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館長の「石漬け」の日々をご紹介して参ります。鉱物採集に行ったこと、ミネラルショーや即売会に行ったこと、同好会の例会に参加したこと、館長の一生の財産である石友の皆さんとの交流、普段の生活での何気ない鉱物との出会い、そして石にまつわるニュース的なことを書き綴って参ります。 |
館長について・・・幼少の頃(小学校低学年)より石集めを始め、鉱物趣味歴60年超。日本産鉱物標本の収集と鉱物趣味史・大阪府産鉱物研究がライフワーク。「夢」は鉱物博物館。現在、益富地学会館(運営委員)、日本鉱物科学会・大阪石友会・福岡石の会・鉱物同志会・地質学史懇話会・奈良鉱物研究会・吹田地学会、石川県鉱物同好会各会員など石に関するいろんなジャンルの所に顔を出しています。
詳しくはプロフィールのページへ。 |
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2014年12月31日(水)大晦日です。
2014年の御礼 |
早いもので2014年の最終日です。
この一年間、「鑛物趣味の博物館」及び「館長の鉱物日記」をご愛顧頂きありがとう有難うございました。
さて、この日記もなんと足掛け10年になりました。段々と採集頻度も少なくなり、活動範囲も狭くなって、読者の方には物足りなくなってきていると思いますが、頑張って参りますので、来年も宜しくお付き合い下さい。
それでは、皆様、良い年をお迎え下さい。 |
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2014年12月30日(火)
ちょっと早目のお年玉 |
先週の「石の花」で今年の砿物趣味活動も終了・・・と思ったら、鉱物同好のFfさんからプレゼントを頂戴した。
館長が「ルビーシルバー」に魅入られているのをご存じで、館長初見の福島県松川鉱山の濃紅銀鉱と水晶山の日本産新鉱物である「岩代石」を頂戴した。
松川鉱山は初めて聞いた鉱山であるが、鎌倉時代に発見されたという程の古い鉱山で終戦直前の金山整備令の中でも生き残った金銀鉱山である。やはり、濃紅銀鉱のギラっとした光沢は何とも言えない。
もう一つの岩代石もかなり珍しく入手困難な鉱物で、館長の欲しかった標本である。
このような素晴らしい標本を頂戴したFfさんに感謝致します。 |
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2014年12月23日(火・祝)
館長、「清水の舞台」から今年最後の大ジャンプをする |
本邦トップクラスの標本というものは一生のうちで、そう何度も入手の機会があるわけではない。今日はその機会が巡ってきたのだ。
本日は今年最後のOaさんの「石の花」。
館長にとってまさに激動の2014年の締めである。
悲しいことや嫌なこと、腹の立つことが多かった2014年であるので、出来れば最後は少しでもハッピーに終えたい。
本日の「石の花」は北海道産鉱物特集で、Oaさんご自慢の標本が出品されるのだ。 |
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豊羽鉱山の珍しい辰砂や毛鉱、磁硫鉄鉱結晶、輝銀鉱大晶、ダイヤフォル鉱、稀産鉱物である洞爺鉱山のゲッチェル鉱、勝山鉱山の大型の重晶石、稲倉石鉱山の菱マンガン鉱(いわゆる積丹ルビー)、古典標本の定山渓の石黄など実に多彩な出品だ。
しかし何といっても、目玉標本は豊羽鉱山のティール鉱だ。
市場では分離品が多いなかで、約8cm大の母岩に光沢の強いティール鉱が無数に付いている豪華な標本。最大1cm近い結晶も付いている。
国宝級標本といっても決して過言ではない。
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さて、「いくらで入札するか・・・」思い悩む。仕事でもここまで悩まないだろう。
いつも入札する時は、「取れればOK」くらいの軽い考えでサッと決めてパッと入札するのだが、今日は本気モードである。落とせなかった時のダメージも大きいだろう。
そして、熟慮すること30分。館長の腹は決まった。11時に開札が始まり、運よく館長が落札した。
普段であれば入手した喜びとお金が出ていく不安で複雑な心境になるものだが、今日はこの標本が入手出来た喜びが圧倒的に強く、ひじょうに爽やかな気持ちだ。やっぱりトップクラスの標本のご威光は凄い。
館長のコレクションに新たな「顔」が出来たが、「清水の舞台」から今年最後の大ジャンプをして、心も財布も軽くなった館長であった。 |
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2014年12月14日(日)
“教授を魅了した大地の結晶” 大阪市科学館へ |
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全国の博物館を巡回展示されている故北川隆司教授(広島大)のコレクション展「教授を魅了した大地の結晶」が漸く大阪へ来た。
場所は大阪・中之島にある大阪市科学館である。(写真左)
北川先生が長年にわたり収集された約2000点の鉱物標本の内の200点で、色や結晶の綺麗な大型の外国産大型標本が多い。
チラシを見る限り館長の好きな国産マニア向け標本は少ないようだったので、国産古典派の館長は軽い気持ちで観に行った。
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しかし実際に観るとその予想は良い方に外れた。
確かに外国産の鉱物が大半であるが、その中に館長を唸らせる国産鉱物の逸品が少なからずあった。
例えば、最大径30cm(目測)に及ぶ超大型の松代鉱山の霰石(今まで館長が実物を見た中では一、二を争う大きさ。欠けも少なく見事!)、珍しい産地の新潟県草倉鉱山のズングリした黄銅鉱の大型単結晶、尾平鉱山の硫砒鉄鉱の典型的な柱状結晶群晶、鳥取県岩美鉱山の赤銅鉱結晶群、広島県呉市産の大型煙水晶(単晶とトッコ)など、なかなか見事なものであった。 |
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特に霰石と黄銅鉱は館長お勧め。コレクター必見である。
