鑛物趣味の博物館館長の鉱物日記
 館長の「石漬け」の日々をご紹介して参ります。鉱物採集に行ったこと、ミネラルショーや即売会に行ったこと、同好会の例会に参加したこと、館長の一生の財産である石友の皆さんとの交流、普段の生活での何気ない鉱物との出会い、そして石にまつわるニュース的なことを書き綴って参ります。
館長について・・・幼少の頃(小学校低学年)より石集めを始め、鉱物趣味歴60年超。日本産鉱物標本の収集と鉱物趣味史・大阪府産鉱物研究がライフワーク。「夢」は鉱物博物館。現在、益富地学会館(運営委員)、日本鉱物科学会・大阪石友会・福岡石の会・鉱物同志会・地質学史懇話会・奈良鉱物研究会・吹田地学会、石川県鉱物同好会各会員など石に関するいろんなジャンルの所に顔を出しています。
詳しくはプロフィールのページへ。
2024 2022 2020 2018 2016 2014 2012 2010 2008 2006
2025 2023 2021 2019 2017 2015 2013 2011 2009 2007 2005

2016年12月23日(祝)
「石の花」ラスト
 10年の長きに亘って楽しませて頂いたOaさんの「石の花」も遂に最終回となった。
単なる「即売会」ではなく、情報交歓を重視した「石の花」はまさに画期的な、Oaさんならではの手法であった。
館長は「石の花」のお蔭で、多くの貴重な標本を入手させて頂いた。
標本市場では入手不可能な標本も数多くあり、館長のコレクションもグレードアップできた。Oaさんには感謝しかない。
 さて、館長の「石の花」最後の一品は福島県石川町の鉄礬ざくろ石である。
石川のざくろ石といえば、デカいがテリも少なく黒っぽく、あまり綺麗でないのが一般的であるが、この標本は明らかに違う。
煙色の石英に埋没した、和田峠まではいかないが、山の尾産に近い光沢のある綺麗なものである。
Oaさんにとっても想い出の一品だそうである。
このような標本を次代に引き継ぐ責任を感じる館長であった。

2016年12月4日(日)
リベンジ採集・千早水銀鉱山
 石友のThさんと久々に鉱物採集。
目的地は、2年前に惨敗した大阪府南部の千早鉱山だ。
リベンジ採集であるが、大規模な工事で、昔とかなり状況が変っており、辰砂を含むアプライト質の岩石も激減。花崗岩ばかりである。
それでも辰砂の「超貧鉱」を採集でき、なんとか「ボウズ」は免れた。。
 辰砂以外では、黄鉄鉱と方解石を採集。大阪府産でなければ持ち帰るような代物ではないが、館長にとっては大阪府産は貴重。

2016年12月3日(土)
第三回 関西蚤の市 at 阪神競馬場
 館長の自宅近くにある「阪神競馬場」へヨメと向かう。
目的は競馬ではなく、年に二回開催される「関西蚤の市」である。
西洋アンティークがメインで、館長の好みと若干外れるが、それでも掘り出し物があるかも・・・という期待を込めて参加した。
そこで、見つけたのが「ぎおん石」さんの昔のマッチである。
最近はこのような「マッチ」を見る事も無くなった。
懐かしさも手伝って、300円で購入。
ヨーロッパの鉱物の石版画などを見つけたが購入には至らず。
次回に期待しよう。

2016年12月2日(金)
東京ミネラルショー(池袋ショー)へ
 冬恒例の東京・池袋の「東京ミネラルショー」へ向かう。
今回も高速バス利用の車中泊2日の弾丸ツアーである。
 日本産鉱物の上品は益々貴重となるが、それでも市ノ川の輝安鉱大晶や水晶峠の草入水晶トッコがあった。
いずれも明治時代のものであるが、お値段もそれなりで、欲しかったが断念した。
 結局、和歌山の新産地の自然金(ルーペサイズで細かいが美しさは日本ばなれしている)、妙見山の透明感のある緑電気石、大阪府平尾旧坑の白鉛鉱(平尾では少ない)を購入した。
 会場では偶然、昔、よく一緒に採集に行った(今は鉱物から離れている)Kyさんと再会。しばし昔話に花を咲かせた。

