉱物採集に行ったこと、ミネラルショーや即売会に行ったこと、同好会の例会に参加したこと、館長の一生の財産である石友の皆さんとの交流、普段の生活での何気ない鉱物との出会い、そして石にまつわるニュース的なことを書き綴って参ります。
館長について・・・幼少の頃(小学校低学年)より石集めを始め、鉱物趣味歴約60年超。日本産鉱物標本の収集と鉱物趣味史・大阪府産鉱物研究がライフワーク。「夢」は鉱物博物館。現在、益富地学会館(運営委員)、日本鉱物科学会・大阪石友会・福岡石の会・鉱物同志会・地質学史懇話会・奈良鉱物研究会・吹田地学会、石川県鉱物同好会各会員など石に関するいろんなジャンルの所に顔を出しています。
詳しくはプロフィールのページへ。
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2012年12月31日(月・大晦日)
年末のご挨拶 2012年を終えるにあたって
 いよいよ本日で2012年のフィナーレです。この一年間、お世話になりました石友、同好の皆さん、「鉱物趣味の博物館」にご来館頂きましたお客様に厚く御礼申し上げます。

 さて、館長にとっての2012年は石の世界では、そう悪い年ではなかったのですが、全体的に見れば類稀なる最悪の年でした。まさに館長の60歳は「大厄」でした。館長の人生でこの2012年はメチャクチャ悪い年として長く記憶に残ると思います。
 ・・・とは言え、還暦を過ぎた館長にとって、残りの時間はそう沢山ある訳ではありません。ここは2012年を遥か彼方に追いやって、新たな年、2013年に臨みたいと思います。

 館長の50年来の夢である「リアルミュージアム」はまだまだ先の話となりますが、それに向って邁進したいと思います。
それと、ライフワークの大阪府の鉱物を纏める作業も多くの方々の協力により鋭意進めております。
来年も何卒宜しくお願い申し上げます。それでは、良い年をお迎え下さい。
館長敬白

12月23日(日
今年最後の「石の花」
 1年が過ぎるのは早いな。もう明日はクリスマスイブだ。
この歳になると一日は長い(最近、多忙なので結構短く感じる)が、一年は恐ろしく短い。今やりたい事、今のうちにやらなければならない事は多々あるが、遅々として進まない。少々焦りを感じる今日この頃であります。

 さて、本日は今年最後の石のイベント「石の花」。
 今回の特集として福島県石川山や水晶山の稀元素鉱物が出品された。
Oaさんご自慢の剣山のようなフェルグソン石がオークション出品されるとの事で、眼の保養をさせてもらうこととした。

石川山・水晶山の鉱物
右の奥の標本がフェルグソン石
 4〜5p(目測)大の母岩の表面一面にタケノコのようにフェルグソン石の頭がニョキニョキ出ている。確かに見事な逸品である。写真から結晶の数を数えたら50個近くもあった。凄い!
 このフェルグソン石以外に阿武隈石やタレン石、イットリア石、コルンブ石の良晶、サマルスキー石、石川石、イットロ蛍石、モナズ石、ゼノタイム、ジルコンなどの定番稀元素鉱物が多数出品された。他には田原のゲス板(ペグマタイト)特集もあり、なかなか楽しかった。
館長は稀元素鉱物は収集対象から外れるので、専ら眼の保養とOaさんや石友、同好の皆さんとのお話に終始した。
 さて、今日は手ぶらで帰るつもりであったが、以前から、どうしても気になる標本があった。
 鹿児島県山ケ野鉱山のトジ金である。館長は日本の自然金数多ある中で、この山ケ野産が一番のお気に入りだ。
「浜ひ」と産出した脈も判っており、その意味でも貴重な標本だ。
ここは今年最後の買物として、思い切って購入した。明日からまた節約生活である。


追記:久々に「日本産鉱物」をアップ致しました。ご高覧下さい。

12月7日(金)〜8日(土)
東京ミネラルショー(池袋ショー)へ
 本年度最後の大型イベント、東京ミネラルショーだ。
いつも通りの高速バスで早朝、東京に到着。2時間半ほど時間を潰して、サンシャイン(池袋)の会場へ。有料のショーで、しかもウィークデーなのに行列が凄い。年々人出が増えているような気がする。
 10時のオープン後、まずは各ブースへ挨拶回り。今回も館長の鉱物趣味の「原点」、眞鍋鉱物研究所さんを基点にさせてもらう。
 早速、日本産鉱物探しを始める。館長の眼に止まったものは、生野鉱山産淡紫色ホタル石の巨晶、同じく生野鉱山では珍しい赤銅鉱の微晶の群生したもの。
 いずれも生野産鉱物コレクションで有名なF氏の旧蔵品らしい。更に、茨城県雪入の稀産燐酸塩鉱物のウロー石、紀州鉱山産磁硫鉄鉱の母岩付き結晶、尾平鉱山産まりも水晶のトッコ、尾去沢鉱山産のまるで珊瑚のような自然銅結晶集合体、高取鉱山産水晶母岩付きの鉄マンガン重石、高取鉱山産トパーズ美晶、静岡県やんだの美麗な魚眼石など・・・。 それと館長初見であるが、富山県立山の松茸型の紫水晶があった。
20年程前のものだそうだが、これはなかなか立派な標本だった。但し、お値段もなかなかのものでパスした。
 その中で館長が今回唯一購入したのは古典銘柄標本中の古典銘柄標本、石川県倉谷鉱山産菱マンガン鉱である。やや小品ではあるが、上品なピンクで、まるで花びらのような集合体が水晶のトッコに乗っている。
尾去沢や高取、尾太、稲倉石の有名標本とは違った希少性と美しさがある。Ftさんの「日本の鉱物」(成美堂出版)に載っているものと同タイプだ。約100年以上前の明治時代のものだそうだ。博物館のラベル(コピー)付き。
それと今回の楽しみは特別展示の「日本産鉱物のふるさと」だ。かつて「日本三大鉱物の産地」と言われた福島県石川地方の逸品標本が多数展示された。今まで本でしか見たことがなかった30cm強の本邦最大級のベリル、同じく最大級のコルンブ石結晶は迫力満点。館長が初めて見た62pの褐簾石柱状結晶(残念ながら三本に分かれているが)は凄かった。
当然ながら、水晶や長石も巨大だ。このような大型標本以外にベタフォ石やミラー石、水酸ヘルデル石、手代木石(イルメノルチル)などの稀産鉱物、有名標本も多数展示され、良い眼の保養をさせてもらった。
また、今回、貴重なコレクションを出品されたHaさんとも久々に再会。色々な興味深いお話を伺うことが出来た。
 冒頭述べたが、今回驚いたのが入場者の数だ。とにかく、有料のイベントなのに、二日目の午後の時間帯でも入場するのに何重もの行列が出来ている。これは驚きであった。

12月1日(土
大谷鉱山現場回顧
 益富地学会館へ行くと、テーブルの上に見慣れない本が何冊か積まれていた。「大谷鉱山現場回顧」という本で、著者は大谷鉱山や喜和田鉱山で活躍された故長原正治さんだ。
 タングステンで知られる大谷鉱山(京都府亀岡市)の歴史や鉱山の思い出、鉱山に関する論文など、たいへん貴重な資料である。
館長はまだ全て読んでいないが、多くの鉱物ファンが訪れた繁恵坑発見の経緯など興味深い。
 館長は高校生の頃(40年以上前)、福井県の若狭湾へ海水浴に行く途中、当時現役であった大谷鉱山を訪れた。
運良く親切な鉱山の方に対応頂き、灰重石の数センチ大の結晶や重石華、電気石を頂いたことが思い出された。
 この本をご希望の方は益富地学会館にお問い合わせ願いたい。一冊3,000円(送料別)。

 それと今日は嬉しいことがあった。遂に館長念願の標本が手に入った。
1mmに満たない小さな「砂金」であるが、産地の珍しさが半端ではない。
館長の先輩コレクター(故人)が採集されたものだが、なんと大阪市内の中心部を流れる川のものだ。どのように採集されたのか、今となっては判らないが、よく採集出来たものだと感心した。普通に考えれば絶対不可能だ。

11月25日(日)
紅葉シーズン。石三昧の一日。
 三連休最終日。絶好の行楽日和である。今日は京都へ出かけることにした。目的地は亀岡にある標本店「たんくら」さんだ。
 JR大阪駅から京都行きに乗るが、満員状態だ。そうや!紅葉シーズンやもんな!京都駅から嵯峨野線(山陰線)に乗ると、更に顕著だ。
紅葉の名所、嵐山の玄関口である嵯峨嵐山駅に着くと、ホームは行楽客でいっぱいだった。館長は亀岡の一つ手前の馬堀駅で下車し、一路、「たんくら」さんへ。馬堀駅もトロッコ亀岡駅に隣接している為、沢山の人だ。
 「たんくら」で店主のMtさんの出迎えを受け、一時間程、情報交換と石談に花を咲かせる。帰りに館長の大好物の標本を数点購入。この中には大阪府初産の鉱物や産地消滅の幻の標本もあり大満足。(写真は馬堀駅より)
 帰途、益富地学会館と久々にクリスタルワールドさんに立ち寄り、石三昧の一日は無事終了。

11月23日(金・
・奈良鉱物研究会ホームページ開設
 館長も会員となっている奈良鉱物研究会のTh理事より同会のホームページ開設の案内を頂いた。
 たいへんアットホームな会です。ホームページにぜひお立ち寄り下さい。

  http://narakoubutu.web.fc2.com/index.html

11月10日(土)〜11日(日)
大阪自然史フェスティバル
 今日から大阪自然史フェスティバルが始まった。場所は大阪長居公園の大阪市立自然史博物館。館長は今年も益富地学会館のスタッフとして参加。
 フェスティバルには地学関連では益富地学会館と大阪石友会、地団研など5団体が参加した。
この催しは関西を中心とした自然愛好家団体や博物館等が多数出展するもので、地学以外に昆虫、植物、コウモリ、魚類、野鳥、キノコ、貝類、環境保全、自然エネルギーなど極めて多岐に渡っている。企業で言う所の「異業種交流」である。
 各ブースでは夫々趣向を凝らしたイベントを行っているが、我が益富地学会館では、砂鉄を使ったイベントを行った。特に子供達に大いに受けた。(写真中)
 石友会は砂の中からオリビン(ペリドット)を探すイベント(写真左)。こちらも二日間で約500名の参加があった。
地団研さんは大阪周辺の岩石標本を作製。きしわだ自然資料館さんは化石のレプリカ作りであった。どこのブースもそうであったが、二日目は雨天であったものの、たいへんな賑わいであった。
 今回の個人的な収穫として、館長は他団体のブースで二上山のいわゆる「石切場安山岩」を頂いた。
有名な「二上山の金剛砂(鉄礬柘榴石)」の元となった岩石である。この標本には大きなゼノリス(捕獲岩)が入っており、ゼノリスと安山岩に接する部分にクリーム色の結晶が生じている。この存在には前から気が付いていたのだが、詳細には調べていなかった。今回、かなりのサンプル量があるので、益富地学会館で分析してもらうこととなった。結果が楽しみだ。
 ・・・ということで、二日間に亘った今年の大阪自然史フェスティバルは無事終了。ご来場頂いた多くの皆さんに厚く御礼申し上げます。さぁ、次は今年最後の大イベント、池袋ショーだ。