他に尾平の斧石、市之川の輝安鉱、石川山の電気石や柘榴石などの定番標本もあった。
このような貴重なコレクションは是非、常設展示してもらいたいものだ。
さて、大阪市科学館は今回初めて訪れたが、常設の鉱物の展示も意外に多かった。これは鉱物ファンとしては嬉しい。
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勿論、我々マニア向けの標本ではないが、これで一般の方々が鉱物に関心をもって貰えば嬉しい限りである。
科学館では科学が実際に実験や実物を通して楽しく体験できるようになっている。
こういうのを積極的に体験したら子供たちの理科離れも防げるのではないだろうか。
童心に帰って遊んでいた館長であった。 |
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2014年12月5日(金)〜6日(土)
東京ミネラルショー(池袋)へ |
年末恒例の池袋ショー(東京ミネラルショー)である。
ルビーシルバーと大阪府産鉱物(難しいが、名古屋ショーの『奇跡』もあるので)、そして国産古典鉱物標本を探す旅である。
今回のショーの目玉は、初日オープン直後に完売したが、滋賀県田上山N晶洞の巨大なトパーズの結晶である。一般に売っているものとしては館長が見た最大のものだ。重量、なんと3kg以上。お値段も、もうちょっとで7桁という金額だ。トパーズで眼の保養をさせてもらった館長は早速、国産鉱物を探すこととした。
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まず、古典標本は何といっても「里帰り標本」だ。里帰り標本がよく出品されるUSAの二業者を最初にチェックする。
残念ながら偶に珍品が出るP社は今回は日本産鉱物は無し。
大手鉱物ディーラーであるK社も市之川の輝安鉱や乙女の日本式双晶、赤谷の自然砒、尾平の斧石など定番モノが中心。
残念ながら館長の欲しいものは無かった。
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もう一つの館長のターゲットであるルビーシルバーはあるテーブルで生野鉱山産濃紅銀鉱というラベルが付いたものを見つけた。
ルーペでチェックしたが、光を透過するくらい色が淡すぎる。しかもよくよく見ると黄粉銀鉱らしきものが付いている。これは淡紅銀鉱であろう。これはお買い得であった。
また、同郷のTさんから国産の輝銅鉱の結晶標本(これは珍品!)を、Hさんからは珍しい産地のたいへん綺麗なブロシャン銅鉱を頂いた。御両人に感謝。
会場をウロウロしていると、背後から「Sくーん」と呼ばれた。驚いて振り返ると、小中学校時代の同級生で、現在は大阪で科学機器の会社を経営しているYs君であった。このような場所で会うとは・・・。暫し、昔話に花を咲かせる。
Ys君の会社では岩石の粉砕機を製造販売しているので、ミネラルショーで会うことも納得。
加藤昭先生の講演を拝聴したり、各地の同好の方々と交流の機会をもったり、立ち寄ってくれた東京在勤の会社の同僚とお話ししたり・・・と中身の濃い二日間であった。
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2014年11月29日(土)
地の宝 再び |
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いよいよ京大総合博物館の特別展「地の宝」も明日まで。
本日は産総研地質標本館の元館長、豊(ぶんの)遥秋先生のご講演がある為、上洛した。
丁度、紅葉のシーズン。雨模様にも関わらず、京都は多くの観光客で賑わっている。
豊先生のご講演は京大コレクションの素晴らしさを市之川鉱山の輝安鉱を例に世界各国の著名博物館の標本と比較しながら説明された。
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京大コレクションの素晴らしさは旧制三高、京都帝國大学にまで遡る長い歴史、比企忠(ひきただす)先生の努力、そして何より、京都に在った為、戦災(直接の被害や『疎開』が無い)や震災の影響が無いのだ。
講演後、見納めに展示標本をもう一度、じっくりと拝見する。
このような見事な標本の一部でも良いので、常設展示される事を願って止まない。 |
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2014年11月22日(土)
再び、ルビーシルバーに魅せられて・・・ |
コムロさんの「日本産鉱物即売会」に参戦する為、上京した。
今回は時間と予算の関係で安い高速バスにしたので、いつものバスに比べて疲れているのが判る。余裕をもって東京駅を出発したのに大手町まで結構時間がかかって白山にはギリギリセーフ。
さて、今回の即売会の目玉標本は花岡鉱山の「国宝級」砒四面銅鉱や佐山鉱山大山ひ産の綺麗な閃亜鉛鉱等々。珍品は台湾瑞芳鉱山の自然金。
いずれも予算があれば是非欲しい逸品である。しかし、そんな逸品にも目もくれず館長の目的は「ルビーシルバー」だ。第一目標は秋田県院内鉱山の殆ど銀鉱物(輝銀鉱やポリバス鉱、脆銀鉱等)からなる超高品位鉱石の中に入っている5cm大の濃紅銀鉱脈だ。明治〜大正年間の貴重な標本である。
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前回の院内鉱山特集の時には館長は生野鉱山の濃紅銀鉱狙いであったのでパスした。今回が人生最後のチャンスだろう。
いつも通り9時前になるとお馴染みの面々が続々集結。今回は三連休の影響だろうか、いつもより若干少な目の18名。
9時になり、標本選定順の抽選(ドラフト会議)が始まる。
しかし、参加者が若干少な目とは言え、第一希望や第二希望をゲットしようと思ったら、一桁、出来れば上位に入らないと難しい。籤運が異常に悪く連戦連敗(全敗!)の館長としては、実に気の重い時間だ。
とにかく今まで最下位も経験したし、大体20位以下だ。最高でも半分の位置にも届かない。
さて、今回の結果は・・・?。やっぱりなぁ・・・。後ろから数えた方が圧倒的に早い15位。今回もジンクスは守られた。
手ぶらで帰らなアカンのかぁ・・・。そして、無情にも館長の順番が来た。いつも通り?力なく店内に入る。
目玉標本が入ったガラスケースに目をやる。まだあったぁ!何で?