2016年11月19日(土)
2016 大阪自然史フェスティバル
 大阪市立自然史博物館で開催中の「大阪自然史フェスティバル」に行った。
これは概ね2年に1度行われるイベントで大阪周辺の自然愛好団体がそれぞれの活動を披露するものである。
 地学関連の団体は館長が所属する大阪石友会の他に地団研と化石が専門の近畿地学会の3サークルだけである。
寂しいが地学関連の出展サークスはは以前に比べて半分くらいになった。
 フェスティバルを一通り見た後、同館で展示されている国産鉱物標本を見学した。
安部城鉱山の安四面銅鉱、岐阜県谷汲の立派な蛍石、山梨県水晶峠の草入水晶など一級品標本が展示されている。
 

2016年11月13日(日)
コムロさんの即売会に参戦!・・・ルビーシルバーに魅せられて 
 久々にコムロさんの即売会に参戦した。
いつも通りの高速バスでの参戦であったが、往復20時間近くかけて東京での滞在時間、僅か4時間という弾丸ツアーであった。
 今回は手稲鉱山の手稲石や山梨の水晶トッコ、足尾鉱山のラドラム鉄鉱や東北地方の鉱山モノなど多岐にわたっている。
 その中で館長のターゲットは三点あった。運良く、その内の二点をゲットできた。
 一つは生野鉱山太盛本ぴの淡紅銀鉱である。明治20年頃の産出というアンティーク標本である。
館長は生野鉱山の淡紅銀鉱は三点もっているが、今回は小品ながら透過光線なしに鮮やかな紅色を呈するものである。
小さいが外国産にもひけはとらない。
まさに「ルビーシルバー」である。
 もう一点が右のホタル石。なんと珍しい神岡鉱山栃洞産。
とにかく色が鮮やかである。白い方解石とのコントラストは、まるでインドの白い沸石と緑色の魚眼石のようだ。
長年、神岡鉱山に勤務されたKさんも見たことがないそうだ。
次は12月の池袋だ。館長のルビーシルバーに魅せられた旅は続く。

2016年11月8日(火)
昔の鉱物コレクション
 偶然、ある大学に100年くらい前の古い鉱物と化石コレクションがあることを知り見学する機会を得た。コレクションは現在、整理中で、鉱物種と産地のチェックのお手伝いをした。
古い産地が多いので、ここは館長の腕の見せ所である。
 標本は大正時代からのもので、島津製作所標本部、金石舎や岩本、上野製作所などの貴重な古いラベル付き標本が多い。
また、時代を感じさせる立派な木製の雛壇式の木製キャビネットに入っている。
 標本はラベルの文字が見えなくなったり、滅失したりで、産地を調べるのが一苦労である。
 館長が拝見した中では木浦鉱山のスコロド石、生野鉱山の自然蒼鉛、定山渓の石黄、大和水銀鉱山の辰砂が特に見事であった。いずれも今は見る事の無い、古き佳き時代のものだ。
 それとブック型標本も数点あった。その中でも島津製作所標本部の「生徒用鑛物標本108種」はたいへんコンディションの良いものであった。
 また長島乙吉先生の礦物同好会のものと思われる標本もあった。これは今まで見てきたものと異なり、木箱に入り、標本点数も多い。恐らく、個人向けではなく、学校など教育用であったのだろう。
古き佳き時代に、ひと時、タイムスリップした館長であった。