11月7日(水)
一枚の絵・その1
 「鉱夫芸術」という言葉がある。鉱山で作業する人たちが余暇を利用して、鉱物(水晶や方解石など)を使って、壺などの置物を作ったのだ。鉱物標本の即売会で時々見かけることがある。
 一方、鉱山をモチーフにした絵画や掛け軸、壺などがある。館長もコレクションという程ではないが数点保有している。
言わば、「鉱山美術」と称してもよいだろう。

 写真は昭和4年(1929年)に描かれた鉱山の絵である。絵には鉱山名が書かれておらず、どこの鉱山なのかハッキリとは判らなかった。
 但し、竪坑が印象的で、背後の山に描かれている「山神社」と思われる立派な社殿や長い階段、鳥居がポイントであろう。
 この「鉱山」ではないか?という推定は出来たが、「物証」がなかった。鉱物趣味の世界には、その「鉱山」の元関係者もいらっしゃるので一度ご意見を伺ってみようか、とも思っていた。
 この度、ようやく、その物証が手に入った。
正解は後日ご報告するとして、興味ある方は一度、どこの鉱山か推理?して頂きたい。有名な大鉱山である。

11月4日(日)
石のフリーマーケット
 今日は今年最後の「石のフリーマーケット」。
今回も提案者である館長は出品者として参加した。今回は嬉しいことに新しい出品者が3名も参加された。多数の新潟産のヒスイ(これは超人気で、オープン後すぐに完売)や尾平の珍しい形の水晶、岐阜県ちんの峠のいわゆる「南洋美人」を出品したIさん、田上山のトパーズや稀元素鉱物などのペグマタイト鉱物を出品した大阪石友会の会員でもあるTmさん、それと日本全国、精力的に鉱物を収集してきたikさんだ。
 お天気にも恵まれ、今日はお客さんも多く、閉会まで途切れることなく盛況であった。館長も時々他の方々の出品物を拝見し、明延鉱山のライタカリ鉱や大阪府産の鉱物を数点購入した。
 このフリーマーケットはミネラルショーや委託販売とは違い、出品者とお客さんが標本についてコミュニケーションを図ることを目的としたものだが、今回はその目的が十分達せられたと思う。
 ご参加頂いた方々、そして新規に出品して頂いたお三方に心より御礼申し上げます。

11月3日(土・祝)
「島津」の岩石標本
 Yahooオークションを見ているとキャビネット入りの立派な標本が目に止まった。京都科学標本(現・京都科学)製の岩石標本だ。
ベテランコレクターに絶大な支持を得ている、いわゆる「島津ブランド」である。
 館長は一目見て、これはたぶん眞鍋鉱物研究所さんが京都科学標本に納めたものだろうと思った。
社名のプレートに書かれた「島津製作所標本部継承」の文字が懐かしい。本品は恐らく昭和40年代のものだろう。
 すぐに眞鍋鉱物研究所のThさんに写真をメールで送り、「鑑定」を仰ぐ。
 その結果、間違いなく眞鍋製のものとの事。これは「眞鍋」さんに育ててもらったコレクターとしては落札せねばならない。
 結局4名が入札に参加、送料込みで1万8千円程で目出度く落札。Thさんにも喜んでいただいた。
その標本が本日届いた。運送屋さん二人がかりでようやく運びこめた。重い!。
 標本点数は200点で完品。キャビネットも若干の経年劣化と鍵が欠品している以外の損傷は殆ど無い。
Thさんのお話だと、20年程前のカタログで同等のものがキャビネット込みで34万円との事。
館長が「日本一美しい標本ラベル」と評価しているHrさんの手書きラベルもある。
 かなりお買い得であることは間違い無いのだが、重くてデカい。中には銘柄鉱物標本としても知られる峰寺山の小判石や浜田の霞石玄武岩、他に、リンバーグ岩やアノーソクレース流紋岩、小笠原の無人岩など「レア物岩石」が沢山入っている。当分、楽しめそうだ。

10月6日(土)〜10月8日(月・祝)
京都ショー始まる!
 久々の更新。特に更新をサボッていた訳ではなく、ホンマに夏場は鉱物ネタが無かったのです。
 さて、京都ショーが始まった。館長は今回もボランティアスタッフとして参加した。京都ショーの特徴はアマチュアの委託販売コーナーがあること。これが人気であり、またスタッフとしても一番忙しい場面である。
 さて、京都ショーは今回も大人気で、オープン前には500人以上は並んだとの事。開場と同時に委託標本目当てに、多数のマニアが益富コーナーに殺到した。
 今回の出品物はなかなかのものだ。特に先輩コレクターであったTyさん(故人)の遺品のコレクションが多数出品され、飛ぶように売れた。関西圏を中心とした今や入手困難な珍品が多数あった。
 とにかく初日は予想通りの大忙しだった。
名物のイベントコーナー(写真左)は、今回、「石ふしぎイルミネーション」。透明のスライムの中をゆっくりとオリビンやガーネットがLEDに照らされながら落ちてゆく趣向である。三日間とも完売であった。
 特別展示は「宇宙の石・地球の石」ということで、南極で発見された”やまと隕石”など貴重な標本が展示された。特に「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルの最新の研究成果も披露された。残念ながら、館長は持ち場を離れられず拝聴できなかった。
 今回も多くの同好の方々に会場でお会い出来た。東京からはBm先生とSh先生が来られた。新鉱物の名前にもなったSh先生から「”館長の日記”を見ていますよ」と言われ恐縮。Us会長やWt先生、Zさん、At嬢など福岡石の会のメンバーにも再会。大阪石友会の会員も多数来られた。館長の勤務先からはMtさんとIaさんに来て頂いた。
 さて、コレクションのシェイプアップをしなければならなくなった館長は標本は買わずに極力見るだけにしようとした。
しかし、館長のライフワークである大阪府産の鉱物は別だ。
昔の待兼山の高師小僧(池田市側)とこれも古い柏原市青谷のチタン石(くさび石)のオレンジ色小結晶が多数散在した一級標本を見つけ、これはゲットした。
 また、以前から注目していた雑誌「ミネラ」が19号より復刊。早速購入した。
 ・・・ということで、今回の京都ショーも成功裡に終了。これから年末にかけて鉱物関連のイベントが目白押しである。
さぁ、次は11/4の石のフリーマーケットだ。

9月29日(土)
大阪府の金鉱山?
 今から80年程前、昭和7年(1932年)の大阪毎日新聞にたいへん興味深い記事が載っている。
大阪に金山 景気の良い話 百万分の五を含む石を発見 勇躍して鉱脈探し」という記事だ。

 要約すると九州の鉱山に勤めていた経験のある大阪府K市に住むT氏が泉南郡(当時)の某所で金を含む石を発見した。
更に調査し、金?を含んでいそうな石を数個分析した所、100万分の5の金を含んでいるとの事で、地元では「異常なセンセーション」を起こしており、T氏は試掘権を申請して・・・という事だ。

 さて、100万分の5という事はトンあたり5gという事になる。今の通常の金山では採算ベースであろう。でもホンマかなぁ?
 80年も前の話で真偽の程は判らないが、ロマンのある話だ。まぁ、大阪府でニッケルやクロムの鉱区申請があったという話もあり、この手の話は結構あるのだ。館長の住む宝塚市にもモリブデンの旧坑(試掘坑?)があるらしい。

 ところがである。館長の石友から本日、石英の小片を渡された。なんと、これが大阪の金鉱山の「金鉱」かもしれないと、いうから驚きである。石友は大阪府下の幻の金山を探索しており、某所で遂に金の試掘坑跡?を発見し、そこでこの石を採集したとの事。その場所こそ前述のT氏発見の場所に極めて近いのだ。ルーペで見ても金らしきものは見えない。
しかし、「銀黒」といえなくも無い部分がある。もし、分析できればはっきりするのだが・・・。でも分析せずに夢だけみるのも良いかも。

9月4日(火)
記者発表

久々のテレビ出演?の館長
一番左端のワイシャツ姿が館長
 今日は石とは全く関係の無いお話。館長の勤務先で新試験設備の記者発表が行われた。神戸市内に完成した太陽電池パネルの試験設備と二次電池(主にリチウムイオン電池)の充放電試験設備のお披露目である。
館長はこのような記者発表というのは初めての経験だけに緊張感もあり、興味津々である。なんとかテレビに映らないかなぁ・・・
 試験センターにはTV局二社と新聞・通信社併せて8社が来られた。
 今日は館長は「裏方」であったので、本番では報道陣の後を付いて廻るだけであった。これじゃー映らんわな・・・。
 感心したのはTV局クルーのカメラワークの見事さであった。カメラマンと助手?の方の連携が実に素早く見事だ。こういうのを「職人芸」というんやな。
 記者発表も約三時間で無事終り、TVについては本日放送の情報が入った。すぐにヨメに電話して録画を依頼した。帰宅してビデオを確認すると、運良く、館長が映っていたが、遠くに小さく映っていたのと、装置のガラス部分に館長が反射して映っていたのだ。

9月2日(日)
「石の花」へ
 はや9月。もう定年から一ヶ月経過した。早いな!。やりたいことは山ほどあるが、遅々として進まない。一方、仕事の方は給料の軽さと反比例するように動き出した。皮肉なものである。

 さて、久々のOaさんの「石の花」である。前回、一世一代の買物をしたので、今回は押さえ気味に行こうと思う。・・・と言いながら、近々、もう一回、「一世一代」があるのだが。
 さて、今回の出品物は沸石産地と洞戸鉱山の鉱物である。沸石産地では愛媛県槙ノ川のオレンジ色の魚眼石が見事であった。オークション対象であったが、館長は類似品を持っているので、パスした。他にはモルデン沸石や輝沸石など。洞戸鉱山の鉱物は有名な透輝石の群晶タイプのものなど多数出品されていた。館長は今回は見学のみで終了となった。

8月27日(月)
金沢にて

 久々の北陸出張だ。早朝、大阪を出発し11時過ぎに金沢へ着いた。
その日は一日中、県内の大学や研究機関、企業などを廻り、たっぷりと営業活動を行った。
 夕刻、再び金沢市内へ戻り、ホテルでチェックインした後、食事に行く途中に金沢駅前のポルテにある鉱物標本店「石の華」におじゃました。
名古屋ショーでお会いしたばかりの店主のMmさんと暫し石談義を楽しむ。

 丁度、お店では「
石川県(北陸)の鉱物特別展示販売」を開催中で、遊泉寺鉱山の水晶、赤瀬のオパール、菩提のメノウなど地元産の有名鉱物が多数、展示販売されていた。そして、その中に「銀花石」もあった。
「銀花石」は鉱物名ではなく、水石や美石の世界での名前で、別名「硫化メノウ」とも言われている。メノウの中に白鉄鉱?が入ったもので、昔は「幻の銀花石」と呼ばれ、随分珍重されたものであった。(写真上は「石川県(北陸)の鉱物特別展示販売」のコーナー)

 さて、館長は以前から気になっていた神岡鉱山のいわゆる「リング杢」を購入した。(写真下)
「杢地鉱」はヘデンベルグ輝石を母岩とする神岡鉱山の鉱石であるが、それがリング状になった珍しいものだ。

 また、発足したばかりの「石川県鉱物同好会」に入会させて頂いた。
これで館長の所属する会や同人は館長が主宰するものも含めて13となった。なんか、「入会マニア」と言われそうだ。

8月25日(土)
名古屋ショー
 名古屋ショーは今年で34回目だそうだ。館長はいつ頃から参加していたかハッキリと記憶していないが、少なくとも現在の会場である「吹上ホール」のその前の「東山会館」、更にその前の前の会場は記憶にあるので、一ケタ台は間違いないだろう。歴史の長いショーである。名古屋鉱物同好会が主催しており、スタッフの皆さんの献身的且つ見事な運営ぶりにはいつも感心させられる。