館長のドラフト1位の院内の濃紅銀鉱が館長に向かって鎮座しているではないか。
今まで釈迦内の砒四面銅鉱(これはデカすぎて嫌われたか)、奥山の海綿状自然金(小さすぎて嫌われたか)、生野の濃紅銀鉱(皆さんの関心は院内産へ)・・・と籤運最悪の中で一応、目的標本の一つをゲットしてきた悪運がまた発揮された。
かなり館長の好みや関心が皆さんと乖離しているようだ。喜んでいいのか、悲しんでいいのか判らん。
そしてフリータイムに入る。皆さん思い思いの標本を買っている。館長はルビーシルバーに拘って、下見タイムの時にチェックしていた千歳鉱山の淡紅銀鉱を購入。表面に実に淡紅銀鉱らしい上品な色合いの同鉱が付着している上品であった。
帰ってから標本の裏面をチェックしたら2.5cm角の範囲にルビーシルバーがベッタリと付いていた。これは嬉しい。良い買い物であった。
他に新潟県五十島鉱山のホタル石を購入。平均1.5cm、最大2cmの緑色立方体結晶からなる良品だ。今まで入手した中では一番良かった。五十島鉱山のものも、ちゃんとした標本を探そうと思ったら、案外無いのだ。
・・・という事で館長の長いようで短い弾丸ツアーの一日は終了。再来週には池袋ショーで、また上京しないといけない。
慌ただしく暮れを迎えようとしている館長であった。館長の「ルビーシルバー」に魅せられた旅は続く。 |
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2014年11月16日(日)
大阪自然史フェスティバル |
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大阪長居の大阪市立自然史博物館で開催されている「大阪自然史フェスティバル」に参加した。この催しは不定期に行われているもので、関西周辺の自然関係のサークルや博物館などが日頃の成果を披露するものである。
地学関係は我が益富地学会館と大阪石友会、地団研さんなど五団体くらいが参加していた。益富地学会館のコーナーでは各地の砂(サハラ砂漠、オーストラリア、鳥取砂丘、鹿児島、沖縄の星砂など)を観察するイベントを行った。
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益富地学会館の隣が地団研さんで大阪周辺の岩石標本を作るイベントを行われていた。館長は大阪府三島郡島本町の赤褐色のチャートを頂いた。
中に薄く二酸化マンガンが入っており、光沢がある。アフテンスク鉱か轟石だったら嬉しい。今度、マンガン鉱物の専門家に見てもらおう。 |
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2014年11月8日(土)
地の宝 |
本日は益富地学会館の運営委員会であるが、その前に午前中、京都大学総合博物館で開催中の特別展「地の宝」を見学に行った。
これはかつて「石ふしぎ大発見展」で一部を特別展示された事もある旧制三高以来の京都大学秘蔵のコレクションの展示であるが、今回は数百点の大展示だ。しかしこれでも京大標本のごく一部である。
当時(100年前)の比企忠(ひきただす)教授が中心となって収集された見事なコレクションであるが、特に京大標本は保存が良い。
とにかく東大の和田維四郎、若林弥一郎、九大の高壮吉と立派なコレクションを残すにはこのようなキーパーソンが必要ということですな。
本日は午前中、京大の下林典正先生の講演があり、終了後参加者全員、先生直々のガイド付きという豪華版であった。尚、実はこの展示会では館長も展示協力させて頂いている。
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ご参考までに館長推薦の標本を列挙させて頂くと・・・
鳥取県藤屋産紫水晶、兵庫県多田鉱山産赤銅鉱(これは珍品)、兵庫県生野鉱山産蛍石群晶、石川県倉谷鉱山産毛鉱、同 黄鉄鉱、秋田県太良鉱山産方鉛鉱、鹿児島県芹ケ野産自然金(これは見事!)、山梨県乙女坂産マネバッハ式双晶(左右のバランスが驚異的)、山梨県金峰山産ベリル、山梨県小尾八幡産燐灰石、島根県大森鉱山産菱鉄鉱など多数。
とにかく鉱物コレクター必見である。 |
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2014年10月26日(日)
高師小僧を求めて |
先日、仕事で大阪の北摂を移動している時、車窓から遠くに工事中と思われる大きな崖(カット面)が見えた。「オッ!これはエエ露頭や!何かあるぞ!」
館長の頭の中はたちまち「仕事モード」から「石屋モード」に切り替わった。間違いなく大阪層群だ。
帰宅して、すぐに石友の“高師小僧ハンター”ことTaさんに連絡を取る。流石、Taさんだ。既にその場所はチェックしていた。
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但し、まだ現地へ行ったことがないとの事で急遽、一緒に調査に行くこととなった。 このような場所は宅地造成等工事現場であることが多く、日々状況は変わる。あっという間に露頭が無くなる可能性があり、一刻も早く行かねばならない。Taさんと約束の日は待ち遠しい。 そして、待ちに待った日が来た。最寄りの駅で待ち合わせて現地へ向かう。結構な距離である。
幸い車窓から見えた大きな露頭は残っていた。造成工事の現場であった。
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早速露頭を観察する。鬼板の層はあったが、残念ながら高師小僧は見つからず。サンプルとして小さな質の悪い鬼板を1個だけ採集した。
鬼板には大量の雲母と石英が入っており、材料は花崗岩?と思わせるものであった。花崗岩の風化した土砂を酸化鉄が膠結したものだ。 嬉しかったのは、ここには礫層が残っており、礫層の崩れた跡から小さい玉髄礫もいくつか見つかった。島熊山の礫層の延長かもしれない。 今回のヒットはTaさんが採集された紅簾片岩礫であった。
中央構造線の南側にある筈の三波川変成帯の石が何故、北摂に・・・? 礫がまさか和泉山脈を越えてきた?場所的に他から持ち込まれた可能性は殆どゼロと云って良いだろう。
実は大阪層群の礫層から紅簾片岩の礫が出ることは大阪層群研究の先駆者、故市原実先生も注目されており、興味深い仮説を立てられていた。
思わぬ成果はあったものの、他にこれはというものが無いので、“高師小僧ハンター”のTaさんにお願いして豊中市内の高師小僧のスポット二か所にご案内頂いた。いずれも意外な場所であった。