2016年10月8日(土)〜10日(月・
京都ショー2016。館長、久々の清水の舞台からジャンプ! 
 本日から京都ショー。館長は今回もスタッフとして参加した。
今回も多数の来場者があり、スタッフとして結構忙しかったので、全てを見たわけではないが、眼にとまった国産鉱物として、佐渡鉱山の自然金、小坂鉱山の大きな三角銅、変質していない足尾鉱山の藍鉄鉱、巨大な大和水銀鉱山の真っ赤な辰砂など。以前に比べると、良い日本産鉱物はだいぶ減ったが、探せば、まだありそう。
 そして、今回、館長は久しぶりに「清水の舞台」からジャンプをした。
それは「日本式双晶」である。
館長は水晶にはそれほど想い入れが無いが、今回は違った。
とにかく産地が珍しい。輝水鉛鉱で知られる京都府仏性寺鉱山産というから驚きだ。大分県豊栄鉱山産を彷彿させる透明感ある最大1cm程の小さな蝶々が少なくとも5匹(正しくは5頭であるが)とまっている。
しかも傍らに黄銅鉱の結晶まで「オマケ」でついている。
石友秘蔵のコレクションであったが、石友のご厚意で入手できた。
 お値段も良かったので迷ったが、双晶の大御所から「Sさん、あれはエエで・・・」というご意見に背中を押され、「迷ったら買う」の館長のポリシー通り、館長コレクションに収まった。
大御所曰く、京都府最高の日本式双晶との事だが、全国的に見ても一級品だろう。とにかく産地が珍しく、黄銅鉱の結晶が透けて見えるくらい透明度が高い。
 他に新産地の阿仁鉱や珍しい産地の自然金も入手。コレクション減量に務めている筈の館長だが、今回はそうも行かなかった。
 さて、今回の特別展示は九州大学の鉱物コレクションである。
日本三大鉱物コレクションの一つ、九州大学の高壮吉コレクションをメインに木下亀城標本やマンガンの吉村豊文標本を加えた豪華な展示である。
高壮吉コレクションの巨大な磁鉄鉱結晶や足尾鉱山の燐灰石、尾平鉱山の斧石、ピンク色透明感ある蛍石など国宝級コレクションは見事であった。
館長も和田維四郎標本の展示で協力させて頂いた。かつて「開運なんでも鑑定団」に出品して高評価を得たコレクションである。また、館長の石友、無名会の浜崎健児さん所有の貴重な和田維四郎の稀覯本コレクションも展示された。このような貴重な資料を一堂に見られるケースは稀である。

2016年9月18日(日)
あと2回となった”石の花”
 10年間に亘って楽しませてもらったOaさんの石の花も名残り惜しいが、フィナーレが近づいた。今回は西日本産鉱物の割引セールである。
館長は小さな田原のホタル石を購入した。いよいよ次回がラストだ。

2016年9月3日(土)
珍品・東京鑛物研究所のカタログ 
 ヤフオクを見ているとブック型標本が目に止まった。三点で3,000円。
他に応札者が居ないようなので、入札すると競合無く、そのままスタート価格で落札できた。
安価ではあったが、内容的には珍しいものではない。
只、このまま埋もれてしまうのも残念だし、比較的コンディションが良さそうなので、とりあえず入手した。
本日、標本が届いたので、中を開けてビックリ。何と「東京鑛物研究所」の写真入りカタログや挨拶文が入っていた。これは館長初見である。
標本も大事だが、これも後世に伝える価値は十分にある。

2016年7月24日(日)
益富地学会館 財団法人25周年記念祝賀会
 益富地学会館が財団法人となって25年。早いものである。
その記念祝賀会が京都ブライトンホテルで行われ、館長は「大阪石友会」を代表して出席した。
 会館の関係者約70名が出席。前半は祝辞や永年功労者表彰が行われ、大野照文先生による講演が行われた。
 館長は昭和47年(1972年)に日本礦物趣味之会に入っているので、会館とは44年のお付き合いとなる。当時20歳。大学1年生であった。
後半は祝賀会が催され、多くの方々と交流することが出来た。