 新幹線の中で岐阜羽島あたりで不覚にもウトウトしてしまい、ふと目が覚めると、新幹線が名古屋駅に入った所であった。冷汗ものだ。

 30分前に会場に到着。もうかなりの数の参加者が並ばれていた。
今回は先着200名まで、石のプレゼントという事で、館長も頂戴した。中身はミャンマー産のラブラドライトであった。 名古屋ショーはアマチュアの出展が多いことが特徴であり、従って国産鉱物が優勢である。いろいろ標本を買いたいところであるが、財布が極めて心細い。本日の予算は上限1万円と設定した。
勿論、元々が紐の無い財布であるので、本当に欲しい標本が出てきたらこの限りにあらず・・・。
 新鉱物、新産鉱物に強いブースでは分析済の宮久石、すっかり有名になった愛媛閃石などが出品されていた。
 館長はここで佐賀県日ノ出松のイットリウムラブドフェンを購入。顕微鏡サイズであるが、本鉱としては大型との事。かなり価格も落ち着いてきたようだ。別のブースで長崎県西樫山のハント石を購入した。この産地は訪れたことがあるが、全くのボウズであった。見た目、チョークのようで全くパッとしないが、産出が少ないこともあって今までは意外に高価であった。しかし今回は安価で良品があったので迷わずゲット。結局購入はこの二点のみ。 購入はしなかったが、館長がチェックした標本は、北海道豊羽鉱山の微細な赤錫鉱、手稲鉱山の自然テルル大型標本、手稲石、初見ではないが岐阜県中津川のアマゾナイト、銘柄品の小樽松倉鉱山のミメット鉱、愛媛県の高縄石、高価ではあったが三重県の新鉱物イットリウム苦土ローランド石など。このような珍しい標本が見られるのも名古屋ショーならではであろう。
 
それと嬉しいニュースがあった。No.18で休刊していた雑誌「ミネラ」が別の出版元でNo.19から復刊するとの事。これは見逃せない。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、再会した多くの石友の皆さんにお別れして名古屋駅へ。ここで本日最後の仕事・・・ヨメへの土産の購入だ。迷ったが、結局、定番の大口屋の麩饅頭と名古屋名物・手羽先を買って帰阪した。

8月18日(土)
猛暑の中、千里丘陵へ

 4月以来フィールドへ出ていない。定年退職前後は色々思う事、考える事が多く、どうも落ち着かなかった。加えて、例年のことだが、夏の猛暑・・・。
 そんな中、古くからの石友Taさんからメールが届いた。
千里丘陵であらたな大阪層群の露頭が出たとの事。緊急性があり、Taさんのお手を煩わせて、急遽、猛暑の中の現地踏査となった。

 現場付近は宅地造成が大規模に行われていた。当然、工事現場には入れないが、途中の一般道にカット面があり、観察は可能であった。
薄い粘土層や鉄分に富む層を挟む細かい礫層であった。
Taさんがオーソコーッアイト礫らしきものを一個だけ見つけた以外は、目的のメノウ礫はついに見つからず。館長は壷石の破片?とおぼしき褐鉄鉱を採集し、ボウズは免れた。しかし、あまりに暑さに熱中症が怖く、早目に退散となった。その後、かなり長い時間、Taさんと石談に花を咲かす。
 夕刻、先日オークションで落札した阿仁鉱山の孔雀石が到着。
ほぼイメージ通りの石で一安心。肉厚で、国産としてはかなりリッチな標本だ。相当古い標本であろう。

8月4日(土)
還暦&定年退職祝いを戴く
 益富地学会館の運営委員会で上洛。その前にクリスタルワールドさんが、西宮ガーデンズ(西宮球場跡地)の阪急百貨店に臨時に出店しているとの情報を得て、ちょっとだけ立ち寄った。

 益富地学会館に着くと既に何人かの委員が来て談笑中。
そこで、石友Mtさんから館長へ「還暦&定年退職祝」として、なんと大阪府初産の鉄水鉛華を頂く。意外な標本に驚くと共にご厚意に感謝。
ルーペで見ると黄色の絹糸光沢が美しく、福岡県金隈産の有名な本鉱に酷似している。質で云えば、全国レベルでみても一級品であろう。

 そして今回のトピックスは益富地学会館が内閣府所管の「公益財団法人」で全国版になったことである。従来は京都府所管であったので、これから活動も大きく変わっていくだろう。 

8月1日(火)
定年退職、そして初仕事
 7月31日、遂に館長は定年退職の日を迎えた。
館長は一度転職を経験しているので、勤務は31年6ヶ月となった。
しかし、還暦を迎えた時もそうであったが、何も変わらないのが現実である。再雇用となったが、仕事内容も勤務場所も環境はなんら変わらない。(後日、再雇用の給与明細を見て、唖然・愕然とするのであるが)
 そして、再雇用の初仕事はいきなり山口・北九州出張である。
1日は山口県の顧客を2社廻った後、夜、懐かしき小倉(北九州市)に入った。
 小倉は館長が営業所の開設から初の営業所長となり、約4年間を過ごした場所だ。三十代半ば過ぎの気力体力の充実した時代だった。
 まだ一歳半だった息子を抱いて、金曜日内示の月曜日辞令というドタバタの東京から北九州への1,000Kmに及ぶ長距離異動であった。
 結局、博多も入れて九州では約7年過ごすこととなった。ここで福岡石の会に入会し、今もお世話になっている。
 本日、小倉で泊ったホテルは久々の大ヒットであった。窓から採石場をパチリ。

7月18日(水)
金石舎のブック型標本
 久々にブック型標本を入手した。金石舎製二点で5000円也。
ネットの写真で見る限り、欠品はなさそうであったが、実際にモノをみるとやはり違うものが入っていた。残念ながら両方共完品ではなかった。
恐らく明治〜大正のものであろうが、箱の状態は時代を考慮すれば良い方だろう。もともと使うことが目的の教材だけに欠品、入替り、損耗劣化、変質、破損があり、デッドストックを除けば古いもの程、完品は難しい。

 今回、興味深かったのはその内一点が、秩父地方の標本を集めたものであり、「金石舎秩父出張所」とある。恐らく秩父に縁の深い長島乙吉翁が関係されていたものだろう。
 しかし、一地方でこれだけの石を集めるのは驚嘆に値する。石の整形も見事で、流石、長島翁である。

7月17日(火)
少年時代からの夢がキラキラ(リビング京都西南)

2012年7月14日(土)の
リビング京都西南
 二日間の東京出張に続いて三連休。久々に会社に出社した。
館長の机の上に新聞のようなものが置かれていた。
「ハテ?何かいな?」と取り上げるとおなじみの情報誌の「リビング京都」であった。
 そして、誌面を広げると見慣れたお顔が・・・。高田クリスタルミュージアムの高田雅介館長の記事だったのだ。
 記事には高田さんの鉱物と教育への想いがよく表されていた。
さて、高田さんと館長の共通点が一つある。以前、高田さんからお聴きしたのだが、京都郊外にあった大理石工場で高田さんも館長も捨てられていた色々な大理石の破片を拾っていたのだ。そこから鉱物にハマッていったのは共通している。そういえば、そこに綺麗なピンクと白の縞状の大理石の破片を拾った。あの美しさに魅了されて今に至る館長であった。
 尚、この記事は、館長が勤務先で一緒に仕事をさせて頂いている京都在住のT2さんが、館長の鉱物好きをご存知で、わざわざ持ってきて頂いたのだ。T2さんに感謝。

7月12日(木)〜13日(金)
東京ビッグサイトにて
 今日は仕事で東京ビッグサイトに来た。勤務先が出展している展示会の説明要員であるが、一日半一人で立ちっぱなしのハードな仕事だ。
 今回は、故あって大阪に居る館長がわざわざ説明要員で上京となった。
展示会は
「TECHNO-FRONTIER 2012という展示会でメカトロニクス、エレクトロニクス関連の460社以上が集う巨大展示会である。それにしても、いつ来ても、東京ビッグサイトは広いなぁ。

 早朝、大阪を出発したので、少々お疲れ気味で会場入りとなったが、なんと館長のブースの真ん前が
JOGMECさん(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)と産総研さん(産業技術総合研究所)のブースだ。
これは館長にとっては興味津々。俄然、元気が出てきた。
 お客さんが途切れた頃を見計らって、展示を見たり、資料を頂いたり、資源に関する興味深い話をお聴きした。
館長の口から、普通の人ならまず知らないような鉱山名がポンポン出るので、ご担当者がたいへん驚いておられた。随分、意外であったろうな。

 また、産総研のブースにはレアメタル、レアアースの鉱石が展示してあり、ユージアル石やフェルグソン石、バストネス石を含むカーボナタイトなどの実物があった。
 その中でも館長が興味をもったのは、有名な中国産の風化した花崗岩で、REEを吸着しており、稼行対象となっている。イットリウムやネオジム、ディスプロシウムなどを含むとの事。石との意外な出会いがあるものだ。

7月8日(日)
遂に還暦や!
 ついにこの日が来てしまった。「還暦」である。
還暦まであと5年と言い出してから日に日にスピードがどんどん上ってきた。そして今月末には一応の定年退職。
肩書が無くなり、年収が大幅減になる他は何も変わらない。(実はこの二つが大きいのだが)これからは実力の世界だ。

 前々日6日には某技術関連の学会の見学会が勤務先であり、館長がコーディネーターを仰せ付かった。還暦前最後の大仕事であった。お客様を見送った後、帰りに勤務先の石垣でペグマタイトを見つけた。
10年以上、この技術センターに居たが気付かなかった。いくら仕事でバタバタしていても頭から「石」は離れない。

 翌日7日は京都の益富地学会館へ。石友からまたまた大阪府の鉱物を恵与頂く。硫砒鉄鉱は塊状であるが、なかなか立派なものだ。
 さて、還暦までに作ると公言?していた「大阪府産鉱物」は間に合わなかった。まぁ、老後の楽しみにボチボチやります。
お待ちいただいている?(ごく一部の)石友各位には暫しのご辛抱を・・・。

7月1日(日)
「石の花」・・・遂に念願の石を入手
 いよいよ7月だ。今月で遂に還暦、そして月末には定年退職である。
しかし、住宅ローンがたっぷりと残り、年金だけで食っていくのはまず無理。これといってお金や資産も無い館長にとって、リタイヤはまだまだ先の話である。「晴鉱雨読」はいつになることやら・・・。石は一生リタイヤしないぞ。
 本日はOaさんの「石の花」である。ここで遂に館長念願の標本と遭遇した。蛭川産の母岩付きトパーズである。「母岩付き」という点では和田標本などを除けば、本邦屈指の標本であろう。館長も出演したことのあるお宝鑑定番組に十年程前に出た鑑定士絶賛の石だ。
大きな展示会にも参考出品されている「スター標本」である。
コレクターであればいつか手に入れたい・・・ずっと心待ちにしていた。
 ここは迷わず、館長の「還暦&定年退職記念」にゲット。尾平の硫砒鉄鉱、市之川の輝安鉱、和田維四郎標本などとともに館長のコレクションの看板標本となった。
 さて、今回の「石の花」は蛭川のヒンガン石特集であった。恐らく世界トップクラスと言われるヒンガン石も出品。
実に多種多様なヒンガン石が出品されていた。前述の見事なヒンガン石は石友が見事落札。オークション品は他に綺麗な緑のホタル石を伴ったヒンガン石、大和鉱山の原田石の良品、これはかなり古い標本であろう山ケ野鉱山の「トジ金」などが出品されていた。
 館長は鹿児島県春日鉱山の珍品、球状硫砒銅鉱や鹿児島県三体堂産の小粒ながら透明度では立山産に劣らない魚卵状珪石、美しい明延鉱山産の淡桃色のマンガン方解石を購入した。マンガン方解石には、モルデン沸石(通称、絨毯石)も付いていた。モルデン沸石を見つけてくれたKyさんの慧眼に感服と感謝。