絶産と思われていた北摂の高師小僧もまだまだ健在であることが判り、一安心の館長であった。
館長の高師小僧と大阪層群礫層探索の旅は続く。
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2014年10月11日(土)〜13日(月・祝)
京都ショー2014 |
秋恒例の京都ショーである。今年もヨメの視線を気にしながらの、内覧会(ディーラーズデイ)も含めた石漬けの四日間である。今回も館長の持ち場は「益富コーナー」。
京都ショーは委託標本があるので、特に初日の午前中からお昼にかけては大忙しであるが、スタッフの皆さんもいつものメンバーで慣れているので、無事に終わった。但し、今回は大型台風接近の為、最終日は14時に終了となった。
特別展示は「KANSAI石ふしぎスポット」ということで、京都、滋賀、兵庫各県の産地や石の紹介であった。 |
それと館長にとって嬉しいことがあった。鉱物趣味界の重鎮であるMgさんからたいへん珍しいものを頂いた。
二上山麓、竹内峠の輝石花崗質岩であった。
エジリン輝石を含む混成岩で、かなり珍しいものだ。館長も探しに行ったことはあるが、ポイントすら判らなかった。
また、たいへん珍し鉱物に出会った。稀産鉱物専門のPさんのテーブルをのぞくと、いつも通りテーブル一面に外国産の稀産鉱物が並べられている。たまに国産標本もあるので、チェックすると「ILSEMANNITE」の文字が・・・。
「おっ!イルセマナイト、藍水鉛鉱やないか!?」本邦で見つかっているのは知っていたが、本邦産の実物は初めて見た。
稀産鉱物だけに良いお値段であったが、滅多に無いものなので購入した。
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2014年9月14日(日)
秋の「石の花」へ |
今月の運営委員会を旅行の為欠席したので、久々の益富地学会館だ。
本日はOaさんの「石の花」が行われた。
今回は山口県・広島県の鉱物がテーマ。
昨日、拙宅にお出で頂き石談義をした関東の石友Tさんも初参加。
関西だけでなく、愛知、三重のメンバーも加え、ほぼいつものメンバーが揃った。
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大和鉱山や喜多平鉱山、喜和田鉱山、長登鉱山など山口県を代表する有名鉱山の古き佳き時代の標本が多数出品された。
また、広島県は瀬戸田の斜開銅鉱などの二次鉱物が多数出品された。
その中で館長が購入したのがトパーズ。山口・広島でトパーズ?と思う方もいらっしゃるだろうが、タングステンを採掘した生口島の瀬戸田鉱山で出たのだ。 瀬戸田鉱山のトパーズはずいぶん昔に木下亀城先生の原色鉱石図鑑で、その産出を知ったのだが、後年入手したものは、いわゆる「脈性トパーズ」で綺麗でもなんでもなかった。えっ、これがトパーズ?というような代物だった。
瀬戸田のトパーズは、この程度と考えていたが、今日入手したのは、5mm程度の細かさながら、頭付きの透明結晶が母岩中に数本付いたものである。円郷山や恵比寿鉱山のようなものだろうか。
トパーズとしては立派なものではないが、珍品であることには違いがない。
標本は極力増やさない方針であるが、珍品集めは止められない館長であった。
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2014年9月5日(金)〜6日(土)
館長、「東洋のマチュピチュ」へ |
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今年も遅めの夏休みで、毎年恒例のヨメとのバス旅行に出かけた。
毎年、この旅行では「石との意外な出会い」を探すのだが、今回は石に出会うのがもう決まっているも同然だ。
それもその筈、行先は「東洋のマチュピチュ」、かつての日本三大銅山であり、住友グループ発祥の地、別子銅山跡である。
それに加えて、日本最古の湯、道後温泉と村上水軍で知られる来島海峡クルーズがセットになっている。結構お得なツアーである。
ただ、心配なのは天気だ。愛媛県地方の降水確率50%。
しかも、四国山地の山の上だけにかなりヤバイ。
ヨメからは「やっぱりね!」、「流石、雨男!」とイヤミを言われるのは目に見えている。
さて、館長夫婦を乗せた観光バスは淡路島を縦断して、一路、四国へと向かう。やはり天気は弱いながら雨模様。
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ところで、館長の職場で机を並べているSさんは何と別子のご出身で、お父上も別子鉱山に務めておられた。Sさんによると「雨やったら何もみえませんよ」との事前情報で雨が上がるのを祈るばかりである。
バスは別子銅山観光の中心、端出場(はでば)に到着。
ここでマイクロバスに乗り換えて、「東洋のマチュピチュ」といわれる東平(とうなる)地区へ向かう。
東平はかつて別子銅山の中心であった所で貯鉱場やインクライン等の鉱山施設の跡が多数残っている。
かつてはこの山深い地に400世帯もの”街”があったのだ。今でも住居跡(コンクリートの土台だけだが)など生活の痕跡を見ることが出来る。
このような天空の地に3800人もの人たちが暮し、劇場や学校(しかもプール付き)、企業の本拠地まであったのだ。これはやっぱり「マチュピチュ」やね。本家は写真でしか見たことないけど・・・。
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再び、マイントピアに戻り、「鉱山鉄道」の出発時間まで施設内を見学する。施設内には鉱石の展示ケースがあり、別子だけに限らず、色々な鉱山の多数の鉱石が展示されている。
別子はキースラガー鉱床なので、我々鉱物趣味家向けの標本が多数出たわけではないが、数少ない「コレクションアイテム」であった「ハネコミ(鉱山では”ふきよせ”というらしい)」が展示されていた。別子鉱山名物?の安四面銅鉱ではなさそうだ。
その後、「鉱山鉄道」に乗って、坑内観光へと向かう。江戸時代から近代までの坑内での様子がジオラマで再現されている。鉱石の標本も展示されており、紫蘇ノ(シソバク)とも呼ばれた斑銅鉱などが展示されていた。館長が最も心配した天気も、残念ながら快晴とは言えなかったが、なんとかもってくれた。
その晩は道後温泉で宿泊、念願の道後温泉本館も体験した。
道後温泉は初めてだったが、湯温も熱くもなく温くもなく適温。
サラッとした泉質で、たいへん心地よかった。また機会があれば来たいものだ。