2016年7月2日(土)
嬉しいプレゼント
 益富地学会館の運営委員会で上洛した。
 委員会の開会前に同じ運営委員のMさんから六甲山系産の輝水鉛鉱を頂いた。 
花崗岩質の母岩に輝水鉛鉱がベタッと付いている良品だ。
採集されたポイントも聞いたが、館長の自宅からそんなに遠くないので、一度調査してみようと思う。
貴重な標本を恵与頂いたMさんに感謝。お陰様で、宝塚、神戸、西宮のローカルコレクションも充実してきた。
 さて、六甲山系の輝水鉛鉱については「宝塚鉱山」という鉱山名がある文献に載っていたが、白神先生もご存知なかった。
町名は西宮市で、場所を考えると、どうも「?」である。只、神戸市の有馬近辺でモリブデンを試掘していたとも仰っていた。
 一方、「有馬鉱山」という名称でタングステンやモリブデンを採掘した鉱山もあったようで、こちらは標本が残っている。
白神先生から伺った試掘坑は有馬鉱山のことかも知れないが、今となっては確かめようがない。
知る人ぞ知る船坂鉱山のタングステン鉱や宝塚の幻のモリブデン試掘坑など六甲山系にはこの手の話が多い。

2016年6月30日(木)
真田丸と三波川帯 
 多忙な6月の締めくくりは半ば恒例化したヨメとのバス旅行である。
今回も格安ツアーの案内が来たので会社を休んで参加することとした。
目的地は大河ドラマでフィーバー(ちょっと古い表現か?)している和歌山県の九度山。真田昌幸・幸村親子が関ケ原の戦いで敗れて蟄居させられた場所だ。
街中、至るところ、真田丸だらけだ。
NHK大河ドラマは町おこしには千載一隅のチャンスだろう。

 さて、館長は今回も石との出会いを求めたが、流石、三波川帯。至る所、結晶片岩だらけだ。
紀ノ川に合流するあたりの川床に見事な結晶片岩の大岩があったので写真に収めた。このあと和歌山城へ行ったがここも結晶片岩だらけ。

2016年6月25日(土)
名古屋ショー
 名古屋ショーは例年8月の終わり頃に開催されているが、今年は会場の改装の為、6月開催となった。今月は出張で既に名古屋へ2回来ているので、何と一ヶ月で3回目の名古屋入りとなった。
 10時オープンで30分前に会場に着いたが、既に長蛇の列となっていた。
名古屋ショーはアマチュアの出品が多く、日本産鉱物が多数出品される。
今や、この名古屋ショーと飯田橋のミネラルマーケットが国産鉱物の二大ショーといえる。館長は益富地学会館のテーブルを手伝いながらのショー見物となった。益富のテーブルの隣は福岡石の会。HkさんとYさんとは久しぶりだ。
 会場の特別展示は猪飼コレクション。逸品揃いだが、特に生野鉱山の巨大なホタル石群晶は今まで数多見てきたコレクションの中で最高のものだった。これは喉から手が出る標本だ。
 館長の成果は熊本県松橋のサフィリンの良品、やっと手に入った滋賀県石子山のアマゾナイト、和歌山県串本のラウリオン石と曹鉄石、福島県蛍鉱山のゼリー菓子のような綺麗なホタル石、生野鉱山の明治15年頃のホタル石結晶等々。
こんなに石を買ったのは久しぶりだ。コレクション減量に注力している筈の館長だが、なかなか思うようにはいかんなぁ。それでも石は集まる。

2016年6月22日(水)
愛知出張で見つけた! 
 本日は出張で愛知県刈谷市まで来た。
名古屋駅で下車し、在来線へ向かうと通路に貼ってある二枚のポスターが館長の眼に入った。
 鉱山の坑道らしき場所にトロッコ、ヘルメットとヘッドランプを付け、石を持ってほほ笑む二人の美女・・・これは観光鉱山ではない。
これは観光ポスターではあるが、我々鉱物ファンにとっては硫砒鉄鉱の古典的名産地、愛知県稲目鉱山である。現役の鉱山がこのように取り上げられることは稀であろう。
 稲目鉱山は現在、セリサイトを目的に採掘され、ファンデーション(化粧品)原料のシェア50%を誇る現役鉱山だ。
館長もかつて訪れて、硫砒鉄鉱の母岩付きやや輝安鉱の団子を採集させてもらった思い出がある。