6月27日(水)
仕事で東大阪へ
 今日は東大阪市の企業を訪問した。生駒山の麓にあたり、大阪では「でんぼ(関西の言葉で腫れ物)の神様」でたいへん有名な神社がある場所だ。
 回路図を前にして技術的な意見交換を行い、館長にとってはちょっと難しい話であった。

 最寄駅への帰り道に石友ご夫妻が経営する手作りのオリジナル雑貨のお店があり、石も置かれているとのことで、ちょっと立ち寄った。
 奥様も大の鉱物好きなので、アメジストやホタル石などキレイ系の石や京都の桜石を使ったユニークなアクセサリーも置かれていた。
 また、太陽電池を利用してハチドリが飛び回るオモチャ?や磁力で浮かびながら自転する地球儀など、科学的なものも置いてある楽しいお店である。
 丁度、下校途中の小学生達が目を輝かせて見ていたのが印象的。
これで子供達の理科離れに歯止めが掛かれば良いのだが・・・と理科系出身の館長は願う。

「PIXIE&ANGEL」ホームページは
http://www.hct.zaq.ne.jp/cphrp204/

6月24日(日)
大阪石友会総会
 大阪石友会の総会が行われた。会場の大阪市立自然史博物館へ向う。
お天気も良く、博物館のある長居公園はスポーツを楽しむ人々で賑わっている。
 総会では野外例会の場所について議論が集中した。
最近では採集禁止の場所が増えて、日帰り圏内で多人数で行ける場所が殆ど無い。幹事としては頭の痛いことである。

 また、今回から館長の昔からの石友であるTaさんが入会してくれた。
館長より10歳近く若いが、眞鍋先生や益富先生、櫻井先生のお顔を知る、今や数少ない趣味家だ。今後の会でのご活躍を期待したい。

 さて、会のお楽しみである「万華鏡頒布」(写真下)ではFcさんご提供の大阪府青谷の灰重石付き灰礬柘榴石と珪灰石の標本を入手出来た。
 青谷近くの採石場で一時期出たものだろう。特に前者は柘榴石の標本というより灰重石の標本と言った方が妥当な程、ものすごい量の灰重石が入っていた。ミネラライトを照射すると、満天の星のように青白く輝く。これは館長の一軍標本だ。Fcさんに感謝。

6月22日(金)
哀悼 鈴木盛司さん
 本日の朝日新聞夕刊(兵庫)に「埋蔵金探し 孤高37年」という記事があった。
 長く銀山地区(兵庫県川辺郡猪名川町)に住まわれ、半生を多田銀銅山の豊臣埋蔵金探索に捧げられた故鈴木盛司さんの追悼記事であった。鈴木さんは今年の2月にお亡くなりになったのだ。享年77歳。

 館長は以前、鈴木さんに直接、ご自宅でお会いした事があった。
鈴木さんのことは埋蔵金関連の本で知っていたが、お会いするまではエネルギッシュなトレジャーハンターと勝手にイメージしていた。
 しかしお会いすると実に温厚な物腰の柔らかい紳士的な方で、イメージの余りの違いにちょっと拍子抜けした思い出がある。
 その時は埋蔵金の話ではなく、多田銀銅山の歴史的なお話を伺い、資料も頂戴した。終始、穏やかな話し方をする方であった。また、館長の知らなかった鉱物産地(旧坑)についてもご教示頂いた。

鈴木さんの発掘現場であった旧坑
ここからは貴重な鉱物種も発見された。
2000年6月撮影
多田銀銅山や生野銀山も島根県の石見銀山のように世界遺産になってほしいものだ。

 その後、この旧坑で、館長は輝銀銅鉱や多田銀銅山では極めて珍しい黄銅鉱の結晶(但し超小型)を採集した。
 残念ながら、遂に埋蔵金発見には到らなかったが、世界遺産・石見銀山にも匹敵する歴史的産業遺跡である多田銀銅山を世に知らしめたことなど功績は顕著である。また、鈴木さんの発掘現場の旧坑の捨石からモットラム鉱や褐鉛鉱が発見されるなど鉱物界への貢献も忘れてはならない。
 謹んでご冥福をお祈り致します。

6月10日(日)
「石のフリーマーケット」へ!
 本日は「石のフリーマーケット」の日。今回も館長は出品者として参加。大阪ショーでかなり力を入れてPRしたので、本日の集客が大いに気になるところだ。
 今回もバラエティーに富んだ出品内容で参加された方々にはご満足頂けたと思う。館長は明延鉱山や大身谷鉱山の稼行時の貴重な標本を出品。灰重石結晶やホタル石結晶、自然蒼鉛の良品、自然銀その他鉱山稼行当時の標本をお買い求め頂いた。買って頂いた皆様に感謝。
 さて、販売の合間を縫って、他の人の出品物を拝見した。
その結果、何点かたいへん興味深い石を購入出来た。
 今回のヒットはなんといっても、鳥取県山根の毛鉄鉱だろう。
これを見つけた時は一瞬、自分の眼を疑ったくらいだ。有名標本にして珍品中の珍品。外国産は持っていたが、約50年間のコレクター人生で山根産の実物を初めて見た。もう今後の入手は極めて困難だと思う。
 また、昨年の日本新産鉱物のアントワン石とエンポロロ石も入手できた。淡紫色の国産ハーキマーは一般の即売会ではちょっと手に入らないものだろう。やはり、石のフリーマーケットは一味違うな。
館長の売上もまずます。珍品も入手出来て満足の一日であった。

6月7日(木)
生きている化石・・・
 今日は仕事で岡山県の広島県との県境近く、笠岡市へ来た。
笠岡で有名なものと言えば、何といっても、生きている化石「カブトガニ」だ。

 笠岡と言っても、山の中に居たので、カブトガニのホンモノにはお目にかかれなかったが、こんな所にもカブトガニが描かれているのは、流石、笠岡である。
 面白いので、商談前に記念写真をパチリ。


6月1日(金)〜3日(日)
今年も新宿へ!
 先週、東京へ来たかと思えば、また今日から東京だ。毎年この時期は身体と財布が多忙な館長だ。
先週と同じく夜行バスで新宿着。今回はエコノミーなバスだったので身体が伸ばせず、早くもお疲れモードである。
 そんなに早く会場へ入るメリットもないので、開場30分前にようやく会場の小田急第一生命ビル(ハイアットリージェンシー東京)へ。
 驚いた事に平日のしかも有料イベントにも関らず、行列の最後尾はビルの外、都庁の真ん前まで繋がっていた。最後尾に並ぶこととした。
会場に入ると、早速、館長の定位置である眞鍋鉱物研究所さんへ向い、石友会の顧問である大阪標本業界の長老、Thさんにご挨拶。
 それから益富地学会館やクリスタルワールドさん、大江理工社さんなど顔馴染みのブースへ向う。
まず、会場を一回りして日本産鉱物をチェック。A標本店では東北地方の黄銅鉱や黄鉄鉱の群晶と共に灰山のベゼリ石の超大型標本に眼を奪われた。欲しかったが、値段もなかなかのもので、今回はパスした。ボーナスが出たら買おうかな・・・。
B標本店には和歌山県山崎の手稲石の良品が目に付いた。最高100,000円の値が付いていたが、その値打ちは十分ある。
C標本店では超珍品の東山ケ野鉱山の自然金いわゆる「トジ金」が出品。決して安い値段ではなかったが、判る人には判る標本で、アッという間に売れた。
 世界的に有名な米国のD標本店には「里帰り標本」のコーナーが。乙女の日本式や市之川の輝安鉱の逸品が出品されていた。蛭川のトパーズがなかなか良かった。テリに難はあるが、珍しくC軸に長い結晶で庇面の出具合も良好であった。
外国産鉱物ではブルガリアの方鉛鉱をテーブル一面に並べている業者さんがあり、なかなか壮観だった。

 今年も会場には全国から同好が来られた。九州のZさんとは久しぶりの再会であったが、たいへんな珍品を頂戴した。
なんと沖縄県石垣島の水晶だ!川流れで10個ほど見つかったそうだ。石垣島には花崗岩が分布しているそうなので、水晶があっても不思議ではないが、大珍品には相違ない。館長採集の大阪府豊中市産に次ぐ、珍品水晶であろう。Zさんに感謝、感謝である。

 翌日は午前中から飯田橋で行われる、「ミネラルマーケット」に参加。こちらの方も第二回目からの参加である。30分前に着いたのだが、既に長い行列が出来ていた。暫くは同好の皆さん方と歓談。京都からItさんも来られ、お陰様で待ち時間もあまり退屈しなかった。
 さて、オープンの時間になり会場へ突撃。会場内はアッと言う間に人でいっぱいになった。今年の会場の話題は愛媛閃石と栃木県産のオレンジ水晶だろう。前者はまだまだ高値で今回は見送った。後者は綺麗なのだろうが、どうも館長の触手が伸びない。あまり水晶は好きではないからなぁ・・・。

 今回は買うものが無いなぁと思っていたら、Hさんのブースで変わったものを見つけた。愛知県瀬戸市産のリシオフォル鉱、いわゆる「呉須」であるが、なんと植物化石を置換しているのだ。これはなかなか珍しい。買っておこう。 また、金山として知られる岐阜県六厩の近くで採集された硫砒鉄鉱を購入。工事中の粘土脈から少量産したもので、細かい結晶であるが、殆どがX字形の貫入双晶をなす珍しいもの。あまり細かいものは買わないようにしているが、これは買っておこう。
 それと館長は今回も大失敗をやらかした。思い込みで標本を買って、あとでラベルを見てガックリというケースだ。
最近、時々これをやらかす。これも加齢によるものかなぁ。もっと慎重に見なければならない。反省、反省である。
 土曜日の夜は「新宿ミーティング」が行われた。今回も多数の方が参加された。KmさんやMkさんなど館長の石友の皆さんも初参加。約1時間半にわたり石談を楽しむ。今回も人脈が広がったのが嬉しい。

 また、恒例のオークションも行われ、今回は赤谷鉱山の自然砒(いわゆる金平糖石)の大粒のものや昨年の新鉱物、市之川の松茸水晶。砂金などが出品された。
 お開きの後、有志は二次会に向ったようで、館長は一人寂しく高速バスで帰途に着いた。しかし楽しい二日間であった。

5月26日(土)
クジ運の悪さ、見事に発揮。しかし意外な結果が・・・
 この日記でも度々触れているが、館長の「雨男」と「くじ運の悪さ」は酷いものだ。我ながらいやになってくる。その「くじ運」の悪さが存分に発揮される日がまたやってきた。コムロさんの日本産鉱物の即売会である。
 即売会では今回も豊羽鉱など豊羽鉱山の稀産鉱物やジャルパ鉱、珍品の富井鉱山の鉱石鉱物、尾太鉱山を始めとする東北地方の「鉱山モノ」の美晶の数々など稀産標本、逸品標本、古典標本が目白押し。館長も是非欲しい標本が数点あったので、遠路、クジ運の悪さを承知の上、関西より参戦した。
 早朝、高速バスで東京に着いた。ちょっと早すぎたのでいつも通り、マクド(マック)で時間調整をして白山のお店に向う。
 既にお店の前には相当数の人が待っていたが、ほぼいつものメンバーだ。関西からのメンバーもチラホラ。