47都道府県を踏破した館長の日本の旅は続く。 |
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2014年8月30日(土)
名古屋ショーで驚愕?の標本と出会う |
8月恒例の名古屋ショーへ行った。名古屋ショーはなんと今年で36回。
砿物趣味界の「生き字引」の石友によると、日本のミネラルショー(昔はこんなハイカラな呼び方ではなかったが)では恐らく二番目という歴史あるショーだ。一番目はとうの昔に終わっており今では知る人も少ない。
名古屋ショーは我国で最も長く続いているミネラルショーである。
鉱物マニアのアマチュア主体であるので、古き佳き標本即売会の伝統が生き続けている。これからも50回、100回・・・と続いてほしい。
館長は100回目は126歳まで生きないといけないので、ちょっと難しいかも。
さて、最近ますます「ルビーシルバー」に魅せられている館長の今回の目的は紅銀鉱である。
先ずは北海道の出展者のブースへ向かう。ここはルビーシルバーの出現の可能性が高い。濃紅銀鉱を含む光竜鉱山の銀黒はあったが、既に同地産の結晶はもっていたので見送りとした。
標本を見ていると石友であり出展者でもあるIgさんから声をかけられた。
面白いものがあるとお誘いを受けた。早速、そのブースに向かい、石友Tyさんから見せられた標本にびっくり仰天!我が目を疑った・・・。
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何と大阪府産の緑柱石であった。かなり古そうな標本で、ペグマタイトの母岩に入った1cmくらいの淡緑色の結晶で一部にアクアマリン?とも呼べそうな部分がある。全体的には酸化鉄で汚染されたような外観で、よくこんなものを拾ったなと採集者の慧眼に感心しきり。
思いもかけぬ出現に思わず、クラクラっときた館長であった。勿論、大阪府初産である。「これ売り物?・・・」と恐る恐る聞くと、「そう!」という嬉しい返事。
「買った!!」という即座の返答。その間0.1秒もなかっただろう。
もし、この標本が他人の手に渡っていたらと思うと冷や汗ものだ。
暫く悔しくて眠れない日が続いたと思う。仕事も手につかなかっただろう。
帰って、その話をヨメにしたら、「アホか!」と一蹴された。
思わぬ成果に気分を良くした館長は名古屋の超ベテランコレクターIkさんのコーナーへ。
流石にベテランらしい館長好みの標本が多数。標本の数を絞っている館長としては生野鉱山の脆銀鉱だけを購入。
鉱山稼行時に坑内で採集されたとか。如何にも銀鉱石という重厚な標本で、細かいがギラッした脆銀鉱が肉眼で判る。
まだ、ルビーシルバーを見つけていない館長はようやく福岡のKtさんのコーナーで兵庫県養父鉱山の濃紅銀鉱を入手出来た。古い標本で、残念ながらかなり黒化が進んでいたが、濃紅銀鉱ではやむを得ない。
「花の命は短くて・・・」、美しきルビーシルバーの宿命である。
その後、三重のNさんのコーナーで大阪府川浦鉱山の正長石の結晶(母岩付き)を見つけた。
以前、大阪の石友Taさんから聞いていたものだ。Taさんが一緒に行って採集したものらしい。
館長は何度も川浦鉱山へ行ってるが、採集したことはない。能勢の長谷のものにそっくりだ。
3個体出品されており、その内の一個は珍しいマネバッハ式双晶で、もう一個は典型的なカルルスバット式であった。
当分、川浦へ行く予定はないので購入。たいへんバランスの良いマネバッハだった。
会場では福岡石の会のメンバーとも久しぶりにお会いした。Yさんは本当に久しぶりだ。
今回の目玉標本を見せてもらったが、標本よりも、そのラベルに釘付け。サッカーやラグビーの強豪校、東福岡高校地学部のラベルだが、なんと小川留太郎先生の直筆ラベルだった。
標本よりも、そっちが欲しかったが、財布に厳しい値段であったので断念した。その他K標本店のブースではソフトボール大の尾去沢の鼈甲亜鉛があった。これは凄いものだった。
他にも全国各地の趣味家、石友とお会いでき楽しい時間を過ごすことができた。
特に今回は思いもかけぬ標本を入手できただけにご満悦の館長であった。
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2014年6月20日(土)
千早鉱山へ |
数年ぶりに大阪府南河内郡の千早鉱山を訪れた。今回は「朱」を研究されている館長の母校のMt先生(後で知ったが、Mt先生も母校の卒業生で、偶然、館長と同い年であった。・・・という事は今を去る40年前、キャンパスでMt先生とすれ違っていたかも・・・)と共同研究者でもあるBm先生を鉱山跡にご案内するのである。
館長は一旦、京都へ出て、益富地学会館のFtさん、Itさんと合流し南下、一路、大阪府唯一の村である千早赤阪村の「くすのきホール」へと向かった。
午前中はBm先生の辰砂に関するご講演を拝聴した。各地の辰砂の標本展示も同時に行われ、館長の千早鉱山産鉱物も数点展示させて頂いた。
午後は千早鉱山跡へ向かったが、講演会に参加された方も多数来られた。
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館長の採集ポイントへ向かおうとしたが、大雨などで道が無くなっていたり、川の流路が変っていたり、ズリそのものが流されていたりで結局、到達出来なかった。残念・・・。ここも「幻の産地」になってしまったのか・・・。
それでも僅かに残った転石から参加された方が小さな辰砂や鶏冠石を採集され、一応の成果はあった。 |
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2014年6月15日(日)
「石の花」 |
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三か月に一度の「石の花」で上洛した。今回の特集は「乙女鉱山の鉱物」。
乙女鉱山といえば「日本式双晶」と「ライン鉱」。
共にオークションとして出品されていた。手頃な大きさの良い標本であった。
館長は本日は購入なく、見学のみにて終了。
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2014年6月6日(金)〜7日(土)
館長、上京する |
恒例の「新宿ショー」で上京した。早朝6時台に高速バスは東京に着いた。
これから3時間近く時間を潰さないといけないのだが、幸い、同じく新宿ショーに参加する石友Kkさんとバスの乗客用ラウンジでバッタリ会って、石談や四方山話に花が咲き、有意義に時間を潰すことが出来た。Kkさん、有難う!