もう一回、稲目へ行きたいと思った館長であった。

2016年6月19日(日)
石の花
 鉱物コレクターを楽しませて頂いた「石の花」も間もなくフィナーレを迎えるとの事。何と10年間に亘り、年4回、約40回である。
ここまで続けてこられたOaさんはほんとにスゴイと思う。尊敬と感謝である。 館長の喫緊の課題である、コレクションの行く末問題にも多くのヒントを頂いた。
 お陰様で「日本一」といえる逸品標本や標本店やネットでは絶対入手不可能な優良標本、珍品稀産標本を多数館長のコレクションに迎えることができた。
本日は握り拳大のペグマタイトに付くホタル石の良品をゲットした。ペグマタイトの表面は広く茶色の菱沸石に覆われている。
標本だけでなくインターネットや書物では得られない情報をや標本の見方や鉱物コレクションはかくあるべしということも教えて頂いた。
出来れば、まだまだ続けてほしいものである。

2016年6月12日(日)
大阪石友会総会
 昨日の益富地学会館の運営委員会に続いて、二日連続のイベントである。
大阪石友会の総会であるが、長居公園の大阪市立自然史博物館に着くと70分待ちという長い行列が出来ていた。
 特別展「生命大躍進 −脊椎動物のたどった道−」の入場を待つ行列であった。
そのすごい人気に館長もビックリした。
さて、石友会は創立50周年を迎えて、岐路に立っている。
本日の総会であらたな形で再スタートすることとなった。 総会の結果、会長無しで世話人数名で運営することとなった。東京の無名会と同じ運営方法である。
館長は50周年記念誌で力を使い果たしたので、一線を引くつもりでいたが、そうも行かなくなった。
 また、館長の尊敬する元会員(故人)の奥様から標本提供があったが、良品揃いであった。残念ながら館長は籤運の悪さが健在で、悉く外してしまった。
本日出席した会員諸氏はたいへん幸運であった。

2016年6月4日(土)
館長、初出展 ミネラルマーケットの一日 
 東京二日目は飯田橋のミネラルマーケットである。
今年は出展者としての飯田橋デビューである。180mm×45mmというテーブルの大きさは、個人出展者としては大きい。かなりの数の標本を用意せざるをえなかったので、オープン直前で、ようやく完了。
今年もかなりの参加者で賑わった。
ティール鉱母岩付、東山ケ野の自然金、豊羽鉱山白鉄鉱美晶など他のテーブルではなかなか見られない標本を販売。お陰様で目標販売額を達成。
ご購入頂いた皆様方、有難うございました。
もし、来年も出展できた際には宜しくお願い致します。
 ミネラルマーケットが終わった後、急いで撤収し、鉱物ファンの集まり「新宿ミーティング」へ。以前は数名から十数名のコアなマニアの集まりであったが、今は多士済々である。普段、なかなかお話する機会のない方々とも交流を深められた。
密度の高い二日間に大満足の館長であった。