 9時になり、いよいよ購入順を決める籤引きとなった。緊張の一瞬だ。
 館長は前回、見事に27人中27番目のドンケツだった。さて、今回は・・・。
ビリではなかったが25人中の17位。10位ランクアップとは云え、こりゃ、今回もアカンわ!ガックリきた。
 さて、今回の館長のお目当ては秋田県釈迦内鉱山第4鉱体の重晶石群晶上に砒四面銅鉱の美晶が多数散在する美品と珍品の鹿児島県串木野鉱山の火閃銀鉱である。特に前者は館長が「ミネレコに載ってもおかしくない」国産離れしたレベルの標本と評価した。
 折角、10位程度の指名順まで決めてきたが、全ては水の泡だ・・・。
 いよいよ定刻となり上位の指名権を獲得した人から欲しい標本の選択が始まった。館長の順番まで時間があるので、皆さんと雑談で時間を潰していると、ようやく館長の番である。17番目ともなれば、もう殆ど残っていないだろう・・・と思った。
 しかし、事実は小説よりも奇なり。なんと館長のドラフト1位候補、釈迦内の砒四面銅鉱が残っていたのだ。
標本が大きく(30cm超)、重く(重晶石なので当然だが)、結晶が林立して壊れやすそう(事実、大阪まで持って帰るのがたいへんだった)。そして、どうも重晶石自体に人気がないようだ。前回の奥山鉱山の海綿状自然金同様、人気の無いのが少々不安であったが、ここは自分の評価を信じてゲット。
 ところで、今回は籤引きルールが少し変わった。折り返し2順目まで「指名」できることになった。2順目ともなれば流石に、コレと言った標本は少ないだろうと思っていた。
 しかし、どういう訳か、館長のドラフト2位、超稀産の串木野鉱山産火閃銀鉱が残っていた。聞くところでは、問合せも多く、前評判がかなり高かったらしいが、2順目まで残っていたのは全く意外であった。ちょっと不思議・・・。
 勿論、それなりに高価であったが、今後、極々少数のコレクターが手放さない限り、まず入手不可能な標本であるので、躊躇無く購入。それ以外では、生野鉱山のヘッス鉱を入手した。これも珍品の部類だろう。本日はこの3点で終了。
 今回もクジ運の悪さは、またまた発揮されたが、ドラフト1位候補と2位候補の標本が入手できたので、ヨシとしよう。
今回はかなり荷物が重いが(二日経った今でも腕が痛い)、気分良く関西へ帰れた。

5月21日(月)
懐かしき大和水銀鉱山

上:現在の大和水銀鉱山跡。コンクリートの構築物が往時を偲ばせる。
下:恐らく昭和30年代前半の大和水銀鉱山。
「新風土記・奈良県」(岩波写真文庫)より
 本日は仕事で奈良県の北東部、宇陀(うだ)市までやってきた。
旧地名は奈良県宇陀郡菟田野町。ここまで言えば、ベテランコレクターはお判りだろう。目的地はなんと大和水銀鉱山だ!
・・・と言っても大和水銀鉱山は1971年(昭和46年)に閉山している。

 実は大和水銀鉱山の跡地に系列の分析センターが出来ており、館長の勤務先のお客様でもあるのだ。従って、本日は100%公務だ!
 ・・・とはいうもののここには四十数年ぶりに来たので、往時の雰囲気を少しは味わいたいものである。

 鉱山がまだ稼行中の昭和40年代前半。館長が高校生の頃に訪山したことがある。
 その時は、アポ無し訪問だったので、守衛所で呆気なく、半ば門前払いのような感じだった。しかし、守衛さんから「これは貴重なものだよ・・・」と言われて掌大の辰砂の標本を頂戴した。その標本は未だ館長のコレクションに収まっている。

 さて、商談が無事一通り終わると、「待ってました」とばかりに、この昔話を披露した。お陰で話はずいぶん弾んだが、今では鉱山稼行時を知る人はいないそうだ。
 仕事の後、構内を少し散策させてもらった。鉱山操業時のものと思われるコンクリートの構築物が見られる程度で鉱山跡を偲ばせるものは殆ど見られなかった。当然、辰砂はカケラも見られない。当たり前やけど・・・。

 残念だが40年も経っているものなぁ・・・。高校生時代の思い出に耽りながら、大和水銀鉱山を後にした。館長の懐かしい旅は続く・・・。

5月6日(日)
六甲山地の東の端にて
 いよいよゴールデンウィークも今日が最終日だ。GW前半は大阪ショーで大忙しであったが、GW後半は特にこれといった用事もなく、プロ野球を見に行ったり、庭の掃除をしたり・・・と石に殆ど無縁のマッタリしたGW後半だった。
 今日は6月10日の益富地学会館の「石のフリーマーケット」に向けて、共同出品する石友のお宅を訪問し準備を行う。大阪ショー3日間で、フリマのチラシを400枚は配ったので、その成果が楽しみである。多数のご来場をお願いしたい。
 さて、石友のご自宅は丁度、六甲山地の東端にあたる。その為、住宅街(ここは芦屋と並ぶ関西屈指の超高級邸宅街)の中に突如、花崗岩の露頭があったり、住宅の工事現場に大きな花崗岩が露出していたりと不思議な感じだ。
 工事現場の中には入れないので、外側から記念写真を撮った。遠目にみて、残念ながらペグマタイトは無いようだ。

4月28日(土)〜30日(月・祝
大阪ショー2012!

会場風景(4/28)
連休初日でもあり、たいへんな人出だった。
 さぁ、お待ちかねの大阪ショーだ。今回も館長はスタッフとして参加。
大阪ショーが行われる大阪・天満橋は自宅から1時間以内で行け、しかも館長の生まれ育った場所にたいへん近く、隣町という感覚だ。
 館長の持ち場はいつも通りの益富コーナー。京都ショーでは委託標本を販売するので、買い物客でごった返すのだが、大阪では本と採集用具やコレクション用品だけなので至って静か。
 隣りには人気のイベントコーナーがある。京都ショーに続いて今回も「砂時計」作りであるが、更に趣向を凝らして、今回はサハラ砂漠の砂やアメリカの砂などワールドバージョンだ。サハラ砂漠の砂が人気があったようだ。
 大阪ショーも随分規模が大きくなった。そして今回はメイン会場と特別展示を中心としたエリア、イベントコーナーを中心としたエリアの三ヶ所に別れた。

 館長は昼休みの休憩時間を利用して短時間で会場を廻ってみた。
とにかく短時間での駆け足のチェックであったので、見落としも多々あったと思うが簡単にレビューを行おう。
 
館長は当然ながら
日本産鉱物を探すのであるが、まず、老舗のA標本店のブースに向う。
ここの今回の目玉は本邦トップクラスの中宇利鉱山のヒーズルウッド鉱である。更には元・高壮吉標本であった方解石(意外な場所に生成していた)群晶などが目に付いた。また、巨大な尾太鉱山の菱マンは凄い。A標本店は流石の品揃えだ。
 同じく老舗のB標本店には日本産鉱物がてんこ盛りであったが、館長は巨大な鳴石に興味津々。良いものだが、ちょっと予算が合わず見送った。他には「地学研究」で発表された生野鉱山のエスキモー鉱様鉱物が出品されていた。

 C標本店では、市之川鉱山の輝安鉱入り水晶を見せて頂く。
小ぶりなものであるが、なかなか珍しいものだ。テリも良い。
聞く所によると明治〜大正時代の標本で地元の方が代々収集されていたものとの事。
 神岡鉱山モノなど中部地方の鉱物に強いD標本店ではマンガン方解石など神岡鉱山の多彩な方解石や蛭川のペグマタイト鉱物が出品されていた。
大産地・蛭川も石切場は殆ど止めているとのことで、これから益々貴重になるだろう。


大阪石友会のブース
 E標本店ではこれまた館長の好きな鳴石が・・・。生駒山産のかなりの大型のものだ。F標本店ではなんと昨年の新鉱物、宮久石が・・・。これは貴重だ。面白い所では外国人業者の方が稲倉石鉱山の菱マンの上に乗った細かい水晶の群晶や伊豆の沸石を売っていた。しかもご自身の最近の採集品との事だ。
 館長は今回、大阪府産の鉱物数点と珍しい長野県鹿塩のワイラウ鉱、そして案外少ない、尾去沢鉱山の皓礬(ゴスラー)を入手。鉱物種集めからはなかなか卒業できないな。

 特別展示は昨年の京都ショーに続いて「ペグマタイト」だ。今回は福島県石川町のペグマタイト鉱物が加わった。
かの有名な「人頭大のザクロ石、物干し竿の緑柱石、茶筒のような電気石」で知られる日本三大鉱物産地、石川山である。
とにかく迫力満点だ。今回は石川の鉱物といえば、この方。著名な鉱物コレクターであるHeさんが遥々福島県郡山市から来られ、講演をされた。Heさんとは無名会以来、久々の再会である。館長も是非、講演を拝聴したかったが、残念ながらスタッフの仕事があり断念。また、前回に引き続いて、滋賀県田上山と岐阜県苗木・蛭川の鉱物も展示。日本三大鉱物の産地の揃い踏みだ。田上山はご存知、Nkさんの巨大なトパーズ他のコレクション。定番の鉱物は勿論見事だが、展示されていたトール石は凄い。中津川(旧苗木、蛭川)はお馴染みのOaさんとItさんのコレクションがメイン。その中で館長は蛭川の緑柱石に見惚れた。ブルーとグリーンのバイカラーで実に見事!今回の館長のイチオシだ。

 そんなこんなで忙しい中にも石漬けの極楽の三日間はあっという間に終わった。
しかしこれから、6月のミネラルマーケット、新宿ショー、フリーマーケットと館長の果てしない鉱物の旅は続く。
写真左はイベントコーナー。
砂時計工房U”ワールドバージョン”相変わらずの人気だ。

写真右は「鉱物・岩石無料鑑定会」の模様。
今回もいろいろな石が持ち込まれた。

4月17日(火)
残念!
 某テレビ番組制作会社からメールが入った。関西ローカル番組への出演依頼であった。
ダンナの捨てられないモノ(館長の場合は石ということになるが、捨てるか捨てないか考えられるような量ではないの番組の材料としてはどうかな?)を若手芸人コンビF(結構、有名なコンビ。そのあたりの情報には疎い館長が名前を知っていたくらい)が拙宅に来て、ダンナを応援して嫁さんに(捨てられないように)認めてもらおうというような番組だそうだ。
館長はその番組を知らなかったが、ヨメは知っていたようだ。
残念ながらその日は顧客とのアポイントが入っていたのでお断りせざるをえなかった。ヨメも残念がっていた。
まぁ、館長のように仕事でアチコチ飛び回っている人間にはこのような平日の急な話は難しい。

 そういえば、数年前、やはり関西ローカルで、今をときめく有名芸人コンビTが館長宅に来るという番組への出演依頼があった。これは館長が東京へ単身赴任中で関西に戻れず止む無く断念。今思い出しても、惜しかったなぁ・・・。世の中うまくいかないものだ。