午前中は新宿ショー会場を見て回る。定番の益富地学会館と眞鍋鉱物研究所のブースを中心にウロウロ。ノンプロコーナーではオフレ沸石などの新産鉱物が多数出品されていた。昔だったら買い漁っただろうが、現在は見るだけ。
里帰り標本が毎年沢山出品されるUSAの著名標本店K社のブースへ向かう。市之川の輝安鉱や乙女のツイン、苗木のトパーズなど古き佳き時代の名品が多数出品されていた。残念ながら館長好みの鉱物には出会えず。
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午後は上野公園の国立科学博物館へと向かう。
企画展「石の世界と宮沢賢治」が開催されているのだが、館長も「金石舎のブック型標本」で展示協力させて頂いている。
宮沢賢治は「石っこ賢さん」と呼ばれたくらいの石マニアであったのはよく知られている。
賢治が学んでいたであろう明治時代の鉱物界の教科書と共に館長のブック型標本(金石舎)を展示して頂いた。趣味家としては実に嬉しいことだ。(下の写真の右側の標本)
さて、今回、館長が関心をもったのが賢治直筆のラベルと標本。これは貴重品だ。
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それと特筆すべきは江戸時代に近江の国(滋賀県)で発見され、当時は「龍骨」と呼ばれた「トウヨウ象」の現物が展示されていた。文献では読んだことがあるが、まさか現物が残っていたとは思わなかった。 会場では本展示を企画された科博のYk先生直々にご案内頂いた。先生に感謝。
また、会場内で、なんと吹田地学会のArさんにバッタリ。久しぶりにお会いしたのだが、「奇跡的な」再会にお互いビックリ。 翌7日は。午前中、飯田橋で行われた「ミネラルマーケット」に参戦。
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相変わらず、たいへんな人出だ。そこで、福岡のHKさんや、石川県のMmさん達多数の石友にお会いする。
凄い人数の参加者で、なかなか出品物が見られない。会場内を歩くのも一苦労である。
残念ながらここでも館長の琴線に触れる標本は無かったが、唯一、「大阪府南河内郡金剛山」という印刷ラベルの付いたかなり年代物の管ビン入りの柘榴石の標本を買った。
金剛山の柘榴石とは珍しいが、中身はどうみても二上山周辺の「金剛砂」である。恐らく、産地の誤認と思われるが、それはそれで資料的価値は有り。ラベルから判断すると組標本として売られたものの一部のようだ。
結局、今回の買物はこの金剛砂一点のみ。購入価、なんと200円!これが今回の東京遠征の全てである。 |
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午後は再び新宿ショーの会場に戻り、今回も遠路駆けつけてくれた会社の同僚Hさんと四方山話で盛り上がる。
Hさんとの会談後、夕刻まで会場内をまたウロウロ。Bm先生と大阪で行われる鉱物関係のイベントの打合せを行う。こちらも楽しみ。
結局、ミネラルマーケットで購入した200円で終了。
「借金してでも買いたい標本」には今回も巡り合わず。次回に期待。
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夜はこちらも恒例の鉱物趣味関係者の集まり「新宿ミーティング」に参加。
普段、なかなかお会い出来ない全国の同好と食事をしながら石談に花を咲かせた。
今回は数年ぶりにペルーから戻られた創設メンバーのGaさんと再会。日本に帰られても、すぐに鹿児島の赴任先へ異動との事。 |
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2014年5月20日(火)
館長、「となりの人間国宝さん」に認定される。 |

館長コレクションの上に鎮座する認定書 |
関西の人気テレビ番組に「よ〜いドン!」という番組がある。
月曜日から金曜日の朝の生放送番組で9:50から11:15という時間帯なので、館長のようなサラリーマンは祭日や休暇と重ならない限り見ることはできない。館長は休みが重なった時にはよく見る番組だ。
その番組の人気コーナーに「となりの人間国宝さん」がある。
シンガーソングライターでタレントの円広志さんと落語家の月亭八光さんがそれぞれ、いろんな駅を起点に街を巡り、人々やお店と出会うという企画で、以前、京都在住の鉱物コレクターのTmさんも出演された。
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今回は館長宅の最寄駅である阪急電車O駅周辺が紹介された。
そして、なんと館長宅に円広志さんが来られ、取材(もちろん「石」について)頂いて、「となりの人間国宝さん」に認定頂いた。
館長にとっては実に名誉なことでありました。一緒に出演してもらったヨメに感謝! |
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2014年5月14日(水)
30年ぶりの「瑞浪鉱物展示館」 |
出張で岐阜県瑞浪市に来た。大阪から新幹線と在来線特急、快速を乗り継いで約2時間強の”旅”であった。
余裕をもって着くように、早めに大阪を出たのだが、順調に乗り継ぎが出来て、1時間前に着いてしまった。ランチは車中で済ませたので時間が余った。
そこで予定には無かったが駅近くの「瑞浪鉱物展示館」を訪問した。
展示館は著名鉱物コレクターでもあるIyさんが運営するもので、その鉱物種の豊富さは日本一と言われている。
事務所で挨拶を済ませ館内に入る。恐らく30年ぶりくらいの三回目の訪問である。
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館内に国産、外国産の多数の標本が整然と陳列されており、個人コレクションの展示としては本邦最高峰だろう。時間が余ったとは言え、ゆっくり見学するほどの時間も無かったので、足早に見学を行う。
希元素鉱物を集めたコーナーには大阪府坂口鉱山の褐簾石があった。
鉱物種の豊富さもさることながら、地元岐阜県の鉱物は専用のコーナーを設け、充実している。
やはりコレクターが作られた博物館はコレクターの視点に立っているので、一味も二味も違うな。
館長も大阪府の鉱物をこのように展示したいものだ。 |
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2014年4月26日(土)〜28日(月)
石ふしぎ大発見展・大阪ショー |

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今年も大阪ショーが始まった。館長は今回もスタッフとしての参加である。