2016年6月3日(金)
東京国際ミネラルフェア・新宿ショーへ
本日から新宿ショーである。いつも通り、早朝、高速バスで東京到着。
時間を潰した後、ミネラルショーの会場に着くと既に入場が始まっていた。
 会場に入って、一通り見て廻ったが日本産鉱物の逸品には巡り合わず。
里帰り標本もこれといったものは無く、今年も成果は厳しい。
そのような中、木浦鉱山産の綺麗なチロル銅鉱があったので購入。
かなりの良品で値段も安く、お買い得であった。これは館長のお気に入り標本になりそうだ。他には某出展業者で和歌山の手稲石が多数出品されていた。
岐阜県大湧鉱山の自然金分離結晶もあったが、特に気が付かれなかったみたいで、ずっと残っていた。
残念なことは館長が最も懇意にしている標本屋さんが出展されず少々ショックであった。
結局、一日中、益富地学会館とO標本店、T標本店の間をウロウロ。忙しい中、館長の話相手をして頂いたFさん、Sさん、Tさん、Kさん、Iさんに感謝。

2016年5月15日(日)
地質の日(5月10日)に「県の石」発表される 
 本当は5月10日の日記に書かなければならなかったのだが、5月10日は「地質の日」であった。
 産総研のHPによると「5月10日は、明治9(1876)年、ライマンらによって日本で初めて広域的な地質図、200万分の1「日本蝦夷地質要略之図」が作成された日です。また、明治11(1878)年のこの日は、地質の調査を扱う組織(内務省地理局地質課)が定められた日でもあります。」という地質学にとっては記念すべき日である。
 そして、今回、その地質の日に合わせて県の石が発表された。
http://www.geosociety.jp/name/content0144.html
 滋賀県のトパーズや山梨の日本式双晶、愛媛県の輝安鉱、京都府の桜石など順当なところである。
 館長の個人的視点(好み?)からは、「こっちの方が・・・」というものも全く無いわけではないが、「県の石」が公に決められたことは、たいへん意義深い。
 県の花や木、県の鳥などがあるのだから、県の石があって当然だと思う。
尚、「都道府県の鉱物」についてはアマチュア(鉱物マニア)の視点で、かつて「地学研究」誌上で案として出されている。
 さて、館長の出身地でありフィールドである大阪府であるが、岩石は和泉砂岩、鉱物はドーソン石、化石はマチカネワニが選ばれた。
いずれも納得の選定だ。写真右上がドーソン石、写真左下が和泉砂岩である。
 和泉砂岩は他の砂岩に比べて青〜緑色味を帯びているのが特徴だ。これはシャモス石という緑泥石グループの鉱物を含む為と云われている。
 ドーソン石は、今でこそ各地で産出しているが、国内で大阪府で初めて見つかったもので、現在も和泉層群で比較的よく見られる。この「よく見られる」というのも県の鉱物の条件かと思う。
マチカネワニは大阪層群から発見されたもので、発見者は我が大阪石友会の当時の会員OさんとHさんである。
https://www.museum.osaka-u.ac.jp/jp/exhibition/3F/wani.html

2016年5月11日(水)
神戸国際宝飾展
 仕事関係の展示会の主催団体から展示会の招待状が届いた。
「神戸国際宝飾展」の招待状である。
 仕事も一段落ついたこともあって、展示会初日の午後、半休を取り、久しぶりにポートライナーに乗って会場の神戸国際展示場へと向かった。
 会場は4会場に分かれており、出展社数はなんと570社!
ミネラルショーより格段に規模が大きく圧倒された。
 会場に入ると、大阪ショーや京都ショーで見かける業者さんが何社か出展されていた。
親しい業者さんが居たので、声をかけるとビックリされた。
 まさか、鉱物マニアが来るとは思わなかったようだ。ちょっと世間話をした後、会場を巡る。
 カットされたものだけでなく原石もいくらか出品されていたが、殆ど水晶の類であった。
レアストーンも多くあり、中には尾平鉱山のホタル石や岐阜県苗木のトパーズなどの国産鉱物のカット石もあった。
このようにカットすると外国産にもひけはとらない。ホタル石は軟らかい上に劈開があるので、カットは難しいだろうな。
 美しいルビーを見つけ、愛妻家(恐妻家?)の館長はヨメに買ってやりたいなぁと思ったが、ゼロが二つほど多く断念。まぁ、この気持ちだけで満足してもらおう。
 とにかくこんなに沢山の宝石に囲まれたのは53年のコレクター人生で初めてだ。また次回も来たいと思う。
宝石の美しさと出展者、来場者の多さに圧倒されつつ、大いに癒された館長であった。