4月15日(日)
桜の名所、摂津峡へ

不整合面を観察中のメンバー
 今日は大阪府北部、高槻市の摂津峡へ来た。益富地学会館の野外観察会のサポート役を仰せ付かった。摂津峡は桜の名所で、大阪から近いこともあり、この時期、ハイカーや花見客でたいへんな人出だ。
 摂津峡は地学的にも有名で大阪周辺の地学ガイド本には必ずと言ってよいほど出てくる場所である。色々な種類の岩石や不整合などの地質現象、花崗岩に貫入した見事なヒン岩の岩脈、大阪層群中のカキの化石層など見所満載である。鉱物の面では、かつて白神正夫先生が濁沸石などを記載されている。
今回はサポート役4名を加えて、総勢24名。定員には及ばなかったが、案内する側からすれば、丁度良い人数ではある。
 一行は芥川という川にそって上流へと向う。周辺は景勝地なのでハンマーはご法度だ。ひたすら観察を行う。それにしても芥川に転がっている岩のデカイこと。こんなのが転がってきたら恐怖だな。 色々な地質現象を観察しながら上流へ向うと石が沢山崩れ落ちている場所に着いた。ここで沸石の細脈を含む石を拾った。事前の分析によると束沸石らしいが、かなり貧弱である。館長もこれが「大阪府の鉱物」でなかったら、まず拾って帰らないだろう。また、たいへん小規模なスカルンもあり、灰鉄輝石らしいものも見られるが、我々が鉱山跡で採集するものと比べて随分見栄えが違う。
 地質見学も終盤に差し掛かった頃、またまた沸石を含む岩石のの落ちている場所に到着した。

河原には種々の岩石が見られる。
 館長は故あって、その場所へ随分遅れての到着であった為、殆ど採集できなかった。
見かねたItさんから比較的分厚い沸石脈が入った岩石を頂く。他には氷長石もあったそうだ。
 摂津峡から離れ、解散地点のバス停に着く。この付近には有名な大阪層群(Ma1)中の牡蠣の化石層があるのだ。
事前に土地の所有者にOKをもらっていたので、少し掘りこんで化石層を観察が出来た。
残念ながら化石に完全なものは無く、しかもかなり脆い。破片ばかりしか見られなかった。
Itさんによればある種の鉱物に置換されている可能性もあるようだし、折角なので、破片を持ち帰った。

4月11日(水)
偶然の出会い
 本日は営業で大阪府吹田市まで来た。商談も無事終わったが、今日は酷い雨だ。雨男の面目躍如?という所だ。
 
 小降りになるまで、雨宿りをしようと駅の横にあるショッピングセンターに入る。館内をウロウロしていると、偶然、沢山の綺麗な石が置いてあるお店に遭遇。
 なんとクリスタルワールドさんであった。ここにもお店があったのか!
しかもお店には今日は館長も以前から顔馴染みのMさんが偶々京都から応援で来られていた。しばし石談で盛り上がった。
 聞くところによると、クリスタルワールドさんは何と全国で30店舗を越えているそうだ。阪急・正雀駅前の雑居ビルの三階に塾と併設していた頃を知る者としては、感無量である。益々の社業の発展をお祈りする。

4月7日(土)
もうすぐ大阪ショー
 今年は例年より寒いせいか、桜の開花が遅かったが、ようやく咲き始めたようだ。京都は観光シーズンに入り、御所や有栖川邸のある益富地学会館界隈は多くの観光客で賑わっている。

 今日は恒例の運営委員会であるが、某石人よりちょっと早めの還暦祝いを頂いた。館長が欲しかった石で、予期せぬプレゼントに喜びひとしお。感謝、感謝。
 また、他の石人より大阪府と猪名川町の珍しい産地の鉱物を何点か頂いた。
 会館の三階では新着標本のお披露目が行われているが、その中に奈良県二上山の鉄礬柘榴石の母岩付きの立派な標本があった。
いわゆる石切場安山岩中のゼノリスに最大8mm大の結晶が数個入っている。館長も二上山産の8mm大の結晶(これには逸話がある)を持っているが、このような大型結晶の供給源はゼノリスかもしれない。

4月5日(木)
”石の華”にて・金沢
 
 久々の北陸出張だ。今日の午後と明日の午前中は金沢周辺、午後は富山へ移動して営業という計画だ。金沢駅へは少々早めに着いた。
同行するメンバーとの待ち合わせ時間まで時間があるので、まず腹ごしらえだ。金沢駅構内の牛丼屋で、さっと昼飯をすます。
財布に余裕があれば、金沢名物のノドグロ(赤むつ)を食したいところだが、ここは我慢。いつか食べたいな・・・。

 そして、足早に駅前のポルテ一階にある鉱物標本店「石の華」へ。
店主のMmさんがいらっしゃたので、暫し石談を楽しむ。
「石の華」でも最近、パワーストーンや化石も扱い出されたとの事。
同店では鉱物標本以外に既に「水石」も扱っておられる。日本の石屋さん数多あるなかで、専門的な鉱物標本と水石が同居している店は他にそう無いだろう。これにパワーストーンと化石が加われば完璧。「石の総合デパート」である。益々の飛躍を期待したい。
 写真下は今回、「石の華」で館長の目に止まったもの。いわゆる「坑夫芸術」である。超有名大鉱山の元坑夫さんが作ったもので、方解石の様々な結晶を組み合わせ、その間になんと閃亜鉛鉱をちりばめた豪華なものだ。勿論。定番の水晶も付いている。
 その日は金沢泊まりだったので、夕刻、仕事が終わった後も再度お邪魔し、弊店間際まで石談にお付き合い願った。Mmさんに感謝である。

 
「石の華」オーナー、Mさんのブログ 
”ようこそ石の華へ 鉱物の部屋へのいざない” http://ishinohana.blog.ocn.ne.jp/

4月1日(日)
石友会野外例会 大阪府泉南市昭和池へ
 早いものでもう4月。我が大阪石友会も新年度に入った。
その新年度第一回目の野外例会が本日。場所は石友会としては2回目の訪問となる大阪府泉南市新家の昭和池畔である。
昭和池はドーソン石や中生代化石の産地として広く知られ、かねてより館長もこの地を是非訪れたかった。
 ドーソン石の産地は昭和池の畔から細い谷を遡上していく。前日の雨で水量もやや多く、両岸も雨水を含んで地面が緩くなって滑りやすくなっており、たいへん歩きにくい。

 谷の両側には和泉層群の泥岩が露出している。ここは中生代の棒状のアンモナイト(バキュリテス)や二枚貝化石の産地として知られ、化石採集者が割ったノジュールが谷に落ちている。それを拾い上げて、白い細脈を割ると細かい絹糸光沢の花弁のようなドーソン石が現れる。ドーソン石自体はいくらでもあるが、綺麗な見栄えのするものはなかなか採れない。結局、サンプル程度のものを2個だけ採集して早めに下山した。

 帰りにKh会長のご自宅におじゃまし、多彩な鉱物化石コレクションを拝見しながら石談を楽しんだ。

3月31日(土)
いろいろ
 今日は古くからの石友宅へ標本整理のお手伝いに向かう。
一緒に色々な鉱山を廻っていた時の昔話に花を咲かせながら標本整理は順調に進み、帰りがけに石友から何点か標本を分けて頂いた。
その中でも出色の標本はペグマタイトのゲス板に淡緑色の蛍石結晶を伴い、硫砒鉄鉱の菱餅状の結晶が槍の先のような格好で乗ったものだ。これは石友が大事にしていた見事な標本であった。
他に3cmはある蛭川の蛍石の淡緑色透明八面体結晶、明延鉱山の方解石群晶標本など現在では入手困難な昔の貴重な標本を頂く。
 帰宅すると某老舗標本店に注文していた標本が届いていた。
生野鉱山から昨年見つかったエスキモー鉱(正しくはエスキモー鉱様鉱物)である。実は今年の益富地学会館の交流会で市場デビューしていたのだが、ちょっと高価だったので見送っていたのだ。それが今回、比較的手頃な値段で出たので、早速購入した次第。やはり館長にとって、生野鉱山の鉱物は外せない。
 また、ゴールデンウィークの石ふしぎ大発見展・大阪ショーのチラシも会館から届いた。早速、お知らせのコーナーにアップしたのでご覧頂きたい。

3月29日(木)
車窓から金生山をのぞむ。
 今日は静岡県掛川市への出張である。掛川駅は「こだま」しか停まらない。「のぞみ」に乗って名古屋で乗り換える方法もあるが、乗り換えが面倒だし、時間的な余裕もあったので、「こだま」で行くこととした。

 今日は素晴しい晴天で、テッペンが雪で覆われた伊吹山もくっきりと見えている(写真上)。岐阜県に入ると車窓から彼方に、真ん中をえぐりとられたような異様な姿の山が見える(写真下)。これこそペルム紀の化石で知られる岐阜県大垣市赤坂の金生山だ。
 館長がまだ高校生の頃、金生山の化石が好きだったので何度か訪山した。その頃はまだ山頂部分など山の形もしっかり残っており、山麓に採掘場の崖が何箇所も見えていた程度だった。

 当時、山の上に小さな茶店?があり、巨大なプレウロトマリアなど素晴しい化石があった。そこのご主人が石友会創設者の眞鍋鶴松先生と懇意な方であった。大きな鍾乳石やプレウロトマリアやベレロフォンなどの貴重な化石を安価で何点かわけてもらった。今でも館長のコレクションに入っている。

 金生山では様々な形態の方解石や赤鉄鉱(代赦石)を産した鉱山跡があったり、博物館に立派な黄銅鉱があったり、近年はカコクセン石などの燐酸塩鉱物やクロム雲母を産するなど鉱物産地としての側面もあった。
懐かしいなぁ・・・。

3月25日(日)
「石の花」と「高田クリスタルミュージアム」へ
 Oaさんの「石の花」で上洛した。本日は館長の興味のある但馬三山(生野、明延、中瀬)の鉱物が出品されるのだ。中瀬鉱山のテンプラ状輝安鉱や中瀬鉱、銀四面銅鉱、玉髄、苦灰石、生野鉱山の自然銀、自然蒼鉛、明延鉱山(・・・だったかな?)のライタカリ鉱など多数出品された。
 その中でも館長の注目は生野鉱山の
ホドルサ鉱という鉱物だ。
Cu8Bi12S22 という組成の鉱物だが、日本産鉱物としては未記載なのだ。
Oaさんが昔、某有名標本店から入手されたとの事。たまたま手に取った標本がホドルサ鉱で運良く入手出来た。自然蒼鉛と密に共生した銀白色のギラギラした鉱物だ。ちょっと気になるのが母岩だ。真っ黒で特徴的な母岩だが、見たことがある。その中にやはり銀白色の鉱物が入っており、それはパボン鉱であった。館長と同じく本鉱を入手したYさんが、分析してみる、と言っていたので、その結果が楽しみだ。ホドルサ鉱であれば大発見なのだが・・・。館長はこれ以外に灰山のベゼリ石(荒川石型)の展示用標本を入手した。Oaさんも展示していたとの事。迫力満点だ。
 いつもは「石の花」の後は、そのまま自宅に戻るのだが、今日はもう一ヶ所行くところがある。
結晶学の専門家で「ペグマタイト」編集長で知られる高田雅介さんが、ご自宅の近くに博物館を作られたのだ。
その名も、鉱物と結晶の博物館、「高田クリスタルミュージアム」。
 阪急電車の東向日駅で下車し駅前からバスに乗る。灰方のバス停で降りて数分歩くと博物館だ。
博物館は元のご自宅を改装されたものだ。やはり「結晶」をコンセプトにされているだけに多数の美しい結晶鉱物以外に結晶模型も展示されており、標本を見ながら結晶学も学べる仕組みになっている。
 「鉱物と結晶を楽しむ科学教室」という会も主宰されており、この博物館は子供達の教育の場でもある。毎月一回、学習会をされているそうだ。教師であった高田館長ならではの配慮である。
 館内には高田館長が熱心に取り組まれていた有名なタングステン鉱山、山口県喜和田鉱山の昔の写真も展示されており、大谷鉱山と共に貴重な思い出話を伺うことが出来た。
鉱物に興味のある方は是非一度は訪れて頂きたい。
 博物館を夢見る館長にも大いに参考になり、良い刺激になった。
(写真は博物館前景と高田館長)
高田クリスタルミュージアムのHPです。 http://www7b.biglobe.ne.jp/~takada-crystal/