館長の担当はいつも通り、益富地学会館コーナーである。
以前の大阪ショーでは会館コーナーは専ら、書籍や採集用品、整理用品のみを扱っていたが、昨年から標本の販売も始めた。
標本は300円から500円くらいの比較的買いやすい標本が多かったので、なかなか売れ行きは良かった。「掘り出し物」も相当数あったようだ。
最終日の月曜日は平日であったが、予想に反してお客様が多く忙しかった。
休憩時間を利用して会場内を急ぎ足で廻る。
館長馴染みの標本屋さんで、緑マンガン鉱の上品に出会った。割ってから一か月間は殆ど変色していないとの事。
進行具合の差こそあれ、いずれは真っ黒になってしまう儚い運命の鉱物であるが稀に変色の少ない緑マンもあるとの事。ここは「奇跡」に賭けて購入した。
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特別展示は昨年の京都ショーに引き続き、110年に及ぶ、旧制三高時代からの京都大学の鉱物コレクションであった。
時代を感じさせる素晴らしいコレクションのオンパレードであるが、特に市之川鉱山の輝安鉱は実に見事。
保存状態がたいへん良く、美しさは和田標本にひけをとらない。
館長イチ押しは山梨県金峰山のアクアマリンである。やはり古典的なコレクションは素晴らしい。 |
また、この度、益富地学会館の主任研究員であるFtさんが「必携鉱物鑑定図鑑 楽しみながら学ぶ鉱物の見方・見分け方」という本を出版された。
大阪ショーが初お目見えなので、皆さんの関心も高く、かなりの売れ行きであった。
会館コーナーの横では臨時にFtさんのサイン会を行い好評であった。
この本は鉱物鑑定検定8級から4級を対象にしているそうなので、これから検定に挑戦される方にはピッタリであろう。
監修を行った益富地学会館でも取り扱っているので、購入ご希望の方は会館へご連絡願いたい。
・・・という事で楽しかった三日間はアッという間に終わった。次はいよいよ6月の「新宿ショー」だ。 |
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2014年4月13日(日)
石川県鉱物同好会総会 |
石川県鉱物同好会の総会で金沢へ。最近、金沢への出張の機会が減ったので、久しぶりの金沢である。
金沢駅前の同好会の事務局でもある鉱物標本店「石の華」に集合し、会員の皆さんと徒歩数分の会場へ向かう。
本日は20名程の会員が集まった。かなり出席率が良い。殆どの方が石川県の方で、館長が最も遠方の出席者のようだ。
出席者の自己紹介の後、総会議事や情報交歓、標本のお披露目、標本頒布などが行われた。
情報交歓の中で、金沢市内で最近見つかった灰十字沸石の新産地の紹介があり、標本が全員に頒布された。館長も頂戴したが運良く十字型の双晶をゲットした。館長は京都亀岡の桜石、木津川の高師小僧、大阪府太子の金剛砂を含む砂などを提供した。総会は和気あいあいの雰囲気の中、二時間ほどで終了。
その後、再び「石の華」におじゃまし、会員の方々と石談に花を咲かせた。
前回、「石の華」訪問時に購入し、取り置きしてもらっていた三重県紀州鉱山産の見事なマンガン方解石を購入した。黄銅鉱の上にピンク色のマンガン方解石の結晶が乗る芸術的な標本だ。
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 写真上:会員自慢の標本のお披露目会
写真下:Y名誉会長(前会長)の見事なコレクション! |
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2014年3月9日(土)
探し続けて数十年!ついに”幻の鉱物”を入手 |

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Oaさんの「石の花」に参加した。本日のメインはリチウムペグマタイトで知られる名産地・長垂など福岡県の鉱物であった。最近、長垂からはナミビア石など多くの本邦新産鉱物が一挙に見つかっており注目を浴びている。
今回も長垂の紅電気石などの鉱物が出品された。
館長は長垂の鉱物は一先ず置いといて、「他に何かないかな?」と他の標本をチェックしているとお世辞にも美しいとは言えない黒い小さな鉱物に気が付いた。
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一見、磁鉄鉱か黒い柘榴石のように見えた。普通はスルーするのだが、この時は妙に気になってラベルを見た。
何と福岡県三ノ岳産の”黒い灰重石”。所謂「三ノ岳石」であった。
思わず、不覚にも「”三ノ岳石”やぁ・・・!!」と歓声をあげてしまった。
それ程意外であり、館長が長年、追い求めていたものだったのだ。50年以上の館長の鉱物趣味人生で「三ノ岳石」が市場に出たのを見た(知った)のは、遙か以前、明治時代の名鉱物コレクター篠本二郎氏がドイツのクランツ社に売った標本の一部が里帰りで戻ってきた時のものが出てきて以来である。
但し、これは後から知った話(・・・という程古い話)なので、現物は見ていなかった。「三ノ岳石」の現物は初見だ。
まさかここで会えるとは・・・。大袈裟であるが、生きているうちに出会えるとは思わなかった。勿論、ゲットである。
欲しい、欲しいと思っていると不思議と手に入るものだ。
このような貴重な標本をお持ちであったとは、流石、Oaさんである。Oaさんによると、元々は島津製作所標本部の石であったそうだ。こちらも流石、鉱物界の超名門「島津」である。「三ノ岳石」はライン鉱などと同様、見つかった当初は新鉱物と言われ、後で否定されたものだ。ライン鉱に似てはいるが、その希少性は比較にならない。現存個体数は極めて少ないと思われる。日本鉱物誌第三版にも表面が鉄重石化した灰重石として記載されている。
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2014年2月8日(土)
「鉱物のすすめ」 |
石川県以外にお住まいの方にはあまり馴染みが無いと思うが、北陸中日新聞に月一回、「鉱物のすすめ」というコラムが掲載されている。
石川県に産する鉱物を毎回取り上げられている。
石川県鉱物同好会の事務局でもある「石の華」のMmさんが中心となって執筆されているが、今回、県外の館長が2回執筆させて頂くこととなった。
話題は館長が興味をもっている倉谷鉱山とその鉱物である。
・・・と云っても、館長は倉谷鉱山へは行ったことが無い。
従って、僅かに残った資料と館長保有の標本から話を展開させている。
とんでもない交通不便の山奥で、近くまで行ったという話は聞くが、現地まで辿り着いたという話は聞いたことがない。