2016年4月29日(祝)〜5月1日(日)
大阪ショー
 「石ふしぎ大発見展・大阪ショー」に今回もスタッフとして参加した。大阪ショーも今年で22回目。早いものである。
 ゴールデンウィークの初日はなんとオープン前に800人もの行列が出来た。これは過去最高らしい。
残りの二日間も思った以上の来場者であった。
 初日に小学校時代の同級生で、理化学機器の会社を経営しているYs君が来てくれた。Ys君は仕事柄、鉱物にも造詣が深く、短い時間ではあったが鉱物談義を楽しんだ。
他に元石友会会員で大阪府の鉱物産地の再発見に尽力されたKhさんも来場され、Oaさんも交えて昔話に花が咲いた。
 館長は例年通り、益富地学会館コーナーを担当したが、委託標本も扱っており、多くの皆さんにご購入頂いた。
 桜石は益富コーナーではいつも人気商品だ。スタッフも桜石の説明が一番多いのではないだろうか。益富コーナーの標本は京都ショーに比べてやや少なめではあるが、なかなか粒揃いであった。
 休憩時間に足早に会場を見て回る。メイン会場はかなりの混雑だ。
 今回の館長の一押し標本は、島根県松代鉱山の球状の霰石。(写真左)
松代鉱山の霰石は銘柄標本ではあるが、そこそこの産出量があったので標本市場でも偶に見るが、今回のものは超弩級の大きさであった。
径がなんと30cm。かなり重い。出来れば、博物館に収まってほしい標本だ。

 他には国産標本では静岡県池代鉱山の轟石の良品やオイル入りの水晶(これは珍しい)、館長初見の兵庫県大東鉱山の自然金(小型だが美品)、乙女鉱山の見事なライン鉱(ほぼ完全に灰重石の結晶の形が残っている)、岡山県美袋の立派な脈性トパーズ、見事な福島県産ユークセン石などがあった。
 今回はコレクション減量中の館長が久々に標本を購入した。
青森県尾太鉱山産の菱マンガン鉱だ。(写真右)
尾太鉱山の菱マンといえば葡萄状のものが余りにも有名であるが、これは10cmほどの白水晶の結晶表面に淡いピンク色ローゼット状の菱マンが一面に付いた実に美しい標本であった。
傍らの水晶が途中で欠損して、若干のウィークポイントがあるものの安価に購入できた。
もし、ウィークポイントが無ければ数倍くらいするかも・・・。
久々にお気に入り標本を購入して、ご満悦の館長であった。

【予告】
館長が6月4日(土)東京・飯田橋で開催されます「ミネラルマーケット・2016」に出展致します。
同好の皆さんとお会いできることを楽しみにしております。

2016年4月10日(日)
石川県鉱物同好会総会へ
 先月、旅行で来た金沢へ今月もまた来ることとなった。
石川県鉱物同好会の総会である。以前は、出張で金沢へ来る機会もあったが、最近は全く無くなった。その意味でもこの総会は貴重な機会である。
14名が出席した総会では役員の改選が行われた。標本の配布では館長もちょっとだけ協力させて頂いた。
また、会員自慢の標本展示も行われたが、特に尾小屋の紫水晶の群晶(これを採集したというからすごい)や緑鉛鉱(有名な紫色のものではなく、美しい緑色)は流石、地元の方々の標本である。
総会は定刻通り進行し、終了後、前回の旅行で買い忘れた金沢名物の「きんつば」を求めて金沢駅へ。
有名な中田屋の「きんつば」と探していた「蒸しきんつば」を発見。きんつば大好きの館長であった。