3月19日(月)
心斎橋にて
 今日は仕事で心斎橋の近くに来た。午前中で商談も終り、心斎橋でランチを軽く済ます。
 ついでに心斎橋筋商店街にあるクリスタルワーールドさんに立ち寄った。
 丁度、ツーソンショーの鉱物の販売が行われており、巨大なシトリンの日本式双晶(写真左)が眼を引いた。他にペルーの安四面銅鉱も見事であった。

3月9日(金)〜16日(金)
館長、はじめての欧羅巴へ
 館長の勤務先から永年勤続のご褒美に旅行券と10日間の特別休暇をもらった。仕事柄、10連休など到底無理なので、休暇の一部は2月に使った。いよいよ3月に入り、本番の海外旅行だ。
 館長は世界の鉱物コレクター憧れの地、アメリカ・アリゾナ州のツーソンに行きたかったが、ヨメにあっさり却下された。まぁ、却下は想定の範囲内だ。ツーソンショーは定年後の楽しみに残しておこうか。
 そこで、ヨメの希望通り、ロンドン、モンサンミッシェル(仏)、パリというヨーロッパの定番コースとなった。
この日記は「
石に関係あること」が大前提であるので、詳しい旅行記は省略するが、とにかく関空からロンドンまで、途中、ドーハ(カタール)での2時間のトランジット(乗り換えの時間待ち)を入れて、合計21時間強という長旅であった。
 ロンドン・ヒースロー空港に到着してバスでロンドン市内に向う。
車窓から見るロンドンは流石に歴史を感じさせ、シンメトリーと統一感があって実に綺麗な街並みだ。

大英博物館
 ここでの楽しみは大英博物館(写真上)である。大英博物館には世界一といわれる「市之川の輝安鉱」があるらしい。
しかし、今回は「鉱物」は全く見られず(まぁ、無理やろな)、ナポレオンが持ち帰った有名な「ロゼッタストーン」などを見学した。石には違いないが・・・。

 翌日、ロンドンから一日観光でコッツウォルズというイギリスの古い街並みが残る地方へ行った。
ここは板状の石灰岩が採れ、それを積み重ねて家が立ててある。石造りの家々はすごく素朴で趣きがあった。
 ロンドンで二泊し、英仏海峡をユーロスターで渡りフランスに入る。パリから今回の旅行のハイライト、人気スポットである世界遺産のモンサンミッシェル(写真下左)へ。岩山に建てられた余りにも有名な修道院であるが、岩山は花崗岩で出来ていた。所々に花崗岩を貫く石英脈が見られる。きっと、大昔、工事中は水晶などのペグマタイト鉱物なんか出たんだろうな。

 今夜は、モンサンミッシェルを望む小さなホテルで一泊。夕食後、モンサンミッシェルのライトアップされた夜景を観に行ったが、まるで星が降るような満天の星空に大感激の館長であった。

 その後、パリで二泊。エッフェル塔(あまりにも優美!、おフランスに来たなぁと実感した)や凱旋門(残念ながら車窓観光)、シャンゼリゼ大通り(若き日の館長のアイドルであったダニエル・ビダルの「オー、シャンゼリゼ」を聴きながら)、ルーブル美術館(とにかく、広くてデカい!目玉は「モナリザ」と「ミロのヴィーナス」)、オルセー美術館(印象派で知られるが、館長の好きなバルビゾン派の絵がある。「晩鐘」と「落穂拾い」に感激。名画が一挙に見られた。)、ノートルダム寺院(超有名な寺院。厳かな雰囲気。ステンドグラスが素晴しい)、オペラ座(絢爛豪華!ヨメが大感激!)、夜のセーヌ川クルーズ(メッチャ綺麗。ライトアップされたエッフェル塔が素晴しい)などパリの観光を満喫した。日本から遠いが、機会があれば、また来たい街だ。

世界遺産・モンサンミッシェル

憧れのアルプス
 帰りの飛行機から見たスイスアルプスの山々(写真右)。
 実に美しい!館長の憧れの地だが、機上とは云え、まさか、ここで見られるとは思わなかった。

 ヨシ!次はスイスや。
アルプスと言えば「アルパインベイン中の鉱物」。
きっと鉱物との出会いはあるだろう。
館長の世界の旅は続く・・・。

3月4日(日)
石友訪問
 今日は滋賀県まで来た。目的は以前から拝見したかった石友のコレクションを見せていただくことである。近くの駅まで迎えに来ていただき、石談をしながらご自宅に向う。閑静な住宅地にあるご自宅に上らせて頂き、早速、標本を拝見。
 とにかく標本がハンパな数ではない。二次鉱物に関心の高い方だけに地元の灰山や御池鉱山、館長の関心の高い大阪の平尾旧坑を中心とした二次鉱物がたいへん充実。
その他ペグマタイト鉱物も素晴らしいものがあった。しかも大半が自採品との事。その行動力に脱帽である。
 更に特筆すべきは、その整理がたいへん行き届いていることだ。産地別に綺麗に整理されており、標本を実に大事にされていることがよく判る。
帰りに、お土産として館長の欲しかった標本を数点頂戴した。感謝、感謝。

3月3日(土)
上洛
 益富地学会館の運営委員会で上洛。大阪ショーも近づき、今日はスタッフミーティングも行われた。館長は今回も「定位置」でお手伝い。
結構忙しい場所であるが、殆どの来場者とここでお会い出来るので、館長はお気に入りである。多数のご来場をお願いしたい。

 それと今日は石友お二方より嬉しい標本のプレゼントがあった。
大阪府産鉱物でも幻の標本「柏原市亀の瀬の霰石とドロマイト」だ。特に霰石は博物館級の大型標本だ。
 もう御一方よりは大阪府初産のベスブ石と恐らく初産であろうグライゼン中の紅柱石を頂いた。お二方に心より感謝申し上げます。
写真3/3の益富地学会館

2月21日(月)
今日から六連休!
 館長は勤務先での勤務年数が30年を超えたので、会社からご褒美に10日間の特別休暇をもらった。仕事柄10日間も続けて休むのは到底無理な話なので、今月4日間、来月6日間と分割することとした。
 連休初日はヨメとの日帰りのバス旅行にあてた。行き先は天下分け目の古戦場、岐阜県関が原だ。
 しかし、今回は歴史探訪ではなく、「近江牛のすき焼き」食べ放題、松阪牛の「あぶり寿司」食べ放題。しかも、伊吹高原牛のステーキ、小さいながらも、伊勢海老のお造りと鮑のステーキが付いて、プラス伊勢海老と牛肉、地元産の玉子6個パック、お菓子付き、勿論、観光付きで一人一万円を切る・・・という夢のような「グルメ+観光」プランであった。
 ・・・とまぁ、このようなツアーであったが、本サイトは「石に関係がある」というのが必須条件であるので、一般的なお話はここまで。
しかし、雪の伊吹山は綺麗だったな。(写真上)

 観光の方はというと、当初、満開の梅を観る予定であった。しかし、寒さの為、まだ梅が咲いていないとの事で、急遽、滋賀県山東町の盆梅展観覧となった。
そこにあったのが、右の「姉川さざれ石」だ。
国歌「君が代」に詠われている「さざれ石」にはこの滋賀県姉川や岐阜県春日など諸説あるようだが、いずれにせよ歴史的な石である。
 また、この後、岐阜県美濃市の「うだつ」の街も散策したが、ここで「美濃の壷石」と遭遇した。
右端の写真はそこの街角で見た「馬つなぎ石」。これも「石」に違いないので。
鉱物との出会いは無かったが、一応、「石」とは遭遇出来た館長であった。

2月20日(月)
古い鉱物標本
 古い鉱物標本を入手した。山越工作所のラベルが付いたものだ。
山越工作所は明治12年創業の老舗標本業者で昭和25年まで続いたようだ。
同社からは多数の人材が輩出され、かの岩本庄太郎氏も山越出身である。
 標本の方は岐阜県金生山の鍾乳石の破片で、大したものではない。
しかし、標本とラベル、箱が全て残っている古い標本は貴重であろう。
年代の特定はなかなか難しい。「美濃國」という古い地名が使われている。確かに古いが「美濃國」は明治4年(1871年)には岐阜県になっているので、山越が出来る前であり、便宜的に用いられただけだろう。

館長より
このラベルは標本ラベルのコーナーにアップしましたので一度ご覧下さい。

2月19日(日)
石ふしぎゼミ

It2さんの「長島鉱物コレクション」について
 益富地学会館の「石ふしぎゼミ」で上洛した。今回のゼミでは喋る側で、ゼミの発表はこれで三回目。「大阪層群の鉱物」について話すこととした。相変わらずの地味なテーマである。
 館長の順番は午後イチ。昼食後の一番眠い時間帯である。演者としてトークの腕が試される時間だ。子守唄にならなければ良いのだが。
 昼過ぎに会館へ着くと丁度午前の部が終わりかけていた所だった。
休憩時間となったので、館長の不明鉱物を見てもらった。
一個は兵庫県内の無名の某鉱山の黄錫鉱と思われるもの。
もう一個は兵庫県多田鉱山某旧坑(昭和48年まで稼行した旧日本鉱業多田鉱山ではない)の輝銀銅鉱と思われるものである。
 前者は閃亜鉛鉱に伴い、色合いが黄錫鉱らしい。後者は輝銀銅鉱独特の色合いと光沢だ。明らかに他の鉱物とは違う!・・・と館長は思った。
 鑑定の達人お二方に見て頂いた結果は黄錫鉱は○、輝銀銅鉱はやや○に近い△(微妙な表現だが)であった。鑑定結果に大満足の館長であった。
 さて、「石ふしぎゼミ」であるが、お天気にも恵まれ、今回は沢山の方に来ていただいた。通常の倍くらいはいらっしゃったような気がする。
 館長はパワーポイントを使って、大阪層群の概要説明から、産地の状況、産出鉱物の順で説明していった。ローカルで、昔話で、採集意欲をそそられる話ではなかったが、子守唄にならずに済んだようだ。聴いてくださった皆様に感謝すると共に現役の営業マンとしての自信?にも繋がった。

It1さんの「畿内最大結晶の斧石の産状」
 ここで、Tmさんから京都のアズキ火山灰層で「苦土明礬」が見つかったお話を伺った。本鉱は大阪府未見である。早速チェックしてみよう。Tmさんに感謝。
 その後、It1さんの滋賀県の斧石のお話、It2さんの長島コレクションのお話、Kt嬢とYs嬢の中津川の採集談(Kt嬢の採集されたトパーズが回覧されたが、なかなか立派なものだった)、Amさんの明延鉱山のお話と興味深いお話が続いた。帰りにヨメのリクエストがあり、錦市場で「出汁巻」を買って帰った。 そして、帰宅すると石友からメールが来ていた、まさに館長にとって驚愕の情報であった。これはすぐに動かずばなるまい。次から次へと楽しみが増えていく。