それでも金沢市内なのだが。本日発行分は菱マンガン鉱を、もう一回はアンチモン鉱物を取り上げた。機会があれば、ご覧頂きたい。 |

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2014年2月1日(土)
京大標本 |

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久しぶりに益富地学会館の企画展示が新装となった。
既に益富地学会館の館報でも紹介されているが、京都大学標本の展示である。
旧制三高時代からの古典逸品標本が多数展示されている。実物は直接、皆さんにご覧頂くとして、一点だけ紹介させて頂く。
それは石川県倉谷鉱山の菱マンガン鉱である。銘柄標本中の銘柄標本である。
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この標本自体「幻の鉱山の幻の標本」であるので、館長の51年の鉱物人生で写真も含めて、そう何度も見たわけでもない。しかしながら、その中でもこれはピカイチである。
母岩も大きく、一面にピンクの可憐な菱マンのバラが咲いている。
しかも倉谷鉱山定番の車骨鉱と毛鉱も伴っている。「眼福にあずかる」とはこういう事をいうのだろう。
運営委員会の方は4月の大阪ショーに向けて動き出した。多数のご来場をお願い致します。 |
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2014年1月19日(日)
交流会へ |
益富地学会館の新春交流会に参加した。この会には「京都地学会」新春総会の頃から参加しているので、もう何回目だろうか。まぁ、とにかくこの会から館長の鉱物趣味の一年が本格的に始まるのだ。
今回も館長は古くからの友人のTyさんと出品者としての参加なので、他の方の出品物を観察する時間はあまり無かった。館長は大阪府産の晶洞から出た大き目の煙水晶を入手できたのは特筆モノだ。このサイズは大阪府産としては稀だ。
そして、館長を驚かせたのはSyさん出品の明治時代の文献だ。
「東北地質篇」という初めて見た本であるが著者は巨智部忠承である。
著者もビッグであるが、なんと本邦地質学の先駆者小藤文次郎のサイン入り!である。これは貴重だ。後で、ある博物館に行ったという話を聞いて安堵した。
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このような貴重品は博物館に持ってもらうのがベストだろう。
館長は大分県豊栄鉱山のホタル石の巨大な群晶を出品した。
まず見ることのない迫力満点の標本に皆さんを驚かせたが、無事、御輿入れできた。
加藤先生、小原先生、松原先生の講演を拝聴した後、交流会は盛会の内に終了。
会場をレストランに移して、懇親会が行われ、館長も参加し石談に花が咲いた。 |
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2014年1月11日(土)
始動! |

1月11日の益富地学会館
本日より開館。来場者が多かった。
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益富地学会館の運営委員会で上洛した。2014年鉱物ライフのスタートである。
午前中は会館の職員、各委員、有志参加による「救急救命講習」を上京消防署で受講した。2年ぶりの受講であったが、忘れている部分や、方法が変わっている所もあって、やはり定期的なブラッシュアップが必要と痛感。
午後、会館に戻り、運営委員会まで皆で情報交換を行った。今日は会館の新年第一日目の為、来館者も多く終日賑わっていた。
館長は石友から大阪府交野産の立派なジルコンの結晶を頂戴した。
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こんなものが出たんですなぁ。石友から「大阪府鉱物誌」を早く作れ!と催促を受けたが、まだまだ時間がかかりそう。気長にお待ち願いたい。「還暦記念」の予定が「古希記念」になりそうだ。
運営委員会は滞りなく終わり、終了後、四条烏丸に場所を移して、会館関係者の新年会が行われた。
皆さんと石談義で大いに盛り上がった。
有志は二次会に行ったようだが、遠方の館長は一足お先に失礼した。 |
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2014年1月1日(水・祝)
あけましておめでとうございます!
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皆様、あけましておめでとうございます。昨年12月31日に長年使っていたPCが遂に壊れましたので、復旧に時間を要し、ご挨拶が遅れました。
旧年中は「鑛物趣味の博物館」をご愛顧頂き、また館長個人も多くの石友、同好の方々にたいへんお世話になりました。
厚く御礼申し上げます。
館長にとって昨年は10歳からスタートしました51年の鉱物人生で初めて、一度もハンマーを振るわない年となりました。
止むに止まれぬ事情によるコレクションの減量方針もあって、標本を増やす新規の採集を極力控えたことや、これは否めませんが、体力的な事、興味をそそる産地が無かったことなど様々な要因があったと思います。
コレクションは昨年末に石友の協力を得て、約半数の1,500点の減量を行いました。寂しい反面、正直、ホッとした面もあります。やはりコレクションの処分はコレクターの宿命であり避けられないテーマですね。
これからは楽しみながら更に時間をかけて減量したいと思います。最終的には500点程度に絞ってプライベートミュージアムの夢が達成できれば・・・と考えております。
コレクション以外では新聞2紙(朝日、神戸)に取り上げて頂きました。また「ミネラ」にも初寄稿を行いました。
但し、昨年11月を目標にしておりました「大阪石友会50周年記念誌」は90%まで漕ぎ着けたものの、持ち越しとなってしまいました。ライフワークの「大阪府鉱物産誌」は資料が溜まる一方で、まだまだ時間がかかりそうです。まぁ、焦らず、ジックリとやっていきます。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
最後になりましたが、石友の皆様、石を愛する同好・同志の皆様、「鑛物趣味の博物館」のお客様、そしてそのご家族、関係者の方々のご健康、ご多幸、鉱物趣味の益々の発展、そして石を愛する皆様の「石運」を心からお祈り申し上げます。 |
館長敬白 |
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