2016年3月27日(日)
「石の花」へ
 Oaさんの「石の花」である。10年間続いてきた「石の花」も残すところあと僅かとの事。寂しさを感じる
 今回のテーマは「関東地方の鉱物」。河津鉱山のテルルや高取鉱山の菱マンガン鉱、玄倉の燐灰石などの良品が出品された。
今回ももっぱら眼の保養と同好の皆さんとの石談義に終始した。
 ずっと欲しいな・・・と思っている標本があるが、今回も指をくわえて見ていた。いつかはこの石をゲットしたい館長であった。
 「石の花」の後、あるベテラン鉱物コレクターのお宅を訪問した。
そこで見たものは・・・。
逸品標本を多数見てきた鉱物趣味歴53年の館長を飛び上がらせる驚愕の標本に出会ったのであった。

2016年3月23日(水)〜24日(木)
蛍石の名産地・宝達山を横目でみながら憧れの「加賀屋」へ
 館長家毎年恒例のバス旅行で北陸へ行った。例年よりちょっと早いが、今回の目的は「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で36年連続日本一を誇る、あの和倉温泉の名旅館「加賀屋」である(写真下)。館長憧れの旅館だ。
鉱物日記なので、割愛するが、評判通りの素晴らしい宿であった。
また、是非訪れたいと思う。
 今回はバスツアー会社のモニターツアーということでかなり格安で宿泊出来た。宝塚から乗車し、名神高速を経て北陸路に入る。
 バスは能登半島に入り、途中、蛍石の名産地、宝達金山で知られる宝達山が右手に現れた。(写真上)
蛍石では尾平・豊栄、五十島とともに古典名産地であろう。
必ず、宝達山の蛍石を採りにくるぞ・・・と誓った館長であった。

2016年3月12日(土)
トークショー
 京都大学総合博物館で「鶴田憲次と大野照文の語り合い」が開催された。副題は「二人のアクティブラーニング、半世紀の軌跡」である。
お二人は共に50年以上に亘って鉱物・化石の世界で活躍されてきた。
鉱物と化石趣味の出会いから今日までのお話しを2時間に亘って拝聴した。
 その中で興味深かったのは、お二人の出会いである。京都の双ヶ岡で偶然出会われたが、館長もこの双ヶ岡で石友YKさんと昔、偶然出会ったのだ。鉱物産地としては趣味家が滅多に訪れない場所だ。
双ヶ岡は趣味家を結びつけるパワースポットかもしれない。
 トークショー終了後、博物館を見学した。2014年の「地の宝」で観覧者の度肝を抜いた市之川鉱山の大型輝安鉱群晶が展示されていた。他の逸品標本もいつの日か常設展示してほしいと願う館長であった。

2016年2月28日(日)
大阪石友会室内例会
 久々の大阪石友会の例会である。創立50周年まで来たが、ここ数年、活動が停滞している。100人くらいの会員が在籍しているが、例会の出席者は10名程。幽霊会員が多いのかなと思う。寂しいかぎりである。
最近、ある有力鉱物趣味同好会が閉会すると聞いた。熱心な壮年期の会員が多く居る会だけにすごく意外であった。
産地の枯渇、趣味の多様化、会員の高齢化・・・石の趣味自体は年齢層も広がり活発だと感じているので、これも時代の流れか・・・。
例会ではTa会員による北摂の鉱山についてのお話しがあった。
そういえば館長も採集に行ってないよなぁ。

2016年1月31日(日)
益富地学会館・新春交流会へ
 新春恒例の益富地学会館の交流会に今年も参加。昨年同様、友人のTyさんと共に標本を販売。
標本の減量を進めている館長はマイコレクションから数点出品した。
ズッシリと重い(重さが判ること自体が凄いと思うが)中瀬鉱山の見事な自然金、超珍品の岐阜県大平鉱山のリボン状自然金、乙女鉱山のライン鉱結晶母岩付、水晶山の大き目のタレン石結晶、崎浜の紅電気石(小さいが美しい結晶。母岩付!)など。