2月12日(日)
奈良鉱物研究会の新年会へ
 本日は奈良鉱物研究会の新年会の日。場所は京都府南部、JR加茂駅近くの「フローライト」。館長は兵庫県に住まいしている為、電車を何度も乗り継いで、約2時間半ほどかかる。ちょっとした旅行である。
 阪急電車、大阪市営地下鉄を経て、天王寺駅からJR関西線に乗り、大和川の上流に差し掛かると、懐かしいスカルン産地、青谷が見えてくる。もうかつての面影は全く無い。更に進むと、美しい霰石を産した亀ノ瀬を左に見て、電車は奈良県に入る。王子駅、奈良駅を経てようやく京都府へ。車窓から造成地があちらこちらに見られ、大阪層群と思われる露頭が随所に見られる。
 そして漸くJR加茂駅に到着。この駅の近くに奈良鉱物研究会の事務局が置かれている「カラオケ喫茶こころ」(ミネラルショップ、フローライト併設)があり、ここで新年会は行われる。(写真右)
 本日の新年会には十数名参加した。新年会の幹事で本会理事でもあるThさんやOhさん、Ktさんなど益富地学会館の関係者数名の他は初めてお会いする方やお顔を見たことがあるというくらいの方々が多い。
 それでも、今回あらたに数名の方々と親しくお話をすることが出来た。皆さん、人生の先輩であるので、鉱物だけでなく仕事やこれからの(特に定年後の)人生のお話にも及び、得るところは多かった。
 食事の後、有志でフローライトから徒歩20分程の木津川の河原に向う。
この河原は以前は草木が生い茂り、見通しが悪かったが、今は草木も少なく、たいへん採集がしやすい。(写真左)
ここからは、かつて多彩なマンガン鉱物を産した、法花寺野(ほっけじの)の採石場跡が茶色く見える。採石を止めて久しく、今は何も無いそうだ。
 さて、この河原では木津川によって運ばれてきた流域の多種多様な岩石が見られる。その中には紅柱石ホルンフェルスや柘榴石を含むペグマタイト礫、片麻岩、チャートなど、稀には緑柱石を含む石英も見つかっている。館長は緑柱石を探す。緑柱石の母岩である灰色の石英は結構見つかるが、本命の緑柱石は全く見つからず。結局、ボウズであったが、今日は採集よりも交流が目的であるので、まぁ、いいか。
 河原での採集は風を遮るものもなく寒いが、天候にも恵まれ楽しい一日であった。

2月5日(日)
満池谷(まんちだに)累層
 西宮の友人宅を訪問した帰りに、有名な大阪層群満池谷累層を見学することとした。自宅からそれ程離れてはいないが、なかなか来る機会がなかった。この地層に含まれる植物遺体から氷河期があったことが証明できる貴重な地層で天然記念物に指定されている。中学校の中にあるので、遠くからしか見ることが出来ず、直接、観察は出来なかったのは残念であった。
 また、その近くにアズキ火山灰層の露頭があり、写真のような看板も出ている。但し、露頭はシートで覆われているので、観察は出来なかった。大阪府でもアズキ火山灰層が出ている場所は少ないので、どのような形にせよ保存されているのは嬉しい事だ。

2月4日(土)
鉱物の意外な話
 益富地学会館の運営委員会で上洛した。そこで、A氏より大阪府産沸石について耳寄りな情報がもたらされた。これは一度現地へ行かないといけないな。
 また、昨年末に行った大阪のマンガン旧坑にあった濃緑色の鉱物がなんとアラバンド鉱であったとの事。アラバンド鉱は黒いというイメージしかなかったので、まさかの結末に少々ビックリ。
 そして話題は奈良県某所の硫黄の話となった。昔、そこで採れた硫黄がそこのものか?というよくある話だ。温泉の噴気孔でよく見られるタイプだが、実際にB氏がそこで採集されたとの事。火山ではないが、火山とは決して無縁な場所ではない。黄色っぽい脈もあったとのことなので、確認の為、探索に行こうかという話になりそう。館長も興味津々だ。
 普通に考えれば他産地で採った鉱物を別の場所で捨てるということが考えられる。これは重大なマナー違反だが、時々聞く話ではある。

2月4日の益富地学会館
 しかし、近畿地方では見たことの無いタイプの硫黄だけに、わざわざここまで来て捨てるとは、ちょっと考えにくい。
状況証拠を積み重ねると、この地の産ということになる。これは調査に行かずばなるまい。
 もう一つ幻の鉱物で更に大昔、京都市内の意外な場所で見つかったという辰砂の話。ものすごく意外な場所だが、これも上記の自然硫黄同様、情報の発信源がしっかりしているだけに信憑性が高い。こちらも探索に行こうかという話になった。

1月30日(月)
未来世紀ジパング 〜沸騰現場の経済学〜【沸騰!ニッポンの鉱山】
 今日は東京出張だった。会議、打ち合わせを4本もこなして、かなりお疲れモードである。
自宅に帰るとすぐにお目当てのテレビ番組を観る。事前にヨメに録画を頼んでいたので、そんなに焦る必要は無いが、やはり好きな番組はリアルで見たい。その番組は
「未来世紀ジパング 〜沸騰現場の経済学〜」というテレビ東京の番組だ。
 今回のテーマは
【沸騰!ニッポンの鉱山】だ。それにしてもテレビ東京さんは「開運!なんでも鑑定団」といい、実に良い番組を作るなぁ。館長も2度、同局の番組に出させてもらっているので、どうしても贔屓目に見てしまうが、それを差し引いても実に良い。
 この番組では高騰を続ける「金」にスポットを当て、現役の金山、菱刈鉱山が詳しく紹介されていた。
菱刈鉱山は一時的な利益を追わず、長く採掘することが目的との事。素晴しい!いつまでも現役の鉱山で頑張ってほしい。
館長はここで認識をあらたにしたことがあった。こんな近代化した鉱山でも、「手選鉱」が行われ、職人芸が発揮されていることだ。鉱山に限らないが、いくら生産が近代化、合理化されても最後は「人間の眼」なんだなぁ。
 それと同じく現役の炭坑、「釧路コールマイン」が紹介された。こちらもかつての炭坑のイメージとは全く違った、安全且つ合理的なヤマだ。海底なのに「ヤマ」はちょっと変だが、まぁ、いいか。こちらもいつまでも現役のヤマでいてほしい。この番組を観て、石を採りに行きたくなった。

1月22日(日)
石を楽しむ新春交流会

賑わう会場
 本日は益富地学会館新春恒例の「石を楽しむ新春交流会」だ。
この交流会の前身である「京都地学会新春総会」当時から、この会で館長の鉱物趣味の一年が始まる。交流会のお楽しみは何といっても加藤昭・松原聰両先生の講演会と標本即売だ。館長は昨年は標本即売の出品者として参加したが、今回はネタ切れの為、お客として参加した。
 この交流会はプロアマ問わず出品するので、標本の種類も多士済々である。館長はもっぱら、大阪府の鉱物を探す。今回は柏原市の霰石やドロマイト、能勢のジルコン、大萱原鉱山の水亜鉛土など面白いものが入手出来た。
 それと昨年の鉱物界の話題となった群馬県利根町の珍しい鉱物が出品されていた。館長の見た限り、バナジン鉛鉱や珪亜鉛鉱、緑鉛鉱などが2ブースで売られていた。館長はメラノテック石を購入した。他には佐々連鉱山の苦土カトフォラ閃石も入手。
 ・・・ということで、今回は久々に大きめの紙袋一杯の大量の買い物をした。
また、今回は買わなかったが、甲武信鉱山の方解石は巨大なマッチ箱型の単結晶でビックリ。
これが博物館サイズやなぁ。いずれ欲しくなるかもしれない。

 さて、今回も東京から遠路来られたK2さんやYtさん等多数の石友とお会い出来た。その中でも古くからの石友Tyさんと約二十数年ぶりに、お会い出来たのが嬉しかった。Tyさんとはかつて稼行中の清越鉱山や明延鉱山、大身谷鉱山など多くの産地を一緒に廻った。神戸のご自宅にもよくお邪魔し、石談に花を咲かせたりしたものだ。
今は鉱物趣味から離れておられるが、たいへんお世話になった人生の先輩であり、これを機にまた交流を復活させたいものだ。

日本産新鉱物・新産鉱物の展示
 講演会は加藤先生の「鉱物の化学組成との取組み方」と松原先生の2011年の日本産新鉱物・新産鉱物のお話を拝聴した。昨年は日本産新鉱物の当り年だったようで、なんと5種類も報告された。
 交流会終了後、みやこメッセ内のレストランで今年からスタートした懇親会が行われた。講師の先生方や会館スタッフの他、多数の石友や同好の方々が集い楽しい時間を過ごさせてもらった。

1月14日(土)
標本玉手箱
 益富地学会館の運営委員会で上洛した。委員会は通常は午後からだが、今日は朝から会館のスタッフと有志を対象にした「救護訓練」を消防署で受講した。
 益富地学会館では丁度新しい企画展示が始まっている。以前、この日記で少し触れた滋賀県の故宇野光一氏のコレクション展示である。
宇野氏のコレクションの内、「地学研究」の「標本玉手箱」の1号から亡くなられる直近までのもので、ここまでキチッと残っているものはたいへん貴重である。非常に丁寧に管理されており見事である。標本はこのように整理するんだ、というお手本であろう。是非見に行かれることをお勧めしたい。
 夕刻より会館から程近い居酒屋で、会館関係者の新年会が催され、石談に花が咲いた。気が付けば3時間近く経っていた。酒に弱い館長は酒宴が苦手で、いつも1時間経たないうちに、しんどくなるのだが、石関連の飲み会は時間の経つのが判らない程。楽しい時間を過ごさせて頂いた。

1月8日(日)
恒例! 初採集
 三連休の中日で天気も良いので運動を兼ねて、大阪・千里丘陵へ石拾いに行った。
千里丘陵での初採集は今年で三年目となり、館長の年明けの恒例行事になりつつある。
千里丘陵でオーソコーツァイト(正珪岩)礫や玉髄が拾える露頭は極めて貴重になった。結局、電気石を含む紫色や灰白色のオーソコーツァイト礫数個と褐鉄鉱の塊を1個拾っただけで終わった。

 残念ながら玉髄は全く拾えなかった。去年は何個か拾えたのになぁ・・・。
・・・ということで「館長節目の年」2012年の鉱物趣味がスタートした。

1月3日(
標本ラベル
 師匠から貴重な大江二郎博士のラベルを頂戴したので、アップしました。Ys師匠に感謝。
それとラベルではないが、明治時代の出版社?、泰東同文局標本部の移転ハガキをアップ。本邦鉱物趣味のパイオニアである、長島乙吉先生が金石舎を退社後、独立するまでの一時期、勤めておられたらしい。貴重なものです。

1月1日(日・祝
あけましておめでとうございます!
 皆様、あけましておめでとうございます。
旧年中は「鑛物趣味の博物館」をご愛顧頂き、また館長個人も多くの石友、同好の方々にたいへんお世話になりました。
厚く御礼申し上げます。

 さて、館長は今年で満60歳、即ち還暦を迎えます。企業人としても一旦、定年となります。
10歳から始めた鉱物趣味は丁度50周年となります。まさに記念すべき年ではありますが、趣味人に定年はありません。
これからも「鑛物趣味の博物館」共々鉱物趣味の普及に微力ではありますが邁進して参ります。
何卒宜しくお願い申し上げます。
 
 最後になりましたが、石友の皆様、石を愛する同好・同志の皆様、「鑛物趣味の博物館」のお客様、そしてそのご家族、関係者の方々のご健康、ご多幸、そして石を愛する皆様の「石運」を心からお祈り申し上げます。